
ブン子このまま結婚できなかったら、わたしはずっと幸せになれないのかなって、ときどき思っちゃう。

マジ男ぼくも、親に「まだなの?」って言われるたびに焦る。焦って決めちゃいそうでこわいよ。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、独身のあいだの幸せを調べた研究のまとめです。2023年に学術誌 Perspectives on Psychological Science に載った、カナダのサイモンフレーザー大学のガーミー(Girme)らのレビュー「Coping or Thriving? Reviewing Intrapersonal, Interpersonal, and Societal Factors Associated With Well-Being in Singlehood From a Within-Group Perspective」の原文をもとにまとめました。
どんなレビュー?
- このレビューでの「独身(シングル)」は、恋人やパートナーがいない状態のことです
- これまでの研究の多くは、「独身の人と、パートナーがいる人のどちらが幸せか」をくらべてきました。このレビューは、独身の人の中で、どんな人がより幸せに暮らしているかに目を向けて、研究をまとめています
まず:「平均では、パートナーがいる人のほうが満足度が高い」の読み方
- これまでのメタ分析などでは、平均すると、独身の人は結婚している・パートナーがいる人より、人生の満足度が低めでした
- ただしレビューは、関係が幸せな人は関係を続け、幸せでない人は独身にもどるので、単純にくらべると関係のよさが大きく見えてしまう、という指摘を紹介しています
- 同じ人を追った研究では、結婚のあとの幸福感の上がりかたは長続きしないことが多い、とも書いています(くわしくは結婚すると幸せになる?の記事に)
独身の人の幸福と結びついていたこと
(1)「独りになるのがこわい」気持ち
- 「パートナーがいないこと(いま、またはこれから)への心配・不安・つらさ」を、研究では「独りになることへの恐れ(fear of being single)」とよびます
- この恐れが強い独身の人は、独身でいることへの満足度が低い傾向でした
- この恐れが強い人は、自分では基準を下げたと思っていなくても、魅力や思いやりの低いプロフィールにも関心を示し、スピードデートでも相手を選ぶ基準がゆるくなることが示されていました
- レビューは、この恐れが強い人は、独りでいることがつらいあまり、満足度の低い関係でも独りよりいいと考えやすいようだ、とまとめています

マジ男焦る気持ちが強いと、「この人でいいのかな」をちゃんと考えないで決めちゃうことがあるんだね。
(2)まわりからの「まだ結婚しないの?」
- アメリカの独身の人の研究(616人)では、親・家族・友だちからの圧力を感じていて(とくに女性)、その圧力が独りになることへの恐れを強めていました
- 家族からの結婚の圧力の研究は、アジアの社会で多く行われていて、独身への偏見が強い社会ほど圧力が多く、圧力は独身の人の幸福感を下げる傾向があった、というまとめを紹介しています
(3)友だちや家族との関係の質
- 独身の人は、パートナーがいる人より、友だちやきょうだいとの結びつきが強いなど、まわりとの支え合いがよいという研究がいくつもあります
- 友だちとの関係の質に満足している独身の人は、人生の満足度も独身でいることへの満足度も高い傾向でした(3,890人の研究)。ただし、パートナーがほしい気持ちが弱くなるわけではありませんでした
- 一方で、男性は女性より人づきあいの輪が小さく、パートナーに支えを頼りやすいため、独身の男性は支えが少なくなりやすい、という研究も紹介されています
(4)年齢
- 独身の人の研究(7,825人)では、30〜34歳ごろに「独身は自分で選んだものではない」という感覚がいちばん強くなっていました
- 一方で、中年期をすぎると、パートナーをもつことの優先順位は下がっていく、という研究も紹介されています

ブン子友だちとの時間を大事にしても、結婚したい気持ちがなくなるわけじゃないんだね。

このレビューでは、「独りになるのがこわい」気持ちが強い人ほど、満足度の低い関係でも独りよりいいと考えやすいようだ、とまとめられていました。友だちとの関係の質が高い独身の人は、人生の満足度も高い傾向でした。
研究の限界
- 研究を集めて説明したナラティブ・レビューです。レビュー自身が、研究のしかたの強さ(人数など)にかかわらず、どの研究も同じように紹介してしまう面があると書き、目安として人数を添えています
- 集めた研究の多くはアメリカ・カナダ・ヨーロッパの人が対象で、レビューも「一般化には限界がある」と書いています。日本で同じかは、このレビューからはわかりません
- 多くはある時点の結びつきを見た研究で、「友だちを大切にすれば幸せになる」と確かめた実験ではありません
- 独身の人の研究はまだ少なく、多くの問いが答えられていない、とレビューは書いています
婚活に当てはめると
- 焦りが強いときは、自分では気づかないうちに相手を選ぶ基準がゆるくなることがある、という研究がありました
- 婚活中も、友だちや家族との時間は、独身の人の満足度と結びついていました。友だちを大切にしても、結婚したい気持ちが弱くなるとは限りません
- 焦りとの付き合い方は友だちの結婚ラッシュに焦ったら、つらくなったときは婚活に疲れたらの記事もどうぞ

マジ男焦って決めるんじゃなくて、「この人と暮らしたいか」で考えるよ。親には、ちゃんと動いてるって伝えてみる。

ブン子婚活しながら、友だちとの時間も大事にする。いまのわたしの毎日も、ちゃんと楽しみたいな。
まとめ
- 平均では独身の人の満足度は低めだが、関係が続く人・終わる人のかたよりがあるため、単純にはくらべられない
- 「独りになるのがこわい」気持ちが強い人は、独身の満足度が低く、相手を選ぶ基準がゆるくなりやすい
- まわりからの結婚の圧力は、独りへの恐れを強めていた
- 友だちとの関係の質が高い独身の人は、人生の満足度が高い傾向。研究の多くは欧米の人が対象
参考文献
- Girme YU, Park Y, MacDonald G. Coping or Thriving? Reviewing Intrapersonal, Interpersonal, and Societal Factors Associated With Well-Being in Singlehood From a Within-Group Perspective. Perspectives on Psychological Science. 2023;18(5):1097-1120. doi:10.1177/17456916221136119. https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC10475216/ (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。



