PER・PBR・ROE・配当利回りの見方:株価が利益の何倍か(PER)、純資産の何倍か(PBR)、元手でどれだけ稼いだか(ROE)。東証プライムの平均はPER20.6倍・PBR1.8倍(2026年9月、加重平均)。「低いから割安」とは限らない
株の4つの基本指標を、日本取引所グループ(JPX)の用語集と統計でまとめました。PER=株価÷1株当たり当期純利益、PBR=株価÷1株当たり純資産、ROE=当期純利益÷自己資本(期首・期末の平均)、配当利回り=1年の配当÷株価。JPX「規模別・業種別PER・PBR」(2026年9月)では、プライム市場の加重平均PERは20.6倍・PBRは1.8倍、業種によって大きく違います。東証は2023年3月31日、PBR1倍割れなどを背景に「資本コストや株価を意識した経営」を上場会社に要請しました。指標だけで売買を決めないための注意点も。
目次

メル美株のアプリに PER とか PBR とか並んでるけど、どこを見ればいいの?

プレ男PER が低い株を買えばいいんでしょ? 安いってことだよね!
今回は、株の4つの基本の指標です。定義は日本取引所グループ(JPX)の用語集、市場の平均はJPX「規模別・業種別PER・PBR」(2026年9月)、PBR1倍の話は東京証券取引所の要請文(2023年3月31日)で確認しました。
この記事は指標の読み方の説明です。特定の銘柄の売買をすすめるものではなく、「この数字なら買い」という基準を示すものでもありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
4つの指標:一覧
| 指標 | 計算 | 何がわかる | 単位 |
|---|---|---|---|
| PER(株価収益率) | 株価 ÷ 1株当たり当期純利益 | 株価が1年の利益の何倍まで買われているか | 倍 |
| PBR(株価純資産倍率) | 株価 ÷ 1株当たり純資産 | 株価が会社の純資産の何倍まで買われているか | 倍 |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 当期純利益 ÷ 自己資本(前期と当期の平均) | 株主のお金(元手)で1年にどれだけ稼いだか | % |
| 配当利回り(株式利回り) | 1年の配当 ÷ 株価 | 投資したお金に対する1年の配当の割合 | % |
PER(株価収益率)
- JPXの用語集では、PERは「株価を1株当たり当期純利益で除したもの」で、「株価が1株当たり当期純利益の何倍まで買われているのかを示す」指標です
- PERが高いほど利益に比べて株価が割高、低いほど相対的に低いことを示す、とされています
- 例:株価2,000円、1株当たり当期純利益100円 → PER 20倍
PERの注意点
- PERの「利益」には、実績(前期の決算)と予想(会社や調査会社の予想)があります。どちらを使っているかで数字が変わります
- 利益が一時的に大きく増えた・減った年(土地を売った、大きな損失を出したなど)は、PERがゆがみます
- 利益が赤字のときは、PERは計算できません(JPXの統計でも「−」と表示)
- 成長が期待される会社は、今の利益に比べて株価が高く(PERが高く)なりやすい。「PERが低い=お得」とは限りません
PBR(株価純資産倍率)
- PBRは「株価を1株当たり純資産で除したもの」(JPX用語集)
- PERが株価と利益(フロー)の関係なのに対して、PBRは株価と株主資本(ストック)の関係を表す、とされています
- PBRが1倍なら、株価の合計(時価総額)と、会社の帳簿上の純資産が同じ、という意味です
PBR「1倍割れ」と東証の要請
- 東京証券取引所は2023年3月31日、プライム市場とスタンダード市場の全上場会社に、「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」を要請しました
- 要請文では、その背景として、「プライム市場の約半数、スタンダード市場の約6割の上場会社がROE8%未満、PBR1倍割れ」で、資本収益性や成長性に課題がある、と書いています
- 東証は2024年1月から、要請に基づいて取組みを開示している企業の一覧表を毎月公表しています。2026年4月28日には、要請のアップデートも公表しました
- PBR1倍割れの会社が、今後、株価を上げる取組みをするとは限りません。「1倍割れだから上がる」とはいえません
ROE(自己資本当期純利益率)
- JPXの用語集では、ROEは「当期純利益を、前期及び当期の自己資本の平均値で除したもの」。自己資本を「元手」として、1年間でどれだけの利益をあげたかを見る、経営効率の指標です
- 例:自己資本(平均)1,000億円、当期純利益100億円 → ROE 10%
- 上の東証の要請文でも、「ROE8%未満」が課題の目安として出てきます
ROEの注意点
- 借金(負債)を増やして自己資本を小さくしても、ROEは上がります。ROEが高いときは、借金が多すぎないかもあわせて見ます
- 自社株買いで自己資本が減ると、利益が同じでもROEは上がります
配当利回り(株式利回り)
- JPXの用語集では、「株式利回り」(配当利回りともいう)は、株式へ投資した資金と、それが1年間に生むと期待される配当金の比率です
- 債券の利回りや銀行預金の金利と比べるのにも使える、とされています
- 例:株価2,000円、1年の配当60円 → 配当利回り 3%
配当利回りの注意点
- 配当は会社が決めるもので、減らしたり、なくしたり(無配)することもあります
- 株価が大きく下がると、配当利回りは見かけ上高くなります。「利回りが高い」理由が「株価の急落」ではないか、確かめることが大切です
- 配当には、ふつう20.315%の税金がかかります(NISA口座なら非課税。→NISAの税金)
市場の平均はどれくらい?:JPXの統計(2026年9月)
JPX「規模別・業種別PER・PBR(連結)」2026年9月分です。利益と純資産は、2025年7月期〜2026年6月期の確定値をもとにしています。
| 市場 | 会社数 | PER(単純平均) | PBR(単純平均) | PER(加重平均) | PBR(加重平均) |
|---|---|---|---|---|---|
| プライム | 1,534社 | 18.9倍 | 1.5倍 | 20.6倍 | 1.8倍 |
| スタンダード | 1,538社 | 14.5倍 | 0.9倍 | 19.1倍 | 1.2倍 |
| グロース | 589社 | 31.7倍 | 2.9倍 | 58.4倍 | 3.7倍 |
業種によっても大きく違います(プライム市場・加重平均)。
| 業種(プライム) | PER | PBR |
|---|---|---|
| 電気機器 | 44.8倍 | 3.7倍 |
| 小売業 | 27.7倍 | 2.5倍 |
| 銀行業 | 18.4倍 | 1.6倍 |
| 輸送用機器 | 16.3倍 | 0.9倍 |
| 電気・ガス業 | 14.3倍 | 0.7倍 |
- 単純平均は会社ごとの値の平均、加重平均は会社の大きさ(利益・純資産の合計)で重みをつけた平均です
- PER・PBRは、同じ業種の会社どうしや、同じ会社の過去と比べるのが基本です。業種が違うと「ふつうの水準」が違います

