不動産の利回りの計算とローンのリスク:広告の「表面利回り6%」は経費を引く前の数字。経費と購入費用を入れた「実質利回り」で見ると4%台に。日銀は2026年9月に政策金利を1.25%程度へ引き上げ。金利が1%上がると、2,000万円・35年ローンの返済は月1万円以上増える計算
不動産投資の利回り(表面利回り・実質利回り)の計算と、ローン・金利のリスクを、計算例と日本銀行の発表でまとめました。表面利回り=年間家賃÷物件価格、実質利回り=(年間家賃−年間の経費)÷(物件価格+購入時の費用)。例では表面6.00%が実質4.19%になります。日本銀行は2026年9月18日、無担保コール翌日物の誘導目標を1.0%程度から1.25%程度に引き上げました。2,000万円を35年・元利均等で借りた場合、金利2%なら月約6万6千円、3%なら約7万7千円の計算。空室・家賃下落・修繕も含めて、借りる前に確かめたい点を紹介します。

プレ男「利回り8%」の物件だって! 銀行の金利より全然いいじゃん!

メル美その8%、管理費とか税金とか、ローンの利息とかを引く前じゃない?
今回は、不動産投資の利回りの計算と、ローン・金利のリスクです。計算はこの記事の中で示す仮の数字によるもので、金利の動きは日本銀行「金融市場調節方針の変更について」(2026年9月18日)で確認しました。
この記事は計算のしかたとリスクの説明です。特定の物件・ローン・金融機関をすすめるものではありません。数字は計算例で、実際の物件の収益を示すものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
2つの利回り
| 計算式 | 何を表す | |
|---|---|---|
| 表面利回り(グロス) | 年間の家賃収入 ÷ 物件価格 | 経費を引く前の数字。広告によく出る |
| 実質利回り(ネット) | (年間の家賃収入 − 年間の経費)÷(物件価格 + 購入時の費用) | 経費と購入費用を入れた数字 |
計算例
ある区分マンションを、次の仮の条件で考えます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 物件価格 | 2,000万円 |
| 家賃 | 月10万円(年120万円) |
| 年間の経費(管理費・修繕積立金・固定資産税・管理委託料・保険など) | 30万円 |
| 購入時の費用(仲介手数料・登記費用・不動産取得税など) | 150万円 |
- 表面利回り = 120万円 ÷ 2,000万円 = 6.00%
- 実質利回り =(120万円 − 30万円)÷(2,000万円 + 150万円)= 90万円 ÷ 2,150万円 = 4.19%
同じ物件でも、経費と購入費用を入れるだけで、約1.8ポイント下がります。さらに、ここには空室もローンの利息も所得税・住民税も入っていません。
空室を入れると
- 1年のうち2か月空室なら、家賃は年100万円。実質利回りは(100 − 30)÷ 2,150 = 3.26%
- 区分マンションは1部屋しかないので、空いている間は家賃がゼロです(→区分マンションと一棟もの)
ローンと金利のリスク
金利は動いている
- 日本銀行は2026年9月18日、短期金利の誘導目標(無担保コールレート・オーバーナイト物)を「1.0%程度」から「1.25%程度」に引き上げました
- 日本銀行は、経済・物価・金融情勢に応じて「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整」するとしています
- 変動金利のローンは、市場の金利が上がると、金利の見直しで返済額が増えることがあります
金利による返済額のちがい(計算例)
2,000万円を、35年・元利均等返済で借りた場合の計算です(手数料・保証料・金利の途中変更は入れていません)。
| 金利(年) | 毎月の返済 | 1年の返済 | 35年の返済総額 |
|---|---|---|---|
| 2% | 約6万6,253円 | 約79万5千円 | 約2,783万円 |
| 3% | 約7万6,970円 | 約92万4千円 | 約3,233万円 |
| 4% | 約8万8,555円 | 約106万3千円 | 約3,719万円 |
- 金利が1%上がるだけで、毎月の返済は1万円以上増えます
- 上の計算例の物件(家賃 年120万円、経費 年30万円)では、手元に残る額は年90万円。金利3%ならローン返済(年約92万4千円)だけで赤字です。空室があれば、さらに足りなくなります

プレ男表面6%でも、経費とローンを引いたら毎月持ち出しになるかもしれないんだ…
借りる前に確かめたいこと
- 広告の利回りが表面か実質か。実質なら、どの経費を入れているか
- 想定の家賃が今の相場に合っているか。新築時の家賃は、年数がたつと下がりやすい
- 空室が何か月続いても返済できるか
- 金利が1〜2%上がっても返済できるか
- 修繕費(とくに一棟ものの外壁・屋根・設備)を積み立てておけるか
- 所得の資料や預金残高の資料を、業者が「用意する」と言ってこないか(→区分マンションと一棟もので紹介した不正の事例)
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まとめ
- 表面利回り=家賃÷価格。実質利回り=(家賃−経費)÷(価格+購入費用)
- 計算例では、表面6.00%が実質4.19%、2か月空室で3.26%
- 日本銀行は2026年9月18日に政策金利を1.25%程度へ。さらに引き上げる方針
- 2,000万円・35年なら、金利が1%上がると月1万円以上返済が増える
- 空室・家賃下落・金利上昇・修繕を全部入れても返せるかを確かめる
参考文献
- 日本銀行. 金融市場調節方針の変更について(2026年9月18日). https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260918a.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
- 日本銀行. (参考)金融市場調節方針の変更(2026年9月金融政策決定会合). https://www.boj.or.jp/mopo/mpmdeci/mpr_2026/k260918b.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。