美容医療でトラブルになったら、どこに相談する?医療のことは「医療安全支援センター」(全国398か所)、契約のことは「消費者ホットライン188」。センターは中立の立場で、医療機関には助言に応じる努力義務
日本皮膚科学会など5学会の「美容医療診療指針(令和3年度改訂版)」に加わった医療安全の章によると、美容医療をふくむ医療の苦情や相談に応じる行政の窓口として、都道府県・保健所を設置する市・特別区が設ける「医療安全支援センター」があり、2021年11月時点で全国398か所あります。センターは過失や責任を判断するのではなく、中立の立場で患者と医療機関の問題解決を支援し、医療機関の管理者はセンターの助言に応じて適切な措置をとるよう努めなければなりません。契約のトラブルは消費生活センター(188)へ。予期しない死亡が起きた場合の医療事故調査制度もまとめました。

メル美友だちが美容クリニックで施術を受けたら、腫れが引かなくて。クリニックに言っても「よくあること」としか言われないんだって。どこに相談したらいいんだろう。

プレ男お金のことなら188って聞くけど、体のことはどこなんだろう?
こんにちは、Dr. Taro です。 「美容医療」から、今回は美容医療でトラブルになったときの相談先の話です。日本皮膚科学会・日本形成外科学会・日本美容皮膚科学会・日本美容外科学会(JSAPS・JSAS)の5学会による「美容医療診療指針(令和3年度改訂版)」の「第6章 美容医療における医療安全」(改訂版で追加)をもとにまとめました。
まずは、施術を受けた医療機関に
- 気になる症状があれば、まずは施術を受けた医療機関に連絡し、医師の診察を受けましょう。ほかの医療機関(皮膚科・形成外科など)で診てもらうこともできます
医療のことは「医療安全支援センター」
- 美容医療をふくむ医療についての苦情や相談に応じる行政の窓口として、都道府県・保健所を設置する市・特別区が設けている医療安全支援センターがあります
- 2007年4月から設置が進められ、全国に398か所(2021年11月1日現在)あります
- センターは、区域内の医療機関の医療についての苦情・相談に対応し、必要に応じて医療機関の管理者に助言します
- センターの基本的な考え方は、過失や因果関係、責任の所在を判断・決定するのではなく、患者・住民と医療機関の間で、中立的な立場から問題解決に向けた双方の取り組みを支援することです
- ただし、センターの助言に対して、医療機関の管理者は適切な措置をとるよう努めなければならないと法令で定められています
- 医療安全支援センター総合支援事業のホームページには、「美容医療などの施術を受ける前に注意すること」というページもあります

メル美中立の立場で、間に入ってくれる窓口なんだね。
契約・お金のことは「消費者ホットライン188」
- 美容医療のトラブルは、消費生活センターにも多くの苦情が寄せられています
- 契約・解約・料金などのトラブルは、消費者ホットライン188(いやや)で、近くの消費生活センターに相談できます
- 消費者庁と厚生労働省は、共同で美容医療の注意喚起の資料を作り、医療の相談窓口として医療安全支援センターも案内しています
- クーリング・オフや中途解約は美容医療の契約とクーリング・オフの記事にまとめています

美容医療で困ったときは、ひとりで悩まず相談しましょう。医療についての苦情や相談は医療安全支援センター、契約やお金のことは消費者ホットライン188が窓口です。
予期しない死亡が起きたとき:医療事故調査制度
- 2015年10月に始まった医療事故調査制度では、医療機関で働く医療従事者が提供した医療が原因(疑いをふくむ)で、管理者が予期しなかった死亡が起きた場合、医療機関の管理者は、遅れずに医療事故調査・支援センター(日本医療安全調査機構)に報告し、原因を調べなければなりません
- 美容医療を行う医療機関も対象です。指針によると、これまでに美容外科の医療事故の事例も報告されています
- 医療機関は、まず遺族に説明し、調査の結果も遺族に説明します。遺族または医療機関が依頼すれば、センターが調査することもできます
- 医療事故にあたるかどうかは医療機関の管理者が判断しますが、遺族から申し出があって「あたらない」と判断した場合は、その理由をわかりやすく説明することとされています
事前の準備も大切
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施術の前に、使う薬・機器、リスク、ほかの方法の説明を受け、同意書や説明の書類、領収書を保管しておきましょう
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受ける前のチェックは美容医療を受ける前の4つのチェック、医師でないカウンセラーが治療法を決めるなどの違法な例は美容クリニックの「カウンセラー」と違法な例の記事もどうぞ

プレ男友だちには、まずほかの皮膚科で診てもらって、医療安全支援センターにも相談してみてって伝えよう。
まとめ
- 美容医療をふくむ医療の苦情・相談は、医療安全支援センター(全国398か所、2021年11月)
- センターは中立の立場で問題解決を支援。医療機関は助言に応じる努力義務
- 契約・お金のトラブルは消費者ホットライン188
- 予期しない死亡は、医療事故調査制度で報告・調査の対象(美容医療も)
- 施術の前に説明を受け、書類を保管
参考文献
- 日本皮膚科学会, 日本形成外科学会, 日本美容皮膚科学会, 日本美容外科学会(JSAPS), 日本美容外科学会(JSAS). 美容医療診療指針(令和3年度厚生労働科学研究補助金). 日本美容外科学会会報 44(特別号), 2022. 第6章 美容医療における医療安全(CQ6-1〜CQ6-3). https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/biyo2v.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。