プレ男同じプライムでも、電気機器と電気・ガスでPERが3倍もちがうんだ。低いから安い、って単純じゃないね
指標はどこで確かめる?
- 指標の元になる利益・純資産・配当は、会社の決算短信や有価証券報告書に書いてあります。読み方は決算短信・有価証券報告書の読み方で
- 指標を使って実際の会社を見る例は、企業分析のトヨタの強みとは、ソニーの強みとは、任天堂の強みとは、キーエンスの強みとは、三菱UFJフィナンシャル・グループの強みとは、ファーストリテイリングの強みとは、日立製作所の強みとは、ソフトバンクグループの強みとは、三菱商事の強みとは、東京エレクトロンの強みとはへ
PBR1倍割れの会社に東証が求めたことは東証の「資本コストや株価を意識した経営」の要請へ。
まとめ
- PER=株価÷1株利益(利益の何倍か)、PBR=株価÷1株純資産(純資産の何倍か)
- ROE=利益÷自己資本(元手でどれだけ稼いだか)、配当利回り=配当÷株価
- 2026年9月、プライムの加重平均はPER20.6倍・PBR1.8倍。業種で大きく違う
- 東証は2023年3月31日、PBR1倍割れ・ROE8%未満の多さを背景に、資本コストを意識した経営を要請
- 「低いから割安」「高利回りだからお得」とは限らない。同じ業種・同じ会社の過去と比べる
参考文献
- 日本取引所グループ. 用語集 株価収益率. https://www.jpx.co.jp/glossary/ka/73.html (閲覧日:2026年10月5日)
- 日本取引所グループ. 用語集 株価純資産倍率. https://www.jpx.co.jp/glossary/ka/74.html (閲覧日:2026年10月5日)
- 日本取引所グループ. 用語集 自己資本当期純利益率. https://www.jpx.co.jp/glossary/sa/549.html (閲覧日:2026年10月5日)
- 日本取引所グループ. 用語集 株式利回り. https://www.jpx.co.jp/glossary/ka/85.html (閲覧日:2026年10月5日)
- 日本取引所グループ. 規模別・業種別PER・PBR(連結)2026年9月. https://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/misc/04.html (閲覧日:2026年10月5日)
- 東京証券取引所. 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について(2023年3月31日). https://www.jpx.co.jp/equities/follow-up/jr4eth0000004vj2-att/jr4eth0000004w6n.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
- 日本取引所グループ. 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応(プライム・スタンダード市場)(2026年9月15日更新). https://www.jpx.co.jp/equities/follow-up/02.html (閲覧日:2026年10月5日)
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