税金のしくみ2026年10月3日

お金持ちほど税負担率が下がる?「一億円の壁」:所得税の負担率は所得1億円以下の層の27.1%がピーク、100億円以下の層では17.1%に。株の売却益などが一律20%の分離課税だから。2025年分から「超富裕層への追加課税」、2027年分から強化

政府税制調査会の答申(2023年6月)によると、申告納税者の所得税負担率(2020年分)は、合計所得金額5,000万円超〜1億円の層の27.1%が最も高く、それより所得の多い層では下がり、50億円超〜100億円の層は17.1%でした。高所得者ほど、税率が一律の分離課税の株式の譲渡益などの割合が高いためで、「一億円の壁」と呼ばれます。これに対し2025年分から、基準所得金額3億3,000万円を超える部分に22.5%で計算した税額との差を追加で納める「特定の基準所得金額の課税の特例」が始まり、財務省の大綱では2027年分から1億6,500万円超・30%に強化されます。

目次
  1. 所得が1億円をこえると、負担率が下がる
  2. なぜ下がるの?:分離課税の所得が多いから
  3. 2025年分から:超富裕層への追加課税
  4. 2027年分から:さらに強化
  5. まとめ

プレ男すごいお金持ちほど、税金の割合が低いって聞いたんだけど、本当?ずるくない?

メル美脱税じゃなくて、税のしくみの問題なんだって。国の資料で見てみよう。

今回は、「資産や所得がとても多い人の税負担」の話です。政府税制調査会の答申「わが国税制の現状と課題」(2023年6月)、国税庁のページ、財務省の「令和8年度税制改正の大綱」で確認した内容をまとめました。ここで紹介するのは法律にしたがった合法的なしくみで、脱税の話ではありません。

所得が1億円をこえると、負担率が下がる

政府税制調査会の答申には、申告納税者の所得税負担率(所得にしめる所得税の割合、2020年分)のグラフがあります。

合計所得金額 所得税負担率
1,000万〜1,200万円 11.9%
2,000万〜3,000万円 21.3%
3,000万〜5,000万円 24.7%
5,000万〜1億円 27.1%(いちばん高い)
1億〜2億円 26.7%
5億〜10億円 21.4%
20億〜50億円 20.0%
50億〜100億円 17.1%
100億円超 19.6%

プレ男50億〜100億円の人より、5,000万〜1億円の人のほうが、割合では10%も多く払ってるのか!

なぜ下がるの?:分離課税の所得が多いから

メル美お金持ちの所得の6割以上が、株や土地を売った利益なんだね。

持っているだけでは、所得税はかからない

2025年分から:超富裕層への追加課税

2027年分から:さらに強化

財務省の「令和8年度税制改正の大綱」(2025年12月26日閣議決定)では、2027年(令和9年)分以後、この特例を次のように見直すとしています。

2025・2026年分 2027年分から
差し引く金額(基準) 3億3,000万円 1億6,500万円
税率 22.5% 30%

プレ男ずるいって思う前に、しくみを知るのが大事なんだね。ちゃんと見直しも進んでるのか。

まとめ


参考文献

  1. 税制調査会. わが国税制の現状と課題 ―令和時代の構造変化と税制のあり方―(2023年6月)「所得税負担率(ミクロ)」〔資料2-I-10〕〔資料2-I-11〕. https://www.soumu.go.jp/main_content/000897002.pdf (閲覧日:2026年10月3日)
  2. 国税庁. 極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置について. https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kiwataka/index.htm (閲覧日:2026年10月3日)
  3. 国税庁. No.2260 所得税の税率(令和8年4月1日現在法令等). https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm (閲覧日:2026年10月3日)
  4. 国税庁. No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)(令和8年4月1日現在法令等). https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1463.htm (閲覧日:2026年10月3日)
  5. 財務省. 令和8年度税制改正の大綱(2025年12月26日閣議決定). https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/20251226taikou.pdf (閲覧日:2026年10月3日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。