不動産クラウドファンディングのしくみ:ネットで少額から不動産事業に出資し、家賃や売却益の分配を受ける。不動産特定共同事業法の許可がいる事業で、2025年度は827件・約1,797億円。「確実にもうかる」と言うのは法律で禁止、元本保証もない
不動産クラウドファンディングのしくみを、国土交通省の「不動産特定共同事業(FTK)の利活用促進ハンドブック(令和8年9月更新)」と不動産特定共同事業法の概要資料でまとめました。出資を募って不動産を売買・賃貸し、収益を分配する事業は不動産特定共同事業法の許可制(1994年制定)。2017年の法改正でインターネット上の手続き(電子取引業務)が整備されました。クラウドファンディングの新規案件は2025年度827件・出資額約1,797億円(2018年度は26件・約12.7億円)。誇大広告や、利益が確実と誤解させる断定的判断の提供は禁止。元本保証ではなく、途中で換金しにくい点にも注意。

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メル美「想定」ってところが大事そう。どんなしくみで、どこが国に許可されてるのか見てみよう
今回は、不動産クラウドファンディングです。国土交通省「不動産特定共同事業(FTK)の利活用促進ハンドブック」(令和8年9月更新)と、国土交通省「不動産特定共同事業(FTK)法の概要」で確認しました。
この記事はしくみの説明です。特定の事業者やサービス・案件をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
しくみ
- 投資家から出資を募って不動産を買ったり貸したりし、その賃貸収益や売却益を投資家に分配する事業を、「不動産特定共同事業」といいます
- この事業を行う事業者について、許可などの制度を定め、業務の適正と投資家の利益の保護を図るため、1994年(平成6年)に不動産特定共同事業法(FTK法)がつくられました
- 法改正の流れ
| 年 | 主な内容 |
|---|---|
| 1994年(平成6年) | 法律の制定 |
| 2013年(平成25年) | 倒産隔離型のスキーム(特例事業)を導入 |
| 2017年(平成29年) | 小規模不動産特定共同事業を創設、クラウドファンディングに対応した環境(電子取引業務)を整備 |
- 2017年の改正で、契約の前後に渡す書面をインターネットで交付できるようになり、ウェブ上で契約手続きが完結するようになりました。投資家保護のため、金融商品取引法を参考にした業務管理体制も義務づけられています
広がっている:新規案件と出資額
国土交通省「不動産証券化の実態調査」をもとにしたハンドブックの数字です(年度)。
| 年度 | 新規案件数 | 出資額 |
|---|---|---|
| 2018年度(平成30年度) | 26件 | 12.7億円 |
| 2020年度(令和2年度) | 137件 | 85.6億円 |
| 2022年度(令和4年度) | 419件 | 604.3億円 |
| 2024年度(令和6年度) | 875件 | 1,763.4億円 |
| 2025年度(令和7年度) | 827件 | 1,797.2億円 |
事業者は「許可」が必要
- 不動産特定共同事業は許可制です(小規模不動産特定共同事業は登録制)。無許可営業は禁止されています
- 主な許可の基準(国土交通省)
- 宅地建物取引業の免許
- 資本金(第1号事業者は1億円以上など)
- 良好な財産的基礎、公正かつ的確に事業を遂行できる人的構成
- 事務所ごとの業務管理者の配置
- 基準を満たす契約約款(一般投資家を対象とする場合)
- 国土交通省は、許可を受けた事業者の一覧を公表しています。出資の前に、事業者が載っているか確かめられます
- 小規模不動産特定共同事業では、原則として投資家1人あたりの出資額100万円、出資総額1億円を超えないことが条件です
禁止されている広告・勧誘
FTK法は、次のようなことを禁止しています(国土交通省)。
- 利益の見込みなどについて、著しく事実と違う表示、著しく誤認させる表示(誇大広告)
- 重要な契約事項について、わざと事実を告げない、うそを言うこと
- 利益が確実だと誤解させる断定的な判断を示すこと
つまり、「必ずもうかる」「元本保証」と言って勧誘すること自体が問題です。

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注意したいこと
- 元本保証ではありません。物件の家賃が下がったり、思った値段で売れなかったりすれば、分配が減ったり、元本が減ったりします
- 多くの案件は運用期間が決まっていて、途中で自由に換金できないことがあります。J-REITのように取引所で売ることはできません(→J-REITのしくみ)
- 事業者や、物件を持つ会社が破綻した場合の扱いは、契約の形(匿名組合型・任意組合型、特例事業かどうか)によって違います。契約成立前の書面で必ず確認しましょう
- 「1万円から」「高利回り」が目立つ案件ほど、何に投資して、どうやって利益を出すのかを確かめてください。投資の実体がなく、後から入った人のお金で配当するしくみはポンジスキームです
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まとめ
- 不動産クラウドファンディングは、ネットで少額から不動産事業に出資し、収益の分配を受けるしくみ
- 不動産特定共同事業法の許可が必要。2017年改正でネット完結の手続きが整備
- 2025年度は827件・約1,797億円(2018年度は26件・約12.7億円)
- 誇大広告、うその説明、「確実にもうかる」と言うことは禁止
- 元本保証なし。途中で換金しにくく、破綻時の扱いは契約しだい
参考文献
- 国土交通省. 不動産特定共同事業(FTK)の利活用促進ハンドブック(令和8年9月更新). https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/002022592.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
- 国土交通省. 不動産特定共同事業(FTK)法の概要. https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001373305.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
- 国土交通省. 不動産特定共同事業等について. https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000263.html (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。