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ハイ男初デートでは、仕事の話とか、自分のことをちゃんとアピールしたほうがいいよね?

アソ美うーん、わたしは自分の話をちゃんと聞いてくれる人のほうが、また会いたくなるかも。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、会話の中の「質問」と好かれやすさの研究です。ハーバード大学のホアン、ヨーマンズ、ブルックス、ミンソン、ジーノが、2017年に学術誌「Journal of Personality and Social Psychology」に発表した論文「It Doesn’t Hurt to Ask: Question-Asking Increases Liking」の原文をもとにまとめました。数字は、2025年に出た訂正の監査資料と、論文の公開データで確かめた値です(訂正については「質問が多ければ多いほどいい?」の節で説明します)。参加したのは米国の人です。
どんな研究?
- 研究1・2:初対面の2人に、パソコンのチャットで15分、「おたがいを知り合う」会話をしてもらいました。研究1は398人(199組)。1組のうち1人に、こっそり「質問を9回以上する」か「4回以下にする」のどちらかを指示しました(どちらになるかはランダム)。研究2では、2人ともに指示を出しました
- 研究2では、会話の記録を第三者に読んでもらい、どちらが好ましいかも評価してもらいました
- 研究3:実際のスピードデーティング(短時間で次々に相手を替えて話すお見合いパーティー)の記録を分析しました。110人の男女による合計1,961件のデートについて、会話を文字に起こした記録と、「この人と2回目のデートをしたいか」の答えを使いました
わかったこと(1):質問を多くした人ほど、相手に好かれた
研究1の、指示を受けていない側(質問される側)が、相手をどれくらい好きになったかの平均です。
| 相手への指示 | 相手への好感(平均) |
|---|---|
| 質問を9回以上 | 5.78 |
| 質問を4回以下 | 5.31 |
- 指示どおり、「9回以上」の人は平均10.23回、「4回以下」の人は平均4.34回質問していました
- 一方、質問した本人が予想した「相手からの好感」は、5.27と5.19でほとんど差がありませんでした。論文は、人は質問が好感につながることを予想していないとまとめています
- 質問を多くした人は、相手から「ちゃんと聞いてくれる・わかってくれる・気にかけてくれる」(論文の言葉では「応答性」)と感じられていて、これが好感の高さを説明していました
わかったこと(2):効いていたのは「話を深める質問」
論文は、質問を6つの種類に分けました。研究1・2の会話の質問のうち、多かったのは次の4つです。
| 質問の種類 | どんな質問か | 割合 |
|---|---|---|
| フォローアップ | 相手がその前に話した話題を、さらに深める | 40.51% |
| 話題の切りかえ | 相手の話と関係のない、新しい話題をたずねる | 27.53% |
| オウム返し | 相手からされた質問と同じような質問を返す | 19.03% |
| あいさつ | 会話の始めのあいさつの質問 | 5.52% |
- 好感と結びついていたのは、主にフォローアップの質問でした
- 論文は、フォローアップの質問は、相手の答えを聞いて、理解していないとできない、と説明しています

ハイ男質問の数より、相手の話を受けて「それでどうなったの?」って聞けるかどうか、なんだ。
わかったこと(3):お見合いパーティーでも、深める質問が多い人ほど2回目を望まれた
研究3(スピードデーティング)の結果です。
- 1回のデートで、1人が平均9.80回質問していて、そのうちフォローアップの質問は平均4.51回でした
- 「2回目のデートをしたい」と答えた割合は全体で46.81%(男性56.78%、女性36.84%)
- フォローアップの質問の割合が高い人ほど、相手から2回目のデートを望まれていました。この関係は男性にも女性にも同じように見られました
- 論文の試算では、発言のうちフォローアップの質問が占める割合が約8ポイントちがうと、20回のデートのうち1回くらい、2回目を望まれる回数が多くなる計算でした
- ただし研究3は、記録を分析しただけなので、質問が原因かどうかはわからないと論文も書いています

