企業分析2026年10月5日

キーエンスの強みとは:工場のセンサや測定器を「直販」で売り、営業利益率は51.0%(2026年3月期)。工場を持たない「ファブレス」で、受注したらすぐ届ける即納体制。売上の66.6%は海外。弱みは設備投資の景気に左右されること

キーエンスを、有価証券報告書(第57期、2026年3月20日終了の年度)と決算短信で分析しました。売上高1兆1,692億円(前期比10.4%増)、営業利益5,957億円、営業利益率51.0%、自己資本比率94.6%。事業は電子応用機器(センサ・測定器・画像システム・レーザマーカ・マイクロスコープ・コードリーダなど)の単一セグメント。強みは会社が「グローバル直販体制」と書く直販、ファブレス体制、即納体制。国内売上3,900億円・海外7,792億円。業績予想は「合理的に算出することは困難」として出していません。オムロンの制御機器事業(2026年3月期)との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男キーエンスって、給料が高いことで有名だよね。でも、なにをつくってる会社なの?

メル美工場で使うセンサとかを売ってるらしいよ。売上の半分が営業利益ってほんと?

企業分析の連載、4社目はキーエンスです。有価証券報告書(第57期、2025年3月21日〜2026年3月20日)、2026年3月期 決算短信、2027年3月期 第1四半期 決算短信(2026年7月28日)で確認しました。比較にはオムロンの2026年3月期 決算短信を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、キーエンス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

工場の自動化や品質検査に使うセンサ・測定器・画像システムなどを企画・開発し、代理店を通さず自社の営業が直接売る会社。工場は持たず、利益率がとても高い

項目(日本基準・連結) 2026年3月期(第57期) 前期比
売上高 1兆1,692億円 +10.4%
営業利益 5,957億円 +8.4%
営業利益率 51.0%(前期 51.9%) —
経常利益 6,357億円 +13.3%
親会社株主に帰属する当期純利益 4,451億円 +11.7%
自己資本比率 94.6% —
従業員数(連結) 1万2,784人 —

2. 何で稼いでいるか

どこで売っている?(決算短信)

地域 売上高 割合 前期比
国内 3,900億円 33.4% +4.6%
海外 7,792億円 66.6% +13.5%

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① 直販と、開発・営業の連携

② 工場を持たない「ファブレス」

③ 即納体制

④ とても高い利益率と厚い財務

4. 弱み・リスク

① 設備投資の景気に左右される

② 為替と海外

③ 外部の協力工場

④ 業績予想を出さない

⑤ 1単元の金額が大きい

5. ライバルとの比較

工場の自動化(ファクトリー・オートメーション)の機器を扱う日本の会社として、オムロンの制御機器事業(IAB)と比べます(どちらも2026年3月期。キーエンスは日本基準の営業利益、オムロンは米国基準の「セグメント利益」で、定義が違うためおおまかな比較です)。

キーエンス(全社) オムロン IAB(制御機器事業)
売上高 1兆1,692億円 4,109億円
利益 営業利益 5,957億円 セグメント利益 428億円
利益率 51.0% 10.4%
主な製品 センサ、測定器、画像システム、レーザマーカ、マイクロスコープ、コードリーダ など プログラマブルコントローラ、モーションコントロール機器、センサ機器、産業用カメラ・コードリーダ、検査装置、産業用ロボット など

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

キーエンスの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
売上高の伸び(国内・海外別) +10.4%(国内+4.6%、海外+13.5%) 決算短信
営業利益率 51.0% 決算短信のサマリー
四半期ごとの売上・利益の伸び 2027年3月期 第1四半期:売上高3,466億円(+32.8%)、営業利益1,871億円(+44.7%) 四半期決算短信
研究開発費 328億円 有報
配当と配当性向 年550円(配当性向30.0%)、2027年3月期予想も550円 決算短信
ROE 13.53% 有報「主要な経営指標等の推移」

メル美工場を持たずに、直接売って、すぐ届ける。それで売上の半分が利益になるんだ

同じFA(工場の自動化)の会社はファナックの強みとはへ。

制御機器を柱にする会社はオムロンの強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. キーエンス. 有価証券報告書 第57期(2025年3月21日〜2026年3月20日). https://www.keyence.co.jp/pdf/AnnualSecuritiesReport_202606_ja.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
  2. キーエンス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結). https://www.keyence.co.jp/pdf/EarningsRelease_202604_ja.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
  3. キーエンス. 2027年3月期 第1四半期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年7月28日). https://www.keyence.co.jp/pdf/EarningsRelease_202607_ja.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
  4. オムロン. 2026年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www.omron.com/jp/ja/ir/irlib/pdfs/20260513_tanshin.pdf (閲覧日:2026年10月5日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。