
ブン子アプリで知り合った人と結婚しても、長続きしないって聞いたことがあって…。ほんとうなのかな。

ハイ男オレも、アプリは「遊び」のイメージがあるんだよね。でも、結婚した人の話も聞くし。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、ネットで出会った夫婦のその後を調べた、アメリカの2つの研究です。どちらも米国科学アカデミー紀要(PNAS)に載った論文の原文をもとにまとめました。
- カシオッポ(Cacioppo)ら「Marital satisfaction and break-ups differ across on-line and off-line meeting venues」(2013年)
- ローゼンフェルド(Rosenfeld)ら「Disintermediating your friends: How online dating in the United States displaces other ways of meeting」(2019年)
日本のデータは、最近の夫婦はどこで出会った?とこども家庭庁の若者調査の記事にまとめています。
研究1:2005〜2012年に結婚した1万9,131人
- 2012年6月、ネット調査で、2005〜2012年に結婚したアメリカの1万9,131人に、配偶者との出会いと、いまの結婚の状態をたずねました
- 配偶者とネットで出会った人は、3分の1以上でした
- ネットで出会った人のうち、出会い系サイトで出会ったのは45.01%、SNSは20.87%でした
別居・離婚の割合
| 配偶者と出会った場所 | 調査のときまでに別居・離婚していた割合 |
|---|---|
| ネット | 5.96% |
| ネット以外 | 7.67% |
- 結婚した年、性別、年齢、学歴、収入、宗教、仕事などのちがいを統計で調整すると差は小さくなりましたが、ネットのほうが低いという結果は残りました
結婚の満足度
- 調査のときに結婚を続けていた人の満足度(7段階で答える質問からつくった点数)は、ネットで出会った人が5.64、ネット以外が5.48で、ネットのほうが少し高い結果でした
- ネット以外では、幼なじみ、学校、宗教の場、集まり(パーティーなど)で出会った人の満足度が高く、職場、家族の紹介、バー・クラブ、ブラインドデートで出会った人は低めでした

ハイ男ネットで出会った夫婦のほうが、別れた割合が少し低いんだ。イメージと逆だな。
論文自身が書いている注意
- 論文は、出会った場所の影響は「とても小さく、すべての人に当てはまるわけではない」と書いています
- 出会い方はくじで割りふれないので、ネットで出会った人に、もともと性格や結婚への意欲などのちがいがあった可能性は残る、としています
- 調べたのは結婚して最初の6〜7年までで、もっと長い期間はわかりません
- ネット調査に自分から答えた人が対象で、論文も、全体を代表しているとは言いきれない面があると書いています
- この調査は、アメリカの出会い系サイトの会社が調査会社に依頼したもので、著者の1人はその会社の科学顧問でした。論文には、独立した統計の専門家が分析を確認したこと、結果がどうであっても発表すると事前に取り決めたことが書かれています
研究2:アメリカでは、出会いは「ネット」がいちばん多くなった
2019年の研究は、アメリカ全体を代表するように選んだ人への調査(2009年と2017年)から、男女のカップルがどう出会ったかの移り変わりを調べました。
| 出会い方 | 1995年 | 2017年 |
|---|---|---|
| ネット | 2% | 39% |
| 友だちを通して | 33% | 20% |
| 家族を通して | 15% | 7% |
| 職場の同僚として・同僚を通して | 19% | 11% |
| バー・レストラン | 19% | 27% |
- ネットでの出会いは、2013年ごろに「友だちを通して」を追いこし、いちばん多くなりました
- 「バー・レストラン」が増えて見えるのは、ネットで知り合ったあと、最初に会った場所がバーやレストランだったカップルのためで、それを除くと1995年以降は減っていた、と論文は書いています
- ネットで出会ったカップルのうち、友だちなどの紹介を通したのは、2009年の調査の11.2%から、2017年は3.7%に減り、もともと知らない人どうしが約9割でした
- 論文は、以前の追跡調査では、どう出会ったかで、別れる割合や関係の質は変わらなかったとも書いています

ブン子アメリカでは、ネットで出会うのがいちばんふつうになっているんだね。

アメリカの研究では、ネットで出会った夫婦の別居・離婚の割合や満足度は、ほかの出会い方とくらべて少しよいか、ほぼ同じでした。どこで出会ったかより、出会ってからの関係のほうが大切そうです。
日本に当てはめるときの注意
- どちらもアメリカの研究で、研究1は2012年、研究2は2017年の調査です。いまの日本のマッチングアプリで同じかは、この論文からはわかりません
- 研究1の「ネット」には、出会い系サイトのほかに、SNS、チャット、オンラインゲームなども入っています
- 研究2の2017年の調査は、調査の登録者を募った段階からの累積の回答率が11%です
婚活に当てはめると
- 「アプリで出会った相手とは長続きしない」とは、この2つの研究からはいえません
- 一方で、論文は出会い方の影響はとても小さいとも書いています。アプリでも紹介でも、出会ってからのやりとりや話し合いが大切です
- 研究2の論文は、アプリは会う前ならブロックできるので安全の面で利点がある一方、会ったあとはその利点がほとんどなくなるとも書いています。会う前後の注意はマッチングアプリを安全に使うにはの記事もどうぞ

ハイ男アプリだから軽い、って決めつけるのはやめるよ。出会ったあと、どう向き合うかだね。

ブン子わたしも、アプリを試してみようかな。会うときは、昼間のお店からにする。
まとめ
- 2005〜2012年に結婚したアメリカの1万9,131人では、3分の1以上がネットで配偶者と出会っていた
- 別居・離婚の割合は、ネットで出会った人5.96%、それ以外7.67%。満足度も少し高かったが、論文は「差はとても小さい」と書いている
- アメリカの男女のカップルでは、ネットでの出会いが1995年の2%から2017年の39%になり、2013年ごろから「友だちを通して」を上回った
- どちらもアメリカの研究。日本のアプリで同じかはわからない
参考文献
- Cacioppo JT, Cacioppo S, Gonzaga GC, Ogburn EL, VanderWeele TJ. Marital satisfaction and break-ups differ across on-line and off-line meeting venues. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America. 2013;110(25):10135-10140. doi:10.1073/pnas.1222447110. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3690854/ (閲覧日:2026年10月22日)
- Rosenfeld MJ, Thomas RJ, Hausen S. Disintermediating your friends: How online dating in the United States displaces other ways of meeting. Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America. 2019;116(36):17753-17758. doi:10.1073/pnas.1908630116. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6731751/ (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

