企業分析2026年10月10日

ファナックの強みとは:工作機械の頭脳「CNC」とサーボモータを土台に、黄色いロボットと加工機。2026年3月期は売上高8,578億円・営業利益1,838億円(+15.7%)、売上の約87%が海外。自己資本比率89.2%、配当性向60%

ファナックを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月24日)で分析しました。売上高8,578億円(+7.6%)、営業利益1,838億円(+15.7%、営業利益率21.4%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,665億円(+12.9%)。事業は単一セグメントで、部門別の売上高はロボット3,786億円(44.1%)、FA(CNCシステム)2,085億円(24.3%)、サービス1,411億円(16.5%)、ロボマシン1,296億円(15.1%)。地域別ではアジア41.1%、米州27.1%、欧州17.8%、日本12.9%。自己資本比率89.2%、配当性向60.0%。2027年3月期は売上高9,096億円・営業利益2,122億円の予想。安川電機との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

メル美ファナックって、工場の黄色いロボットの会社だよね?

プレ男ロボットだけじゃなくて、機械の「頭脳」もつくってるって聞いたよ

企業分析の連載、14社目はファナックです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月24日)で確認しました。比較には安川電機の2026年2月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月10日)を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、ファナック株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

工作機械を動かす頭脳「CNC」とサーボモータを基本技術に、その技術を応用したロボットと加工機をつくり、世界で売る会社

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
売上高 8,578億円 +7.6%
営業利益 1,838億円 +15.7%
営業利益率 21.4% 前期 19.9%
親会社株主に帰属する当期純利益 1,665億円 +12.9%
ROE(自己資本当期純利益率) 9.3% 前期 8.6%
自己資本比率 89.2% 前期 89.0%
配当 年107.09円(配当性向60.0%) 前期 94.39円

2. 何で稼いでいるか

ファナックは、すべての商品にCNCとサーボモータが使われていることから、事業セグメントは単一としています。決算短信には、部門別・地域別の売上高が載っています。

部門 主な商品 売上高 構成比 前期比
ロボット 産業用ロボット 3,786億円 44.1% +14.9%
FA CNCシステム(工作機械の制御装置)など 2,085億円 24.3% +7.0%
サービス 保守サービス 1,411億円 16.5% +4.4%
ロボマシン ロボドリル(小型切削加工機)、ロボショット(電動射出成形機)、ロボカット(ワイヤ放電加工機) 1,296億円 15.1% −5.8%
地域(顧客の所在地) 売上高 割合
アジア 3,526億円 41.1%
米州 2,322億円 27.1%
欧州 1,524億円 17.8%
日本 1,108億円 12.9%

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① 共通の基本技術(CNCとサーボ)

② 使われ続ける限りのサービス

③ とても厚い財務と株主還元の方針

4. 弱み・リスク

① 景気の波を受けやすい

② 中国・アジアの比重

③ 関税・地政学リスク・為替

④ 自動車向けの弱さ

5. ライバルとの比較

産業用ロボットの大手、安川電機と比べます。決算期(安川電機は2月期)と会計基準(安川電機はIFRS)が違うので、おおまかな比較です。

ファナック(2026年3月期) 安川電機(2026年2月期)
売上高(売上収益) 8,578億円(+7.6%) 5,421億円(+0.8%)
営業利益 1,838億円(+15.7%) 473億円(−5.7%)
営業利益率 21.4% 8.7%
ロボットの売上 3,786億円(+14.9%) 2,470億円(+4.0%)
自己資本比率(親会社所有者帰属持分比率) 89.2% 59.5%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

ファナックの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
部門別の売上高(とくにロボット・FA) ロボット3,786億円、FA2,085億円 決算短信(製品及びサービスごとの情報)
地域別の売上高 アジア41.1%、米州27.1% 決算短信(地域ごとの情報)
営業利益率 21.4% 決算短信のサマリー
会社の業績予想 2027年3月期 売上高9,096億円、営業利益2,122億円 決算短信のサマリー
配当 年107.09円(配当性向60.0%)。2027年3月期の配当予想は未定 決算短信

プレ男ロボットも加工機も、中身は同じCNCとサーボ。土台が共通なのがポイントなんだね

空気圧機器などの自動制御機器の会社はSMCの強みとはも参考にしてください。

サーボモータと産業用ロボットの会社は安川電機の強みとはも参考にしてください。

時計と工作機械の会社はシチズン時計の強みとは、時計と電卓の会社はカシオ計算機の強みとはも参考にしてください。

工作機械や板金機械の会社はアマダの強みとは・オークマの強みとは・牧野フライス製作所の強みとはも参考にしてください。

まとめ


参考文献

  1. ファナック. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月24日). https://www.fanuc.co.jp/ja/ir/announce/pdf/2026/financialresult202603.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  2. 安川電機. 2026年2月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月10日). https://www.yaskawa.co.jp/wp-content/uploads/2026/04/20260410.pdf (閲覧日:2026年10月10日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。