区分マンションと一棟もの:部屋を1つ買うか、建物ごと買うか。家賃収入は「不動産所得」、建物は耐用年数(鉄筋コンクリートの住宅47年・木造22年)で減価償却。「家賃保証」のサブリースには家賃減額・解約のリスクがあり、2020年から法律で説明が義務に
不動産投資の2つの基本形(区分マンションと一棟もの)のちがいを、国税庁のタックスアンサー(不動産所得・減価償却)、国土交通省のサブリース規制(賃貸住宅管理業法、2020年12月15日施行)、金融庁のスルガ銀行への行政処分(2018年10月5日)でまとめました。家賃収入から固定資産税・保険料・減価償却費・修繕費などを引いたものが不動産所得。サブリース(一括借り上げ)では、「家賃保証」とうたっていても家賃の減額や業者からの解約がありうることを、契約前に書面で説明する義務があります。融資資料の改ざんが問題になった事例も紹介。物件や業者をすすめるものではありません。

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メル美その「保証」、国土交通省が「減ることがある」って説明を義務にしてるやつかも
今回は、不動産投資の基本形「区分マンション」と「一棟もの」です。国税庁タックスアンサー(No.1370 不動産所得、No.2100 減価償却のあらまし)、国土交通省の賃貸住宅管理業法とサブリースのガイドライン、金融庁のスルガ銀行への行政処分(2018年10月5日)で確認しました。
この記事はしくみとリスクの説明です。特定の物件・不動産会社・金融機関をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
区分と一棟:ちがいの一覧
| 区分マンション | 一棟もの(アパート・マンション) | |
|---|---|---|
| 買うもの | マンションの1部屋(と土地の持分) | 建物まるごと(と土地) |
| 必要なお金 | 一棟より少ない | 大きい(ローンも大きくなる) |
| 空室の影響 | 1部屋が空くと家賃収入がゼロ | 何部屋かが空いても、ほかの部屋の家賃が入る |
| 建物の管理 | 共用部分は管理組合が管理(管理費・修繕積立金を払う) | 外壁・屋根・設備まで自分で判断・負担 |
| 自由度 | 共用部分の大規模修繕などは自分だけで決められない | 建て替え・用途変更などを自分で決められる |
家賃収入の税金:不動産所得
国税庁 No.1370 によると、
- 土地や建物を貸して得る所得は「不動産所得」です
- 計算は 総収入金額 − 必要経費 = 不動産所得
- 総収入には家賃のほか、更新料・礼金、返さなくてよい敷金・保証金、共益費なども入ります
- 必要経費の主なものは、固定資産税、損害保険料、減価償却費、修繕費など
不動産にかかる税金(固定資産税・不動産取得税など)は、税金の話の不動産の税金と固定資産税もどうぞ。
建物は「減価償却」で少しずつ経費に
- 建物の購入代金は、買った年に全部経費になるのではなく、法定耐用年数にわたって分けて経費にします(国税庁 No.2100)
- 1998年(平成10年)4月1日以後に取得した建物の償却方法は、定額法(または旧定額法)だけです
- 主な耐用年数(国税庁「主な減価償却資産の耐用年数表」)
| 構造 | 住宅用の耐用年数 |
|---|---|
| 鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 | 47年 |
| れんが造・石造・ブロック造 | 38年 |
| 木造・合成樹脂造 | 22年 |
| 木骨モルタル造 | 20年 |
- 土地は減価償却しません(古くならないため)
「家賃保証」のサブリースに注意
- サブリースは、不動産会社などが建物を一括で借り上げて、入居者に又貸しするしくみです。オーナーは空室があっても決まった家賃を受け取れる、と説明されることが多いです
- 国土交通省は、サブリースをめぐるトラブルを防ぐため、賃貸住宅管理業法(サブリース新法)を定め、サブリース規制は2020年(令和2年)12月15日に施行されました
- 法律は、誇大広告(28条)と不当な勧誘(29条)を禁じています。ガイドラインでは、次のことを契約前に書面で説明しなければならないリスクとしています
| 説明すべきリスク | 内容(ガイドラインのポイント) |
|---|---|
| 家賃が減額される場合がある | 家賃の定期的な見直しで減ることがある。契約条件にかかわらず、借地借家法32条1項に基づいてサブリース業者が減額請求できる(経済事情の変動で不相当になったときなど) |
| 契約期間中に解約される場合がある | 契約期間中でもサブリース業者から解約されることがある。一方、オーナーからの解約には借地借家法28条の正当事由が必要 |
- 「家賃保証」「空室保証」の文言のそばに、減額されることがある旨を書かないのは、誇大広告の例とされています
- 家賃減額リスクなどを伝えずメリットだけを伝えるのは、不当勧誘の例とされています

プレ男「30年保証」でも、家賃は下がることがあるし、向こうから解約もできるんだ…
融資にからむ不正の事例
- 金融庁は2018年10月5日、スルガ銀行に新規の投資用不動産融資の停止(2018年10月12日〜2019年4月12日)などを命じました
- 金融庁が認定した不正には、不動産業者が賃料や入居率を実際より高く想定したり、数値を改ざんしたりして物件の価格を割り増し、それをもとに多額の融資が実行されたこと、自己資金のない借り手の預金通帳の残高の改ざんや所得資料の改ざん、売買契約書の二重作成などが含まれています
- 「書類はこちらで用意します」「自己資金がなくても大丈夫」という話には、とくに注意が必要です
区分・一棟に共通するリスク
- 空室:入居者がいなければ家賃は入りません
- 家賃の下落:建物が古くなると、家賃は下がりやすい
- 修繕費:設備の故障、外壁・屋根の修繕など
- 金利の上昇:変動金利のローンなら、返済額が増えることがあります(→利回りの計算とローンのリスク)
- 売りたいときに売れない:株とちがって、すぐに・希望の値段で売れるとは限りません
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まとめ
- 区分は1部屋、一棟は建物まるごと。空室・管理・必要なお金がちがう
- 家賃収入は不動産所得(収入−経費)。建物は減価償却(RC住宅47年・木造22年)
- サブリースの「家賃保証」でも、減額・業者からの解約がありうる。2020年12月から説明義務
- 融資資料の改ざんが問題になった事例も。「書類はこちらで用意」は要注意
参考文献
- 国税庁. No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得). https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1370.htm (閲覧日:2026年10月5日)
- 国税庁. No.2100 減価償却のあらまし、主な減価償却資産の耐用年数表. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2100.htm (閲覧日:2026年10月5日)
- 国土交通省. 賃貸住宅管理業法(法令・ガイドライン等). https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/tochi_fudousan_kensetsugyo_const_tk3_000001_00004.html (閲覧日:2026年10月5日)
- 国土交通省. 「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」(令和2年10月16日公表)のポイント. https://www.mlit.go.jp/tochi_fudousan_kensetsugyo/const/content/001372797.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
- e-Gov法令検索. 賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律(令和二年法律第六十号)第28条・第29条. https://laws.e-gov.go.jp/law/502AC0000000060 (閲覧日:2026年10月5日)
- 金融庁. スルガ銀行株式会社に対する行政処分について(平成30年10月5日). https://www.fsa.go.jp/news/30/ginkou/20181005/20181005.html (閲覧日:2026年10月5日)
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