この研究では、相手の話を受けて深める質問をする人ほど、「ちゃんと聞いてくれる人」と感じられ、好かれていました。質問した本人は、その効果を予想していませんでした。
質問が多ければ多いほどいい?
論文は、限界として次のことも書いています。
- 研究2で会話を読んだ第三者は、質問を多くした人を、とくに好ましいとは評価しませんでした。第三者は、質問に答えた側のほうを好ましく見ていました
- 論文は、質問ばかりして自分のことを話さないと、かえって好かれなくなるかもしれない、と考えています。相手は、いつまでも自分の話だけをしたいわけではなく、おたがいに話すことで好感が高まる、という先行研究も紹介しています
- 参加者は米国の人で、研究1・2はチャットの会話です
- この論文には、2025年に訂正が出ています。独立した監査で、いくつかの結果の報告に小さな誤りが見つかって直され、結論はすべて変わらないとされました。この記事の数字は、監査資料で再現された値に合わせています(研究1の好感の5.79→5.78、話題の切りかえの質問の27.55%→27.53%)。監査資料には、一部のデータ(参加者の重複を除くための記録や、人の手による分類など)は元までさかのぼって確かめられなかった、とも書かれています
- 共著者の1人(ジーノ氏)が別に発表した論文は、2023年に同じ学術誌から撤回されています。撤回の告知によると、ハーバード・ビジネス・スクールの研究公正の担当者の求めによるもので、ジーノ氏が集めて分析したデータに説明のつかない食い違いがあり、結果が仮説に有利な方向にゆがんでいた、とされています。この記事で紹介した論文そのものの撤回ではありません

アソ美聞いてもらうのもうれしいけど、ハイ男さんの話も聞きたいな。質問して、自分のことも話す、がいいのかも。

ハイ男アピールより、まず「それで?」って聞いてみる。で、聞かれたら自分のことも話すよ。
- 初デートの話題は初デートの会話、何を話す?、会話のあとの「たぶん好かれてない」という思いこみは初対面の会話のあと「たぶん好かれてない」と思ってしまう?、一緒にいて気分がよくなる人の研究は一緒にいると気分がよくなる人は、また会いたいと思われる?の記事もどうぞ
まとめ
- チャットの実験で、質問を多くした人は、相手からの好感が高かった(5.78 対 5.31)。本人はその効果を予想していなかった
- 効いていたのは、相手の話を受けて深める「フォローアップの質問」
- スピードデーティングでも、フォローアップの質問の割合が高い人ほど、2回目のデートを望まれていた(原因かどうかは不明)
- 質問ばかりで自分のことを話さないと、かえってよくないかもしれない、と論文自身が書いている
参考文献
- Huang K, Yeomans M, Brooks AW, Minson J, Gino F. It doesn’t hurt to ask: Question-asking increases liking. Journal of Personality and Social Psychology. 2017;113(3):430-452. doi:10.1037/pspi0000097. https://doi.org/10.1037/pspi0000097 (閲覧日:2026年10月22日)
- Harvard University, Digital Access to Scholarship at Harvard(DASH). It doesn’t hurt to ask: Question-asking increases liking. https://dash.harvard.edu/handle/1/35647952 (閲覧日:2026年10月22日)
- Correction to “It doesn’t hurt to ask: Question-asking increases liking” by Huang et al. (2017). Journal of Personality and Social Psychology. 2025;128(3):669. doi:10.1037/pspi0000491. https://doi.org/10.1037/pspi0000491 (閲覧日:2026年10月22日)
- Integrity Audit(Huang et al. 2017 の監査資料:Post-Publication Integrity Report、Post-Publication Reproducibility Report). OSF. https://osf.io/rymv8/ (閲覧日:2026年10月22日)
- Huang K, Yeomans M, Brooks AW, Minson J, Gino F. 論文のデータ・分析コード・調査票(study1.csv、study3.csv、study1p1.pdf など). OSF. https://osf.io/8k7rf/ (閲覧日:2026年10月22日)
- Retraction of Gino et al. (2020). Journal of Personality and Social Psychology. 2023;125(3):648. doi:10.1037/pspa0000351. https://doi.org/10.1037/pspa0000351 (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

