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デア子アプリで相手を見ていると、最初は「いいかも」と思えるのに、30人くらい見たあたりから「この人もちがう」ってなっちゃうの…。

マジ男ぼくも。たくさん見れば、いい人に出会えるはずなのにね。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、相手をたくさん見ることと「選ぶ気持ち」の研究です。オランダのティルブルフ大学のプロンク(Pronk)とデニッセン(Denissen)の論文「A Rejection Mind-Set: Choice Overload in Online Dating」(学術誌 Social Psychological and Personality Science、2020年)の原文をもとにまとめました。
どんな研究?
マッチングアプリをまねた画面で、相手の顔写真を1枚ずつ見せ、「いいね(受け入れる)」か「なし(断る)」を選んでもらう実験を、3回行いました。対象は、恋人のいない18〜30歳の異性愛の人です。
| 参加した人 | 見た写真 | |
|---|---|---|
| 実験1 | アメリカのネット調査の登録者 315人(男性159人・女性156人) | 架空の相手の写真 45枚か90枚 |
| 実験2 | オランダの大学の学生など 158人(男性82人・女性76人) | 参加者どうしの本物の写真。おたがいに「いいね」なら、あとで連絡先が届く |
| 実験3 | アメリカのネット調査の登録者 305人(男性150人・女性155人) | 架空の相手の写真 50枚(10枚ずつ5回) |
わかったこと(1):見ていくほど「いいね」が減る
- 論文の要約では、3つの実験を通して、最初の相手から最後の相手までに、「いいね」をする確率が平均27%下がりました
- 実験1と実験2では、最初の写真にくらべて、最後までに「いいね」の確率が約29%下がっていました
- 実験1では、最初の13枚ほどで急に下がり、そのあとは横ばいでした。本物の相手を選ぶ実験2では、30枚ほどまでは変わらず、そこから下がりはじめました
- 実験3で下がりかたがはっきりしていたのは女性で(約29%)、男性でははっきりしませんでした

マジ男見る枚数が増えるほど、選ぶ側の気持ちのほうが変わっていくんだ。
わかったこと(2):女性では「マッチ」も減った
- 本物の写真を使った実験2では、女性は後半になるほど「おたがいに いいね」になる確率が下がり、最初から最後までに70%下がりました。男性でははっきりした変化はありませんでした
- 論文は、もともと女性のほうが「なし」を選ぶことが多く、そのぶん「拒否のモード」に入りやすいのかもしれない、と考察しています
わかったこと(3):写真への満足と、自分の見通しが下がっていた
- 実験3では、10枚ごとに気持ちをたずねました。見ていくうちに、写真への満足感と、「自分はうまくいきそう」という見通し(「この中の何人が自分に いいね をくれると思うか」など)が下がっていて、この2つで「いいね」の減りかたが説明できました
- 3つの実験すべてで、「なし」を多く選んだ人ほど、自分が いいね をした相手への満足度が低い傾向がありました(相関 −0.34、−0.20、−0.22)。たくさん断れば、残った相手に満足できる、というわけではありませんでした
- さらに分析すると、「なし」が増えていたのは、見た枚数そのものより、それまでに断った回数が積み重なったことと結びついていました(論文は、この分析は慎重に読むべきだとしています)

デア子断るほど、残った人にも満足できなくなるなんて…。疲れてくるのは、わたしだけじゃないんだね。

この実験では、相手を見ていくうちに、写真への満足感と「うまくいきそう」という見通しが下がり、「なし」が増えていきました。「この人もちがう」が続くのは、あなたの理想が高すぎるからとは限りません。
研究の限界
- 実験1と3は架空の相手の写真で、実際に会う相手を選んだわけではありません。本物の相手を選んだ実験2でも、見たのは顔写真だけで、プロフィールの文章や会話はありません
- 参加したのはアメリカのネット調査の登録者とオランダの大学生など、18〜30歳の異性愛の人です。日本のアプリや、ほかの年代でも同じかは、この論文からはわかりません
- 「いいね」が下がりはじめる枚数は、実験によってばらばらで、論文も「いつ拒否のモードに入るかは、はっきりした答えが出ていない」と書いています
- 論文は、「断った回数」と「見た枚数」の影響を分けるには、さらに実験が必要だとしています
婚活に当てはめると
論文は、オンラインで相手を探すときは、探す量(あるいは断る回数)をしぼることが役に立つかもしれない、と書いています。さらに、1人ずつ相手を考え、そのあとしばらく間をあけることも考えられる、としています。
- 1日に見る人数を決めて、だらだら見つづけない
- 「なし」が続いてきたと感じたら、いったんアプリを閉じる
- 気になる人がいたら、ほかの人と比べ続けるより、まずその人とやりとりしてみる

マジ男見る人数を決めて、気になった人とはちゃんとやりとりしてみるよ。

デア子「この人もちがう」が続いたら、それは休むサインって思うことにする。
- 最初のメッセージの研究はアプリのメッセージ、長く書けば返事が来る?、出会い方の選び方は結婚相談所・マッチングアプリ・公的な婚活支援、どう選ぶ?、つらくなったときは婚活に疲れたらもどうぞ
まとめ
- アプリをまねた3つの実験で、相手の写真を見ていくうちに「いいね」の確率が平均27%下がった
- 本物の相手を選んだ実験では、女性の「マッチ」の確率が70%下がった
- 見ていくうちに写真への満足感と「うまくいきそう」という見通しが下がり、断る人ほど、選んだ相手にも満足しにくかった
- 論文は、探す量や断る回数をしぼることをすすめている。日本のアプリで同じかはわからない
参考文献
- Pronk TM, Denissen JJA. A Rejection Mind-Set: Choice Overload in Online Dating. Social Psychological and Personality Science. 2020;11(3):388-396. doi:10.1177/1948550619866189. https://doi.org/10.1177/1948550619866189 (閲覧日:2026年10月22日)
- 同上(出版社版の本文、ユトレヒト大学リポジトリ). https://dspace.library.uu.nl/handle/1874/409664 (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。


