企業分析2026年10月5日

任天堂の強みとは:Switch 2 発売の年に売上高2兆3,130億円(前期の約2倍)。事業はゲーム専用機ほぼ一本、売上の76.9%が海外。強みは自社キャラクターとハード・ソフト一体の開発、弱みは「ヒットと本体の世代交代」で業績が大きく揺れること

任天堂を、決算短信と有価証券報告書(2026年3月期)、2027年3月期第1四半期決算短信で分析しました。売上高2兆3,130億円(前期比98.6%増)、営業利益3,601億円、営業利益率15.6%(前期24.3%)。Nintendo Switch 2 は2025年6月発売で1,986万台、ソフト4,871万本。事業は単一セグメントで、売上の96.8%がゲーム専用機。デジタル売上高4,076億円、海外売上高比率76.9%、自己資本比率77.6%。2025年11月に配当方針を「連結営業利益の40%か配当性向60%の高い方」に変更。過去5年の売上の波、ソニーのゲーム事業との比較、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

メル美Switch 2、みんな持ってるよね。任天堂ってどれくらいもうかったの?

プレ男売上が1年で2倍!? でも、去年はなんで少なかったんだろう

企業分析の連載、3社目は任天堂です。2026年3月期 決算短信(2026年5月8日)、第86期 有価証券報告書(2026年6月25日提出)、2027年3月期 第1四半期 決算短信(2026年8月)、配当方針の変更のお知らせ(2025年11月4日)で確認しました。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、任天堂株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

ゲーム機(ハード)とゲームソフトを自分たちでつくり、マリオなどの自社キャラクターで世界中に売る会社。事業はほぼゲーム専用機の一本足

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
売上高 2兆3,130億円 +98.6%
営業利益 3,601億円 +27.5%
営業利益率 15.6%(前期 24.3%) —
経常利益 5,421億円 +45.6%
親会社株主に帰属する当期純利益 4,240億円 +52.1%
海外売上高比率 76.9% —
従業員数(連結) 8,666人 —

2. 何で稼いでいるか

任天堂の事業は単一セグメントです。有報によると、販売ルートや販売市場が同じで、経営資源の配分や業績評価を全体で行っているためです。製品・サービス別の売上は次のとおりです。

区分 2026年3月期の売上高 割合
ゲーム専用機(ハード・ソフト・オンラインサービスなど) 2兆2,395億円 96.8%
IP関連収入等(映画・モバイルアプリ・キャラクターグッズなど) 735億円 3.2%

2025年度に売れたもの(決算短信)

ハードウェア ソフトウェア
Nintendo Switch 2(2025年6月発売) 1,986万台 4,871万本(『マリオカート ワールド』1,470万本など)
Nintendo Switch(発売10年目) 380万台 1億3,691万本

どこで売っている?

地域(顧客の所在地) 売上高 割合
日本 5,349億円 23.1%
米大陸 9,353億円 40.4%
(うち米国) 7,901億円 34.2%
欧州 5,515億円 23.8%
その他 2,914億円 12.6%

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① 自社のキャラクターとハード・ソフト一体の開発

② デジタル化とアカウント

③ とても厚い財務

④ 利益に連動する配当

4. 弱み・リスク

① 本体の世代交代で業績が大きく揺れる

過去5年の売上高と当期純利益(有報「主要な経営指標等の推移」)です。

決算期 売上高 親会社株主に帰属する当期純利益
2022年3月期 1兆6,953億円 4,777億円
2023年3月期 1兆6,017億円 4,328億円
2024年3月期 1兆6,719億円 4,906億円
2025年3月期 1兆1,649億円 2,788億円
2026年3月期 2兆3,130億円 4,240億円

② ヒット作への依存

③ 外部への製造委託と部品

④ 為替

⑤ 今期の見通し

5. ライバルとの比較

ゲームで比べられる日本の会社は、ソニーグループのゲーム&ネットワークサービス(G&NS)分野です(どちらも2026年3月期。任天堂は日本基準、ソニーはIFRSで、会計基準が違います)。

任天堂(全社) ソニー G&NS分野
売上高 2兆3,130億円 4兆6,857億円
営業利益 3,601億円 4,633億円
営業利益率 15.6% 9.9%
その年の本体 Switch 2 発売の年(1,986万台) 発売から年数のたった PS5
会社全体の事業 ゲーム専用機がほぼすべて(単一セグメント) ゲームのほか、音楽・映画・センサーなど6分野

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

任天堂の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
Switch 2 のハード台数・ソフト本数 1,986万台・4,871万本 決算短信(経営成績の概況)
デジタル売上高 4,076億円 決算短信
営業利益率 15.6% 決算短信のサマリー
予想販売数量と為替の前提 1ドル150円・1ユーロ175円 決算短信・決算説明資料
営業外の損益(為替差益・持分法) 為替差益443億円、持分法827億円 決算短信
ROE(自己資本利益率) 14.9% 有報・決算短信
配当(営業利益40%・配当性向60%) 年219円、2027年3月期予想162円 決算短信

プレ男新しいゲーム機が出る前の年は売上が落ちて、出た年に一気に伸びる。1年だけ見ても会社のことはわからないんだね

IP(キャラクター)をおもちゃ・ゲーム・映像に広げる会社はバンダイナムコホールディングスの強みとはへ。

まとめ


参考文献

  1. 任天堂. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月8日). https://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2026/260508.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
  2. 任天堂. 第86期 有価証券報告書(2026年6月25日提出). https://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2026/security_q2603.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
  3. 任天堂. 2027年3月期 第1四半期 決算短信〔日本基準〕(連結). https://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2026/260806.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
  4. 任天堂. 剰余金の配当(中間配当)、配当方針の変更および期末配当予想の修正に関するお知らせ(2025年11月4日). https://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2025/251104_3.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
  5. ソニーグループ. 有価証券報告書(2025年度、2026年3月期). https://www.sony.com/ja/SonyInfo/IR/library/r7_q4.pdf (閲覧日:2026年10月5日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。