
プレ男ミノタウロスって、ゲームによく出てくる、牛の頭のマッチョな怪物だよね!

メル美もとはギリシャ神話なんだって。どうして生まれたのかは知らないなあ。
こんにちは、Dr. Taro です。 世界の幻獣を1体ずつ紹介するシリーズ、今回はミノタウロスです。古代ギリシャの神話を集めたアポロドーロス『ビブリオテーケー(ギリシア神話)』の英訳(J.G.フレイザー訳、1921年)を、Perseusデジタル図書館で読んでみました。
プロフィール
| 名前 | ミノタウロス(「ミノスの牛」の意味)。本名はアステリオス |
| 姿 | 顔は牛、それ以外は人間 |
| すみか | クレタ島の迷宮ラビュリントス |
| 出典 | アポロドーロス『ビブリオテーケー』第3巻1章、第3巻15章、摘要1章 ほか |

テセウスとミノタウロスの戦いが描かれた壺(アンフォラ)。紀元前540年ごろ、アッティカ(古代ギリシャ)。メトロポリタン美術館所蔵(パブリックドメイン)
生まれたきっかけ:王が約束を破った
- クレタ島のミノスは、王になるとき、海の神ポセイドンに「海から雄牛を出してくれたら、その牛をいけにえにささげます」と祈りました
- ポセイドンは見事な雄牛を送り、ミノスは王になりましたが、その牛を自分の牛の群れに入れ、別の牛をいけにえにしてしまいます
- 約束を破られたポセイドンは怒り、その牛を荒々しくし、さらに罰として、王妃パシパエがその雄牛に恋をするようにしむけました。こうして生まれたのがアステリオス、のちに「ミノタウロス」と呼ばれる子です

メル美王さまが約束を破った罰で生まれたんだ…。ミノタウロス自身は、なにも悪くないのにね。
迷宮ラビュリントス
- ミノスは神のお告げにしたがって、ミノタウロスをラビュリントスに閉じこめ、見張りました
- ラビュリントスをつくったのは、アテナイから来た名工ダイダロス。「曲がりくねった道で、外への出口がわからなくなる部屋」と書かれています
いけにえ:少年7人と少女7人
- あるとき、アテナイはミノスの息子が死んだことで責められ、つぐないとして、ミノスの求めるものを差し出すことになりました
- ミノスの要求は、武器を持たない少年7人と少女7人を、ミノタウロスのえさとして送ること。アテナイは毎年、送らなければならなくなりました
英雄テセウスと「アリアドネの糸」
- アテナイの王子テセウスは、3回目のいけにえの一人として選ばれました(自分から名のり出たという説もある)。父アイゲウスは「生きて帰るなら、黒い帆を白い帆にかえて」と言いました
- クレタ島で、ミノスの娘アリアドネがテセウスに恋をし、「アテナイに連れて帰って妻にしてくれるなら」と、手助けを申し出ます。アリアドネは、迷宮をつくったダイダロスに出口の見つけ方を教えてもらいました
- ダイダロスのすすめで、アリアドネはテセウスに糸玉をわたします。テセウスは糸のはしを入口の扉に結び、糸を引きながら迷宮に入りました
- そして、迷宮のいちばん奥でミノタウロスを見つけ、こぶしでなぐって倒し、糸をたどって外へ出ました

プレ男剣じゃなくて、こぶしで倒したんだ!それに、糸で出口がわかるって、かしこい作戦。
その後:アリアドネと黒い帆
- テセウスは、アリアドネと子どもたちを連れてナクソス島に着きますが、アリアドネは酒の神ディオニュソスに連れ去られてしまいます
- アポロドーロスの摘要によると、テセウスはアリアドネを失った悲しみで、港に戻るとき白い帆にかえるのを忘れてしまいます。アクロポリスから黒い帆の船を見た父アイゲウスは、テセウスが死んだと思って身を投げ、亡くなりました

アポロドーロスによると、ミノタウロスの本名はアステリオスで、顔は牛、体は人間。王ミノスがポセイドンとの約束を破ったことから生まれ、ダイダロスの迷宮に閉じこめられました。
まとめ
- ミノタウロスは、顔が牛・体が人間の怪物。本名はアステリオス
- 王ミノスがポセイドンとの約束を破った罰として生まれた
- 名工ダイダロスの迷宮ラビュリントスに閉じこめられ、アテナイは毎年、少年7人・少女7人を送った
- 英雄テセウスは、王女アリアドネの糸で迷宮を出入りし、ミノタウロスを倒した
- 日本の神話は、スサノオの記事もどうぞ。迷宮をつくった名工ダイダロスと息子の話はイカロスの翼
参考文献
- Apollodorus. The Library(英訳:Sir James George Frazer、1921年). 3.1.3–4, 3.15.8, Epitome 1.7–10. Perseus Digital Library. https://www.perseus.tufts.edu/hopper/text?doc=Perseus:text:1999.01.0022:text=Library:book=3:chapter=1:section=4 (閲覧日:2026年10月1日)
- The Metropolitan Museum of Art. Terracotta amphora (jar)(ca. 540 BCE, Attic, Group E, 56.171.12, Open Access). https://www.metmuseum.org/art/collection/search/254870 (閲覧日:2026年10月2日)
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