美容医療の基本2026年10月4日

ケミカルピーリングは「医療」:皮膚科学会のガイドラインでは、にきび・小さなシミ・小じわは「選択肢のひとつ」、肝斑やにきび跡のへこみは「現時点では推奨できない」。施術後は日焼け対策を

日本皮膚科学会のケミカルピーリングガイドライン(改訂第3版、2008年)によると、ケミカルピーリングは皮膚を薬剤ではがし、傷が治る力で皮膚を再生させる治療で、業として行えば医業にあたります(2000年の厚生省の見解)。ガイドラインでは、にきび・小さな日光黒子(シミ)・小じわへのグリコール酸などは「選択肢のひとつとして推奨(C1)」、肝斑・そばかす・にきび跡のへこみなどは「十分な根拠がなく現時点では推奨できない(C2)」。赤み・色素沈着・まれに瘢痕などのリスクや、施術後の遮光についてもまとめました。

目次
  1. ケミカルピーリングってなに?
  2. 「医療」として、皮膚科の医師の管理のもとで
  3. ガイドラインの評価:何に、どのくらいすすめられる?
  4. 注意が必要な人
  5. 起こりうること
  6. 施術のあとは
  7. 受ける前に
  8. まとめ

プレ男にきびとにきび跡が気になってて…。「ピーリングでつるつる肌に」って広告を見たんだけど、どうなんだろう。

メル美わたしは頬のシミが気になる。ピーリングって、エステでもやってるよね?

こんにちは、Dr. Taro です。 「美容医療」から、今回はケミカルピーリングの話です。日本皮膚科学会の「ケミカルピーリングガイドライン(改訂第3版)」(日本皮膚科学会雑誌、2008年)をもとにまとめました。ガイドラインは2008年のものなので、その後の研究で評価が変わっている可能性があることも、頭に入れておいてください。

ケミカルピーリングってなに?

レベル はがす深さ
1 最浅層 角層
2 浅層 表皮(顆粒層〜基底層のあいだ)
3 中間(深)層 表皮と真皮の浅いところ
4 深層 表皮と真皮の深いところまで

「医療」として、皮膚科の医師の管理のもとで

メル美ピーリングも医療なんだ。まず「シミの種類」を診断してもらうのが先なんだね。

ガイドラインの評価:何に、どのくらいすすめられる?

ガイドラインでは、推奨の強さを A(強く勧める)・B(勧める)・C1(良質な根拠は少ないが、選択肢のひとつとして推奨)・C2(十分な根拠がなく、現時点では推奨できない)・D(行わないよう勧める) に分けています。A・Bの評価がついたものはありません。

症状 薬剤 推奨度
にきび(炎症のあるもの・ないもの) グリコール酸、サリチル酸(マクロゴール基剤) C1
サリチル酸(エタノール基剤) C2
にきび跡のへこみ グリコール酸、TCA C2
日光黒子(小さいもの) グリコール酸、サリチル酸(マクロゴール基剤) C1
日光黒子(大きいもの) TCA C2
肝斑 グリコール酸、サリチル酸、乳酸、TCA C2
そばかす(雀卵斑) グリコール酸 C2
炎症後の色素沈着 グリコール酸 C2
小じわ グリコール酸、サリチル酸(マクロゴール基剤) C1

(日本皮膚科学会ケミカルピーリングガイドライン改訂第3版 表4より。日光黒子はいわゆる「シミ」のひとつ)

プレ男にきび跡のへこみは「現時点では推奨できない」なんだ。広告だけ見てたら、なんでも治りそうに思っちゃうね。

注意が必要な人

ガイドラインでは、次のような人は適応に注意が必要としています。

起こりうること

施術中・施術後に見られることがあるもの:

まれに見られることがあるもの:

施術のあとは

ケミカルピーリングは、皮膚科の診断をふまえて選ぶ治療です。日本皮膚科学会のガイドラインでも、にきびや小さなシミ、小じわへの評価は「選択肢のひとつ」にとどまります。リスクと施術後の遮光について、医師の説明を受けてから決めましょう。

受ける前に

メル美まず皮膚科で、シミの種類を診てもらうところから始めるね。

まとめ


参考文献

  1. 古川福実, 松永佳世子, 秋田浩孝, ほか. 日本皮膚科学会ケミカルピーリングガイドライン(改訂第3版). 日本皮膚科学会雑誌 118(3): 347–355, 2008. https://www.dermatol.or.jp/dermatol/wp-content/uploads/xoops/files/guideline/1372913831_1.pdf (閲覧日:2026年10月4日)
  2. 厚生労働省. その美容医療、ちょっと待って!. https://aesthetic-medicine-caution.mhlw.go.jp/ (閲覧日:2026年10月4日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。