
プレ男ヒュドラって、首を切っても切っても生えてくる怪物だよね。どうやって倒したの?

メル美ヘラクレスの「12の功業」のひとつなんだって。
こんにちは、Dr. Taro です。 世界の幻獣、今回はヒュドラです。アポロドーロス『ビブリオテーケー』の英訳(J.G.フレイザー訳、1921年)を、Perseusデジタル図書館で読みました。
プロフィール
| 名前 | レルネのヒュドラ |
| すみか | レルネの沼。アミュモネの泉のそばの丘にねぐら |
| 姿 | 巨大な体に、首が9本。そのうち8本は死ぬが、真ん中の1本は不死 |
| 能力 | 首を1本つぶすと、2本生えてくる |
| 悪さ | 平野に出てきて、家畜や土地を荒らした |
| 出典 | アポロドーロス『ビブリオテーケー』第2巻5章2節 |

アントニオ・テンペスタ「レルネのヒュドラとヘラクレス」(連作「ヘラクレスの功業」より、1608年、版画)。メトロポリタン美術館所蔵(パブリックドメイン)
そもそも、なぜヘラクレスが戦ったの?
- アポロドーロスによると、ヘラクレスは、女神ヘラのねたみによって正気を失い、自分の子どもたちを火に投げこんでしまいました
- 罪をつぐなうため、デルポイの神託に従い、エウリュステウス王に12年仕え、命じられた10の仕事をすることになります。やりとげれば不死になれると告げられました
- ヒュドラ退治は、その2つ目の仕事です
戦い:つぶしても、つぶしても
- ヘラクレスは、甥のイオラオスが走らせる戦車でレルネへ。火のついた矢を射こんでヒュドラを外に追い出し、つかみかかりました
- ヒュドラはヘラクレスの足に巻きついてはなれません。こん棒で首をつぶしても、1本つぶすたびに2本生えてきます
- さらに、大きなカニがヒュドラの味方をして、ヘラクレスの足をかみました。ヘラクレスはカニを倒し、イオラオスに助けを呼びます

メル美首は増えるし、カニまで出てくるし…!
作戦:切り口を火で焼く
- イオラオスは、近くの森の木に火をつけ、ヘラクレスがつぶした首の根もとを、たいまつで焼いて、新しい首が生えてこないようにしました
- こうして生えてくる首をおさえこむと、ヘラクレスは不死の首を切り落とし、地面にうめて、重い岩をのせました。場所は、レルネからエライウスへ向かう道のそばだといいます
- ヘラクレスはヒュドラの体を切り開き、矢を胆汁(毒)にひたしました(毒矢)
まさかの「ノーカウント」
- ところがエウリュステウス王は、「ヘラクレスは自分1人ではなく、イオラオスの助けでヒュドラに勝った」として、この仕事を10の仕事に数えないと言いました
- アポロドーロスでは、5つ目の「アウゲイアス王の家畜小屋の掃除」も、報酬をもらう約束でした仕事だとして数えられませんでした。もとは「10の仕事」だったものが「12の功業」になったのは、こうした数えなおしのためです。アポロドーロスは、11番目の仕事を命じた理由を「アウゲイアスの家畜とヒュドラの仕事を、エウリュステウスが認めなかったから」と書いています

プレ男カニまで倒してがんばったのに、ノーカウントはきびしい…!

アポロドーロスによると、ヒュドラの首は9本で、真ん中の1本は不死。1本つぶすと2本生えてくるため、甥のイオラオスが首の根もとを火で焼いて、ヘラクレスはようやく勝ちました。
まとめ
- ヒュドラは、レルネの沼にすむ、首が9本の怪物。真ん中の1本は不死
- 首を1本つぶすと2本生えてくる。大きなカニも味方した
- 甥のイオラオスが切り口を火で焼き、ヘラクレスが不死の首を岩の下にうめた
- 体の胆汁に矢をひたして毒矢に
- 「1人で倒していない」と、10の仕事に数えられなかった
- 冥界の番犬はケルベロス、ほかの幻獣はメドゥーサもどうぞ
参考文献
- Apollodorus. The Library(英訳:Sir James George Frazer、1921年). 2.4.12, 2.5.2, 2.5.5, 2.5.11. Perseus Digital Library. https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus:text:1999.01.0022:text=Library:book=2:chapter=5:section=2 (閲覧日:2026年10月1日)
- The Metropolitan Museum of Art. Antonio Tempesta, Hercules and the Hydra of Lerna, from “The Labors of Hercules”(1608, 2012.136.425.11, Open Access). https://www.metmuseum.org/art/collection/search/397673 (閲覧日:2026年10月2日)
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