カシオ計算機の強みとは:「G-SHOCK」「CASIO WATCH」の時計が売上の約67%、セグメント利益の9割超。関数電卓・電子辞書・電子楽器のコンシューマも。2026年3月期は営業利益231億円(+62.1%)
カシオ計算機を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日、東証の適時開示)で分析しました。売上高2,763億円(+5.5%)、営業利益231億円(+62.1%、営業利益率8.4%)、経常利益257億円(+81.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益182億円(+126.0%、前期は特別退職金83億円)、ROE8.0%、自己資本比率66.9%。セグメントは、時計(売上高1,850億円・+11.3%、営業利益271億円・+33.8%、北米・インド・ASEANなどで「CASIO WATCH」が好調、「G-SHOCK」の定番モデルも堅調)、コンシューマ(電子辞書・電卓・電子楽器など、売上高821億円、営業利益34億円、関数電卓が堅調、サウンドは減収)。HR・SMB事業は譲渡。年45円の配当(2027年3月期は未定)、2027年3月期は売上高2,950億円・営業利益260億円の予想。シチズン時計との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美カシオって、電卓の会社のイメージだけど、何で稼いでいるの?

プレ男決算短信を見ると、売上の約3分の2は時計で、利益のほとんども時計なんだって。G-SHOCKの会社だね
企業分析の連載、202社目はカシオ計算機です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のシチズン時計の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、カシオ計算機株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の商品をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
「G-SHOCK」「CASIO WATCH」などの時計と、電子辞書・電卓・電子文具・電子楽器などのコンシューマ製品を世界で売る会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2,763億円 | +5.5% |
| 営業利益 | 231億円 | +62.1% |
| 営業利益率 | 8.4% | 前期 5.4% |
| 経常利益 | 257億円 | +81.8% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 182億円 | +126.0% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 8.0% | 前期 3.6% |
| 自己資本比率 | 66.9% | 前期 66.0% |
| 配当 | 年45円(配当性向56.2%) | 前期 45円 |
- 前期は、特別損失に特別退職金83億円を計上していました
- セグメントは「時計」「コンシューマ」「その他」の3つです。HR事業・SMB事業(中小企業向けのシステム)は譲渡し、旧「システム」は「その他」に含めました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 時計 | 北米・インド・ASEANなどで「CASIO WATCH」が好調、「G-SHOCK」は定番モデルの再訴求で角型の5000・5600シリーズ、八角形の2100シリーズが堅調 | 1,850億円(+11.3%) | 271億円(+33.8%) |
| コンシューマ | 関数電卓が堅調、サウンド(電子楽器)は市況が厳しく減収 | 821億円(−0.0%) | 34億円(+57.8%) |
| その他 | 成形部品・金型など | 92億円 | −13億円 |
- 売上高の約67%が時計、セグメント利益の合計293億円のうち約93%が時計です(計算値)。増減率は決算短信の前期と当期の数字から計算しました
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 2つの時計ブランド
- 「G-SHOCK」と「CASIO WATCH」の2軸の戦略が奏功したとしています。時計の営業利益は+33.8%でした。新しい中期経営計画では、インド・ブラジルなど成長の余地が大きい地域を重点的に強化するとしています
② 関数電卓
- 関数電卓は堅調でした。会社は、普及率・シェアの拡大と新興国の需要の獲得、ICT化に向けたサービスの拡大に取り組むとしています
③ 厚い財務
- 自己資本比率は66.9%です
4. 弱み・リスク
① 時計への集中
- 利益の9割超が時計で、時計の需要や海外の消費の動きに大きく左右されます
② サウンド事業
- 電子楽器のサウンドは市況の厳しさが続き、減収でした。会社は、構造改革による早期の黒字化を進めるとしています
③ 関税・中東情勢とコスト
- 会社は、米国の関税率引き上げや地政学リスク、中東地域の情勢の緊迫化などを背景に、コスト上昇などの影響を懸念しています。2027年3月期の配当予想は未定です
5. ライバルとの比較
同じく時計の会社のシチズン時計と並べます。どちらも日本基準・2026年3月期です。
| カシオ計算機 | シチズン時計 | |
|---|---|---|
| 売上高 | 2,763億円(+5.5%) | 3,468億円(+9.4%) |
| 営業利益 | 231億円(+62.1%) | 302億円(+46.9%) |
| 営業利益率 | 8.4% | 8.7% |
| ROE | 8.0% | 11.3% |
| 自己資本比率 | 66.9% | 62.6% |
- 利益率は近い水準です。カシオは時計と電卓・電子辞書・電子楽器、シチズンは時計と工作機械・デバイスの組み合わせです(→シチズン時計の強みとは)。ゲーム機の会社は任天堂の強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
カシオ計算機の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 時計の売上高・営業利益 | 1,850億円・271億円 | 決算短信(セグメント情報) |
| コンシューマの営業利益 | 34億円 | 決算短信(セグメント情報) |
| 為替の前提 | 2027年3月期 1ドル155円、1ユーロ180円 | 決算短信(今後の見通し) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高2,950億円、営業利益260億円、当期純利益185億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年45円、2027年3月期は未定 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ。海外で稼ぐ会社の為替の見方は外国株と為替も

メル美電卓の会社と思っていたけど、利益のほとんどは時計なのね。海外の時計の売れ行きを見ておきたいな
まとめ
- カシオ計算機は、時計(G-SHOCK・CASIO WATCH)とコンシューマ製品の会社
- 2026年3月期は営業利益231億円(+62.1%)
- 売上高の約67%、セグメント利益の9割超が時計
- 関数電卓は堅調、電子楽器は構造改革へ
- 2027年3月期は営業利益260億円(+12.7%)の予想、配当は未定
参考文献
- カシオ計算機. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/69520/140120260513530939.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- シチズン時計. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/77620/140120260512527246.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。