株式投資の基礎:株を買うと「会社の持ち主の一人」になる。東証の売買は100株単位、取引は平日9時〜11時30分と12時30分〜15時30分。証券会社が破綻しても、預けた株とお金は分別管理で守られる
株式投資の入口をまとめました。株主には配当・残余財産・議決権の権利があり(会社法105条)、責任は出資した額まで(会社法104条)。東京証券取引所の上場会社は3,890社(2026年9月末)、市場はプライム・スタンダード・グロースなど。売買は100株単位(2018年10月1日に統一)、立会時間は9時〜11時30分と12時30分〜15時30分(2024年11月5日から)。注文は成行と指値、1日の値動きには制限値幅があります。決済は約定日から数えて3日目。証券会社の破綻に備えて、分別管理と日本投資者保護基金(1人1,000万円まで)の二重の仕組みがあります。
目次

プレ男株ってよく聞くけど、買うと何がもらえるの? いくらから買えるの?

メル美証券会社がつぶれたら、預けた株も消えちゃうのかな…?
今回は、株式投資のいちばん基本のしくみです。会社法(e-Gov法令検索)、日本取引所グループ(JPX)の売買制度のページ、日本投資者保護基金の説明で確認した内容をまとめました。
この記事はしくみの説明です。特定の銘柄や証券会社をすすめるものではありません。株は値下がりして、買った金額より減ることがあります。投資判断はご自身の責任でお願いします。
株とは:会社の「持ち主の一人」になること
- 株式会社は、株(株式)を発行してお金を集めます。株を持つ人が株主です
- 会社法105条は、株主の権利として次の3つを挙げています
- 剰余金の配当を受ける権利(いわゆる配当)
- 残余財産の分配を受ける権利(会社をたたむとき、残った財産を受け取る権利)
- 株主総会における議決権
- 株主の責任は、「その有する株式の引受価額を限度とする」(会社法104条)。会社が借金を残してつぶれても、株主が出したお金以上を払う必要はない、という意味です(有限責任)。逆にいうと、株の価値はゼロになりえます
- 株で利益が出る道は、大きく2つです
- 値上がり益:買った値段より高く売れたときの差額
- 配当:会社が利益の一部を株主に分けるもの。配当を出すか・いくらにするかは会社が決めるので、出ないこともあります
どこで売買する?:証券取引所と市場区分
- 株は、証券取引所に上場している会社のものを、証券会社を通じて売買するのが一般的です。個人が取引所に直接注文することはできません
- 日本最大の取引所は東京証券取引所(東証)。上場会社は3,890社(2026年9月30日の月末、TOKYO PRO Market を含む。JPX「上場会社数」)
- 東証は2022年4月4日に、市場を「プライム市場・スタンダード市場・グロース市場」の3つに分け直しました(それまでは市場第一部・第二部・マザーズ・JASDAQ)
| 市場 | 上場会社数(2026年9月30日) | JPXが示すコンセプト(要約) |
|---|---|---|
| プライム | 1,544社 | 多くの機関投資家の投資対象になりうる規模の時価総額を持ち、より高いガバナンス水準を備える企業 |
| スタンダード | 1,561社 | 一定の時価総額を持ち、上場企業としての基本的なガバナンス水準を備える企業 |
| グロース | 595社 | 高い成長可能性がある一方、事業実績の観点から相対的にリスクが高い企業 |
| TOKYO PRO Market | 190社 | — |
いくらから買える?:売買は「100株」単位
- 東証での売買は、各社が定款で定めた単元株式数を単位に行われ、内国株は100株単位です。JPXは2018年10月1日に、売買単位を100株に統一しました
- つまり、株価が1,000円の株なら、ふつうは 1,000円×100株=10万円 から(これに証券会社の手数料などがかかります)
- 証券会社によっては、100株未満で買えるサービス(単元未満株)を扱っているところもあります。内容や手数料は会社ごとに違います
いつ売買できる?:立会時間
JPXによると、東証の取引時間(立会時間)は次のとおりです(2024年11月4日更新のページ)。
| 取引の時間 | 注文の受付 | |
|---|---|---|
| 午前立会(前場 ぜんば) | 9:00〜11:30 | 8:00から |
| 午後立会(後場 ごば) | 12:30〜15:30 | 12:05から |
- 休業日:土曜日・日曜日、国民の祝日・休日、1月1日〜3日、12月31日
- 東証は2024年11月5日、新しい売買システム(arrowhead4.0)の稼働にあわせて、取引時間を30分延ばしました(午後の終わりが15時から15時30分に)。最後の5分間(15時25分〜15時30分)は注文を受け付けるだけの時間(プレ・クロージング)で、15時30分にまとめて終値を決めます(クロージング・オークション)
注文のしかた:成行と指値
| 注文 | JPXの説明 |
|---|---|
| 成行注文 | どの値段でもよいから、買いたい/売りたいという注文 |
| 指値注文 | ○○○円(以下)で買いたい、○○○円(以上)で売りたいという注文 |
- 売買は「価格優先」(買いは高い値段、売りは安い値段が優先。成行は指値より優先)と「時間優先」(同じ値段なら先に出した注文が優先)のルールで成立します
- 成行は早く成立しやすい反面、思わぬ値段で成立することがあります。値段にこだわるなら指値、と覚えておくと安心です
1日の値動きには上限がある:制限値幅(ストップ高・ストップ安)
- 東証は、1日の値動きの幅を、前日の終値など(基準値段)に応じて制限しています。これが制限値幅で、上限まで上がることをストップ高、下限まで下がることをストップ安といいます
- 例(JPX「制限値幅」の表、2026年10月2日更新)
| 基準値段 | 制限値幅 |
|---|---|
| 500円以上 700円未満 | 上下100円 |
| 1,000円以上 1,500円未満 | 上下300円 |
| 3,000円以上 5,000円未満 | 上下700円 |
| 10,000円以上 15,000円未満 | 上下3,000円 |
- 2営業日続けてストップ高(安)で売買が成立しないなどの条件にあたると、翌営業日から制限値幅が広げられることがあります
- 制限値幅とは別に、価格が急に飛ばないよう「特別気配」などのしくみもあります
買ったあと:決済は「約定日から数えて3日目」
- 売買が成立すること(約定 やくじょう)と、お金と株を実際にやりとりすること(決済・受渡し)は、日がずれます
- 東証の普通取引は、「売買契約締結の日から起算して3日目(休業日を除く)の日に決済を行う」とされています。月曜日に約定すれば、ふつうは水曜日に受渡しです
- 配当や株主優待を受け取る権利が決まる日(権利確定日)に株主名簿にのっているためには、この受渡しの日数を考えて買う必要があります
証券会社がつぶれたら?:分別管理と投資者保護基金
日本投資者保護基金によると、証券会社に預けた株やお金は、二重のしくみで守られています。
- 分別管理:証券会社は、お客さんから預かった資産(お金や株など)を、自分の会社の財産と分けて管理することが法律で義務づけられています。分別管理が守られていれば、証券会社が破綻しても、預けた資産は基本的に返してもらえます
- 日本投資者保護基金:分別管理が守られておらず、返還ができない場合、基金が1人あたり1,000万円まで補償します(補償を公告した日の時価で換算)
ただし、ここが大事なところです。
- 値下がりの損は補償されません。株価が下がっても、分別管理されていれば基金の補償はありません
- 株を出した会社(発行体)が破綻して株が無価値になっても、補償の対象外です
- 店頭デリバティブ取引(FXなど)、暗号資産なども、基金の補償の対象外です
つまり、守られるのは「預けたものがなくなること」に対してで、「投資の損」は守られません。

