企業分析2026年10月5日

ソニーの強みとは:ゲーム・音楽・映画・カメラ・半導体の「6つの事業」。2026年3月期の営業利益1兆4,475億円は過去5年で最高、稼ぎ頭はゲームと音楽。金融事業を切り離した会計処理で最終損益は3,269億円の赤字に

ソニーグループを有価証券報告書(2026年3月期)と決算資料で分析しました。継続事業の売上高12兆4,796億円、営業利益1兆4,475億円(営業利益率11.6%)。営業利益の約3割がゲーム&ネットワークサービス、約3割が音楽、約4分の1がイメージセンサー。ゲームの売上の約7割はダウンロード販売とネットワークサービス。2025年10月の金融事業のパーシャル・スピンオフにともなう会計上の振替(1兆3,778億円の損失)で、当社株主に帰属する当期純損益は3,269億円の損失。任天堂(2026年3月期)との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男ソニーって、テレビとウォークマンの会社でしょ?

メル美いまはゲームと音楽が稼ぎ頭らしいよ。しかも最高益なのに「赤字」ってどういうこと?

企業分析の連載、2社目はソニーグループです。有価証券報告書(2026年3月期)、2025年度 決算短信・決算説明会資料、2026年度 第1四半期 連結業績概要(2026年7月)で確認しました。比較には任天堂の決算短信・有価証券報告書(2026年3月期)を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、ソニー株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

ゲーム・音楽・映画という「エンタテインメント」と、カメラやイメージセンサーという「テクノロジー」を両方もつ会社。2025年10月に金融事業(ソニー生命など)を切り離した

項目(継続事業、IFRS・連結) 2025年度(2026年3月期) 前年度
売上高 12兆4,796億円 12兆349億円
営業利益 1兆4,475億円 1兆2,766億円
営業利益率 11.6% 10.6%
当社株主に帰属する当期純利益(継続事業) 1兆309億円 1兆674億円
当社株主に帰属する当期純損益(非継続事業を含む) 3,269億円の損失 1兆1,416億円の利益
従業員数(連結) 9万4,900人 11万2,300人

最高益なのに「赤字」の理由

2. 何で稼いでいるか

有報のセグメント情報(2025年度)です。売上高はセグメント間取引を含みます。

事業(分野) 売上高 営業利益 利益率 営業利益の割合※
ゲーム&ネットワークサービス(G&NS) 4兆6,857億円 4,633億円 9.9% 約32%
音楽 2兆1,201億円 4,470億円 21.1% 約31%
映画 1兆4,993億円 1,049億円 7.0% 約7%
エンタテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S:カメラ・テレビ・ヘッドホンなど) 2兆2,605億円 1,586億円 7.0% 約11%
イメージング&センシング・ソリューション(I&SS:イメージセンサー) 2兆1,515億円 3,573億円 16.6% 約25%
その他 891億円 −746億円 — —

※セグメントの営業利益の合計(1兆4,564億円)に対する割合。

どこで売っている?

地域(顧客の所在地) 売上高 割合
日本 1兆3,332億円 10.7%
米国 4兆644億円 32.6%
欧州 2兆8,268億円 22.7%
中国 1兆4,287億円 11.4%
アジア・太平洋 1兆6,949億円 13.6%
その他 1兆1,316億円 9.1%

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① ゲームは「本体を売ったあと」に稼ぐ

② 音楽の「権利」と、アニメのヒット

③ イメージセンサー

④ 事業どうしのつながり

4. 弱み・リスク

① 減損・ヒット頼み

② テレビなどの競争と関税

③ 半導体メモリの値上がり

④ 為替と海外依存

⑤ 会社が挙げるそのほかのリスク

有報の「事業等のリスク」には、競争の激化、研究開発投資、買収・構造改革、法規制、経済・政治の動向、知的財産、デジタル音楽配信の寡占化、災害、情報セキュリティなどが並んでいます。

5. ライバルとの比較

ゲームでは、同じ日本の任天堂と比べます(どちらも2026年3月期。ただしソニーはIFRS、任天堂は日本基準で、会計基準が違います)。

ソニー G&NS分野 任天堂(全社)
売上高 4兆6,857億円 2兆3,130億円
営業利益 4,633億円 3,601億円
営業利益率 9.9% 15.6%
主な本体 PS5 Nintendo Switch 2(2025年6月発売、1,986万台)
売上の特徴 ダウンロード・ネットワークサービスで約7割 ゲーム専用機の売上のうちデジタル売上高 4,076億円

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

ソニーの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2025年度 どこに書いてある
分野別の営業利益(とくにG&NS・音楽・I&SS) 4,633億円・4,470億円・3,573億円 有報のセグメント情報、決算説明資料
G&NSのデジタル・ネットワーク売上 2兆4,153億円+7,631億円 有報(製品カテゴリー別売上高)
一時的な損益(減損・会計上の振替) Bungie 減損1,201億円、スピンオフの振替1兆3,778億円 有報
継続事業と全体の当期純損益の違い 1兆309億円と−3,269億円 有報・決算短信
業績見通しと為替の前提 2026年度 営業利益1兆7,200億円(2026年7月時点) 決算説明資料
ROE(継続事業ベース) 12.6% 有報「主要な経営指標等の推移」の注記
配当 2026年度予想 年35円 決算説明資料

メル美「赤字」の見出しだけ見てたら勘ちがいしてた。継続事業と全体、どっちの数字かを確かめるのが大事なんだね

まとめ


参考文献

  1. ソニーグループ. 有価証券報告書(2025年度、2026年3月期). https://www.sony.com/ja/SonyInfo/IR/library/r7_q4.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
  2. ソニーグループ. 2025年度 決算短信. https://www.sony.com/ja/SonyInfo/IR/library/presen/er/pdf/25q4_sony.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
  3. ソニーグループ. 2025年度 決算説明会資料(業績). https://www.sony.com/ja/SonyInfo/IR/library/presen/er/pdf/25q4_sonypre.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
  4. ソニーグループ. 2026年度 第1四半期 決算説明会資料. https://www.sony.com/ja/SonyInfo/IR/library/presen/er/pdf/26q1_sonypre.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
  5. 任天堂. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日). https://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2026/260508.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
  6. 任天堂. 第86期 有価証券報告書(2026年6月25日提出). https://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2026/security_q2603.pdf (閲覧日:2026年10月5日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。