美容医療の基本2026年10月4日

「切らない豊胸」の注入に注意:学会の診療指針は、非吸収性の充填剤の注入を「行わないことを強く推奨」。しこり・感染・体内での移動、乳がん検診への影響も。米国FDAはヒアルロン酸でも豊胸を認めていない

日本皮膚科学会・日本形成外科学会・日本美容外科学会など5学会の「美容医療診療指針」(2020年)は、豊胸を希望する人に、非吸収性の充填剤(フィラー)の注入は勧められない(行わないことを強く推奨)としています。しこり・痛み・変形・感染などの合併症が相次ぎ、いったん起きると乳房の切除と再建が必要になることも。吸収されるヒアルロン酸でも、大量注入による硬さやしこり、乳がん検診への影響が指摘され、米国FDAは豊胸への充填剤の使用を認めていません。脂肪注入との違いもまとめました。

目次
  1. 非吸収性の充填剤:「行わないことを強く推奨」
  2. 吸収されるヒアルロン酸なら安全?
  3. 脂肪注入は?
  4. 受ける前に、受けたあとに
  5. まとめ

メル美友だちが「注射だけでバストアップできる、切らないから安心」っていう広告を見て、迷ってるんだって。

プレ男切らないなら、手術より安全そうに聞こえるけど…。実際はどうなんだろう。

こんにちは、Dr. Taro です。 「美容医療」から、今回は注入による豊胸(乳房増大)の話です。日本皮膚科学会・日本形成外科学会・日本美容皮膚科学会・日本美容外科学会(JSAPS・JSAS)の5学会による「美容医療診療指針」(令和元年度厚生労働科学特別研究事業、2020年)の「第3章 乳房増大」をもとにまとめ、改訂版(令和3年度厚生労働科学研究補助金)の内容も確認しました。

非吸収性の充填剤:「行わないことを強く推奨」

くり返されてきた歴史

メル美何度も「新しくて安全」と言われては、合併症で使われなくなってきたんだ…。

合併症が起きると

学会などの共同声明

吸収されるヒアルロン酸なら安全?

学会の診療指針は、豊胸のための非吸収性の充填剤の注入を「行わないことを強く推奨」しています。「切らないから安全」とは限らないので、注入するものと合併症について、医師から説明を受けて慎重に考えましょう。

脂肪注入は?

受ける前に、受けたあとに

メル美友だちに、学会の指針のことを伝えてみる。決める前に、何を入れるのかちゃんと聞いてほしいな。

まとめ


参考文献

  1. 日本皮膚科学会, 日本形成外科学会, 日本美容皮膚科学会, 日本美容外科学会(JSAPS), 日本美容外科学会(JSAS). 美容医療診療指針(令和元年度厚生労働科学特別研究事業). 日本美容外科学会会報 42(特別号), 2020. 第3章 乳房増大(CQ3-1、CQ3-2-1、CQ3-2-2). https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/biyosinryo.pdf (閲覧日:2026年10月4日)
  2. 日本皮膚科学会, 日本形成外科学会, 日本美容皮膚科学会, 日本美容外科学会(JSAPS), 日本美容外科学会(JSAS). 美容医療診療指針(令和3年度厚生労働科学研究補助金). 日本美容外科学会会報 44(特別号). https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/biyo2v.pdf (閲覧日:2026年10月5日)(第3章。ヒアルロン酸による乳房増大は改訂版で追加)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。