
ブン子初デートの帰り道、ずっと反省会。「あの話、つまらなかったよね」「沈黙が多かったな」って。たぶん好かれてない…。

マジ男ぼくもだよ。帰ってから「なんであんなこと言ったんだろう」って思い出しちゃう。相手もそう思ってるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、会話のあとの「たぶん好かれてない」という思いこみの研究です。2018年に学術誌 Psychological Science に載った、ブースビー、クーニー、サンドストロム、クラークの論文「The Liking Gap in Conversations: Do People Like Us More Than We Think?」(5つの研究)の原文をもとにまとめました。
どんな研究?
- 初対面の2人に話してもらい、そのあと別々の部屋で、次の2つを答えてもらいます
- 自分は相手をどれくらい好ましく思ったか(「また話したい」「もっと知りたい」など)
- 相手は自分をどれくらい好ましく思ったと思うか
- 2人の答えを比べると、「相手が自分をどう思ったか」の予想が、実際に相手が答えた気持ちとずれているかがわかります
わかったこと:人は「好かれ度」を低く見積もる
- 研究1a(36人、同性の2人組で約5分):参加者は、相手を好ましく思った気持ち(7段階で平均5.82)より、相手が自分を好ましく思った度合い(平均5.17)を低く見積もっていました
- 論文は、「平均すると、自分が相手を好きな度合いのほうが、相手が自分を好きな度合いより大きい」ということは論理的にありえないので、この差は見積もりのまちがいだ、と説明しています。これを「liking gap(好かれ度のギャップ)」と呼びました
- 人見知り(シャイ)な人ほど、このギャップが大きくなっていました

ブン子人見知りなほどずれが大きいって、まさにわたしのことかも。
なぜ低く見積もるの?
- 研究1b:会話の録画を、仮説を知らない2人の評価者が見て「この人は相手をどれくらい好ましく思っているか」を判定しました。評価者の判定は、本人が答えた実際の好意とは対応していましたが、「相手にどう思われたか」という本人の予想とは対応していませんでした
- つまり、好意のサインは会話の中に出ていたのに、本人はそれを見落としていた、と論文は考えています
- 研究2(84人):会話のあとに思い浮かんだことを書いてもらうと、自分の話しぶりについての考えは、相手の話しぶりについての考えより否定的でした。この「自分へのダメ出し」が、ギャップの一部を説明していました
長い会話でも、何か月たっても
- 研究3(102人):話す時間を自由にして、2分から45分まで(平均約23分)の会話で調べても、短い・中くらい・長い会話のどれでもギャップが見られました
- 研究4(イギリスの「見知らぬ人と話す」ワークショップの参加者118人):約5分の自己紹介のあと、相手を「おもしろい」と思った度合い(平均4.30)より、相手が自分を「おもしろい」と思った度合い(平均3.61)を低く見積もっていました
- 研究5(大学の寮で同じ部屋になった1年生102人):9月から5月まで5回調べると、4回目(2月)までギャップが続き、最後の5月には見られなくなりました

マジ男何か月も同じ部屋で暮らしてても、「好かれてない」と思いこんでるんだ。

この研究では、会話のあと人は相手の好意を低く見積もり、人見知りな人ほどその差が大きくなりました。帰り道の反省会で「好かれなかった」と決めつける前に、このずれを思い出してみてください。
注意したいこと
- 調べたのは「また話したい・もっと知りたい・友だちになれそう」といった好意で、恋愛感情ではありません。研究1aは同性どうしの会話です
- 参加者は主にアメリカ・イギリスの人です。日本の婚活の場面で同じ結果になるかは、この論文からはわかりません
- 「みんな実は好かれている」という意味ではありません。わかったのは、平均すると、自分の見積もりが実際より低めにずれやすいということです
婚活に当てはめると
研究からいえることは、次のくらいです。
- 初デートのあとの「たぶん好かれてない」は、見積もりが低めにずれている可能性がある
- そのずれは、自分へのダメ出しに気をとられて、相手が出していた好意のサインを見落とすことから生まれていた(研究1b・2)
- 「好かれていないかも」と思って次の連絡をためらっているなら、ためらいの理由が思いこみかもしれないことを思い出してみる。誘い方は2回目のデート、どう誘う?もどうぞ

ブン子反省会で落ちこむ前に「ずれてるかも」って考えてみる。お礼のLINE、送ってみようかな。

マジ男ぼくも。相手が笑ってくれたところを、ちゃんと思い出してみるよ。
- 初デートの話題は初デートの会話、何を話す?、婚活に疲れたときは婚活疲れの記事もどうぞ
まとめ
- 初対面の会話のあと、人は「相手が自分をどれくらい好ましく思ったか」を実際より低く見積もる(liking gap)
- 好意のサインは会話に出ているのに、自分へのダメ出しに気をとられて見落としやすい
- 人見知りな人ほどずれが大きい。長い会話でも、何か月たっても見られた
- 調べたのは恋愛感情ではなく「また話したい」などの好意。海外の研究なので、日本で同じかはわからない
参考文献
- Boothby EJ, Cooney G, Sandstrom GM, Clark MS. The Liking Gap in Conversations: Do People Like Us More Than We Think? Psychological Science. 2018;29(11):1742-1756. doi:10.1177/0956797618783714. 著者所属機関の公開版:https://repository.essex.ac.uk/23025/ (閲覧日:2026年10月22日)
- PubMed. The Liking Gap in Conversations: Do People Like Us More Than We Think?(PMID: 30183512). https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30183512/ (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。


