外国株と為替:米国株などを持つと、株価に加えて円高・円安でも円での価値が変わる。配当は外国と日本で二重に課税されることがあり、確定申告の外国税額控除で取り戻せる場合も。米国株の配当にかかる米国の税は、日米租税条約で原則10%
外国株に投資するときの為替と税金のしくみを、国税庁タックスアンサーNo.1240(居住者に係る外国税額控除)と財務省「日米租税条約のポイント」でまとめました。外国株の円での価値は、株価(現地通貨)×為替レートで決まるため、株価が同じでも円高になれば円での価値は下がります。外国株の配当には、まず現地の国で税金がかかり、日本でも課税されます。日米租税条約では、持株割合10%未満の一般の投資家が受け取るポートフォリオ配当の米国での課税は10%。二重に課税された分は、確定申告で外国税額控除を使うと、控除限度額の範囲で日本の所得税から差し引けます。

プレ男アメリカの株を買ったら、株価は上がったのに円で見たら損してた…なんで?

メル美たぶん円高になったからだよ。それと、配当の税金も日本の株とちがうらしい
今回は、外国株と為替・税金です。税金は国税庁タックスアンサー No.1240「居住者に係る外国税額控除」、条約は財務省「日米租税条約のポイント」で確認しました。
この記事はしくみの説明です。特定の国・銘柄・証券会社をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
円での価値は「株価×為替」
外国株(たとえば米国株)の円での価値は、
株価(ドル)× 為替レート(1ドル=何円)
で決まります。
計算例
あくまで仮の計算です(手数料・税金は入れていません)。株価100ドルの米国株を1株、1ドル150円のときに買ったとします(1万5,000円)。
| その後 | 株価 | 為替 | 円での価値 | 損益 |
|---|---|---|---|---|
| 株価も為替も変わらない | 100ドル | 150円 | 1万5,000円 | 0円 |
| 株価が10%上がり、円高に | 110ドル | 130円 | 1万4,300円 | −700円 |
| 株価は変わらず、円安に | 100ドル | 165円 | 1万6,500円 | +1,500円 |
- 株価が上がっても、円高になれば円では損になることがあります。逆に、株価が変わらなくても円安なら円では得になります
- このように、外国株には株価の値動きと為替の値動きの両方のリスクがあります
配当の税金:二重にかかることがある
- 外国株の配当には、まず現地の国で税金(源泉徴収)がかかり、そのあと日本でも課税されます(日本の上場株式等の配当と同じく、ふつう20.315%)
- 日本と相手国の租税条約によって、現地の国の税率が軽くなることがあります
米国株の場合:日米租税条約で10%
財務省「日米租税条約のポイント」によると、配当にかかる源泉地国(米国株なら米国)の税率は次のとおりです。
| 配当の種類 | 旧条約 | 改正後の条約 |
|---|---|---|
| 親子間配当(持株割合50%超) | 10% | 免税 |
| 親子間配当(持株割合10%以上50%以下) | 10% | 5% |
| ポートフォリオ配当(その他) | 15% | 10% |
- 個人投資家がふつうに持つ株は「ポートフォリオ配当」にあたり、米国での税率は10%です
二重課税を取り戻す:外国税額控除
国税庁 No.1240 によると、
- 日本の居住者が、外国の法令で所得税に相当する税(外国所得税)を納めた場合、控除限度額の範囲で、その外国所得税を日本の所得税から差し引くことができます(外国税額控除)
- 控除限度額は、おおまかに「その年の所得税額 ×(国外所得金額 ÷ 所得総額)」で計算します。所得税で引ききれない分は、復興特別所得税からも差し引けることがあります
- 外国税額控除を受けるには、確定申告が必要です
NISAで外国株を持つと
- NISA口座の外国株の配当は、日本の税金はかかりません(→NISAの税金)。ただし、現地の国の税金はかかることがあり、日本で税金を納めていないので、外国税額控除で取り戻すことはできないと考えられます

プレ男配当はアメリカで10%、日本で約20%。確定申告すれば一部戻ってくることもあるのか
そのほか気をつけたいこと
- 外国株を売買するときは、円をドルなどに替える為替の手数料がかかることがあります(証券会社しだい)
- 取引時間は現地の市場の時間です(米国なら日本の夜から早朝)
- 外国の個別株ではなく、外国の株価指数に連動する投資信託やETFで投資する方法もあります(→ETF(上場投資信託)のしくみ、長期投資とインデックス投資)
ユーロ圏の政策金利の動きはユーロ圏の政策金利(ECB)も参考にしてください。
まとめ
- 外国株の円での価値は 株価×為替。株価が上がっても円高なら損になりうる
- 配当は現地と日本で二重に課税されることがある
- 米国株の一般の配当の米国での税率は、日米租税条約で10%
- 二重課税は、確定申告の外国税額控除で、控除限度額の範囲で取り戻せる場合がある
- NISAでも現地の税はかかることがある
参考文献
- 国税庁. No.1240 居住者に係る外国税額控除. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1240.htm (閲覧日:2026年10月7日)
- 財務省. 日米租税条約のポイント. https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/international/tax_convention/press_release/sy151107_index.htm (閲覧日:2026年10月7日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。