分離課税とは:給料などは合計して5〜45%の「総合課税」、株の売却益・配当・利子・土地の売却益は別に計算する「分離課税」。株の利益はいくら稼いでも一律20%(+復興税)
国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在)によると、所得税は原則として、給与や事業などの所得を合計して5〜45%の累進税率をかける「総合課税」です。いっぽう、株式等の譲渡益は所得税15%・住民税5%の「申告分離課税」、預貯金の利子は15.315%(ほかに地方税5%)が源泉徴収されて終わる「源泉分離課税」、土地建物の譲渡益も所有期間5年超なら所得税15%、5年以下なら30%で、ほかの所得とは分けて計算します。

メル美株でもうけた人の税金は「20%」って聞くけど、給料の税金とはちがうの?

プレ男「分離課税」っていうらしいよ。名前だけ知ってる…。
今回は、分離課税です。国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在の法令等)で確認した内容をまとめました。
総合課税:合計して、5〜45%
- 所得税は、給与や事業などの各種の所得を合計して、税額を計算するのが原則です。これを「総合課税」といいます
- 総合課税の税率は、課税される所得が多いほど高くなる累進税率で、5%から45%の7段階です
| 課税される所得金額 | 税率 |
|---|---|
| 195万円未満 | 5% |
| 195万円以上330万円未満 | 10% |
| 330万円以上695万円未満 | 20% |
| 695万円以上900万円未満 | 23% |
| 900万円以上1,800万円未満 | 33% |
| 1,800万円以上4,000万円未満 | 40% |
| 4,000万円以上 | 45% |
(このほか、住民税がかかります。→住民税)
分離課税:ほかの所得と分けて、決まった税率で
一部の所得は、ほかの所得と合計せずに分けて計算します。これが「分離課税」です。
| 所得 | 課税のしかた | 税率 |
|---|---|---|
| 株式等の譲渡益(上場株式・一般株式) | 申告分離課税 | 20%(所得税15%、住民税5%) |
| 預貯金の利子 | 源泉分離課税(受け取るときに天引きで終わり) | 15.315%(所得税・復興特別所得税)+地方税5% |
| 上場株式等の配当(大口株主をのぞく) | 申告分離課税・総合課税・申告不要から選べる | 源泉徴収は15.315%+地方税5% |
| 土地・建物の譲渡益(所有期間5年超=長期) | 申告分離課税 | 所得税15%、住民税5% |
| 土地・建物の譲渡益(所有期間5年以下=短期) | 申告分離課税 | 所得税30%、住民税9% |
- 所有期間は、売った年の1月1日現在で判断します
- 国税庁のタックスアンサーによると、2013年(平成25年)から2047年(令和29年)までの各年分は、所得税とあわせて復興特別所得税を納めます。2026年分までの税率は所得税額の2.1%です。株の譲渡益の「20%」には、これをふくめて20.315%になります

プレ男給料は稼ぐほど税率が上がるのに、株の利益はいくらでも20%なのか!
2027年から、少し変わる
- 国税庁によると、2027年(令和9年)1月1日以後に生じる所得については、復興特別所得税の税率が1.1%に引き下げられ、あわせて防衛特別所得税(所得税額の1%)がかかります
なぜ分離課税があるの?
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政府税制調査会の答申(2023年6月)は、金融所得などの資産性所得について「主に(累進課税ではなく)比例税率の分離課税を適用」していると説明しています
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いっぽうで、所得の多い人ほど分離課税の所得の割合が高いため、所得税の負担率が下がる「一億円の壁」が指摘されてきました(→一億円の壁)
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分離課税になる所得の例は、退職金の税金、3,000万円の特別控除もどうぞ
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株や投資信託の利益が非課税になるしくみは、NISAの税金もどうぞ
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暗号資産の利益は、いまは総合課税です。暗号資産の税金もどうぞ
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株の売却損の損益通算と繰越控除は、株で損をしたときの税金もどうぞ
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配当を総合課税にしたときの控除は、配当控除もどうぞ
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預金の利子と非課税の制度は、預金の利子の税金(利子所得)もどうぞ
まとめ
- 給与などは合計して5〜45%の総合課税
- 株の売却益は一律20%(復興税ふくめ20.315%)、利子は天引きで終わり、土地建物は所有期間で15%か30%(所得税)
- 2027年から、復興特別所得税1.1%+防衛特別所得税1%に
- 分離課税は、高い所得の人の負担率が下がる「一億円の壁」の理由のひとつ
参考文献
- 国税庁. No.2260 所得税の税率(令和8年4月1日現在法令等). https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm (閲覧日:2026年10月3日)
- 国税庁. No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)(令和8年4月1日現在法令等). https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1463.htm (閲覧日:2026年10月3日)
- 国税庁. No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得)(令和8年4月1日現在法令等). https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1310.htm (閲覧日:2026年10月3日)
- 国税庁. No.1330 配当金を受け取ったとき(配当所得)(令和8年4月1日現在法令等). https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1330.htm (閲覧日:2026年10月3日)
- 国税庁. No.3208 長期譲渡所得の税額の計算/No.3211 短期譲渡所得の税額の計算(令和8年4月1日現在法令等). https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3208.htm (閲覧日:2026年10月3日)
- 国税庁. No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)(令和8年4月1日現在法令等). https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1440.htm (閲覧日:2026年10月3日)
- 税制調査会. わが国税制の現状と課題 ―令和時代の構造変化と税制のあり方―(2023年6月). https://www.soumu.go.jp/main_content/000897002.pdf (閲覧日:2026年10月3日)
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