メル美証券会社がつぶれても株は返ってくる。でも、株価が下がった分は自分でかぶるんだね
税金と口座の話
- 株の売却益や配当には、ふつう20.315%の税金がかかります(所得税・住民税・復興特別所得税)。くわしくは「みんな大好き!税金の話」のNISAの税金と分離課税をどうぞ
- NISA口座で買った株は、売却益と配当が非課税になります。制度のしくみはNISAのしくみで
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100株に満たない株は単元株と単元未満株のしくみへ。
証券会社が破綻したときの預けた資産の守られ方は証券会社がつぶれたら預けた株はどうなる?も参考にしてください。
複利や分散投資の基本の問題はお金の知識、3問に答えられる?も参考にしてください。
まとめ
- 株を持つと株主。権利は配当・残余財産・議決権(会社法105条)、責任は出した額まで(104条)
- 東証の上場会社は3,890社(2026年9月末)。市場はプライム・スタンダード・グロースなど
- 売買は100株単位。取引は平日9:00〜11:30と12:30〜15:30
- 注文は成行と指値。1日の値動きには制限値幅
- 決済は約定日から数えて3日目
- 証券会社の破綻には分別管理+投資者保護基金(1,000万円まで)。ただし値下がりの損は守られない
参考文献
- e-Gov法令検索. 会社法(平成十七年法律第八十六号)第104条・第105条. https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086 (閲覧日:2026年10月5日)
- 日本取引所グループ. 上場会社数(2026年10月2日更新). https://www.jpx.co.jp/listing/co/index.html (閲覧日:2026年10月5日)
- 日本取引所グループ. 市場区分見直しの概要(2023年4月1日更新). https://www.jpx.co.jp/equities/improvements/market-structure/01.html (閲覧日:2026年10月5日)
- 日本取引所グループ. 内国株の売買制度 売買単位(2018年10月1日更新). https://www.jpx.co.jp/equities/trading/domestic/03.html (閲覧日:2026年10月5日)
- 日本取引所グループ. 内国株の売買制度 売買立会時(立会時間)(2024年11月4日更新). https://www.jpx.co.jp/equities/trading/domestic/01.html (閲覧日:2026年10月5日)
- 日本取引所グループ. 内国株の売買制度 売買成立の方法(2024年11月4日更新). https://www.jpx.co.jp/equities/trading/domestic/04.html (閲覧日:2026年10月5日)
- 日本取引所グループ. 内国株の売買制度 制限値幅(2026年10月2日更新). https://www.jpx.co.jp/equities/trading/domestic/06.html (閲覧日:2026年10月5日)
- 日本取引所グループ. 内国株の売買制度 売買の種類(2019年7月16日更新). https://www.jpx.co.jp/equities/trading/domestic/02.html (閲覧日:2026年10月5日)
- 東京証券取引所. 現物市場の取引時間の延伸が本日スタート(2024年11月5日). https://www.jpx.co.jp/corporate/news/news-releases/1030/mklp77000000kf7b-att/jp.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
- 日本投資者保護基金. 投資者保護基金制度とは. https://jipf.or.jp/introduction/ (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。