消費税はなぜ社会保障の財源なのか:「世代や働き方にかかわらず広く負担を分かち合える」「景気に左右されにくく安定」「企業活動への影響が小さい」。いっぽう年間所得で見ると逆進的な面も(政府税制調査会)
政府税制調査会の答申(2023年6月)は、消費税の特徴として、世代や就労の状況にかかわらず国民が幅広く負担を分かち合える、税収が景気の動向に左右されにくく安定的、貯蓄や設備投資の判断に中立的で企業活動への影響が小さい、などをあげ、社会保障の財源に「ふさわしい」としています。いっぽうで、年間所得に対する負担割合で見ると逆進的な面もあり、税制全体と社会保障で再分配を考える必要があると書いています。財務省によると、2026年度の消費税収は国・地方で34.0兆円で、全額が社会保障に充てられますが、社会保障4経費48.9兆円には18.3兆円足りません。

メル美消費税って、みんなが同じ税率で払うから「平等」って言われることがあるよね。

プレ男でも「お金のない人ほど負担が重い」って話も聞くよ。どっちなんだろう?
今回は、消費税が社会保障の財源とされている理由です。政府税制調査会の答申「わが国税制の現状と課題」(2023年6月)と、財務省の資料で確認した内容をまとめました。消費税のよいところとされる点と、弱いところとされる点の両方を、答申の言葉で紹介します。
消費税のよいところ(答申より)
答申は、主な税の特徴をくらべる表で、消費税について次のように書いています。
- 世代や就労の状況にかかわらず国民が幅広く負担を分かち合うことが可能
- 税収が景気の動向に比較的左右されにくく安定的
- 貯蓄や設備投資等の意思決定に中立的で、企業活動に与える影響も相対的に小さい
- 最終消費地で課税するという国際的に共通したルールのもとで、内外の税率差による国際競争力への影響を遮断することが可能
ほかの税とくらべると:
| 税 | 答申があげる特徴(抜粋) | 2023年度予算の税収 |
|---|---|---|
| 所得税 | 担税力に応じて累進的に負担を求められる。勤労世代(現役世代)が主に負担 | 21.0兆円 |
| 法人税 | 企業の国際競争力などの観点も必要。税収が景気に左右されやすい | 14.6兆円 |
| 消費税 | 世代や就労の状況にかかわらず幅広く負担。税収が安定的 | 23.4兆円 |

プレ男所得税は働いている世代が中心に払うけど、消費税は高齢の人も買い物をすれば払うってことか。
「世代間の公平」と社会保障
- 答申は、消費税は消費が行われた段階で負担を求める税で、消費は一生を通じて行われるため、「世代間の公平の確保に資する」としています
- 社会保障の財源については、「特定の世代に偏らず幅広い国民が負担を分かち合うことができ、税収の変動が少ない消費税がふさわしい」と書いています
- 法人税については、税収が景気に左右されやすいことなどが特徴としてあげられています(→法人税が上げにくいと言われる理由)
弱いところ:逆進的な面(答申より)
同じ答申は、消費税の弱いところも書いています。
- 消費税は比例税率で、所得税のような累進課税はむずかしい税です
- 一般に、所得が高い人ほど、所得にしめる消費の割合は低いため、年間所得に対する消費税の負担の割合で見ると、「消費税は逆進的な性質を有する面もあります」
- 所得税や相続税などにくらべて、「再分配機能が十分に発揮されにくい」という特徴もあります
- 2019年10月に税率が10%に上がったとき、いわゆる逆進性や痛税感の緩和なども考えて、飲食料品(酒類・外食をのぞく)などに8%の軽減税率が導入されました

メル美同じ税率でも、収入にしめる割合で見ると、収入が少ない人のほうが重くなることがあるんだね。
答申の考え方:「生涯」と「税制全体」で見る
- 若いときに貯蓄し、高齢になって取り崩して消費するというライフサイクルで考えると、消費税は「生涯所得に対する比例税」の性質があると見ることもできる、としています
- ただし、生涯で消費しきれずに多額の資産を遺す人もいるため、資産への課税も重要だとしています
- そして、累進性は消費税単独ではなく、所得税や相続・贈与税をふくめた税制全体で確保し、社会保障制度でも再分配を行うという視点が大切だとしています
消費税は全額が社会保障に。でも足りない
財務省の資料(2026年度予算)によると:
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消費税収(国・地方)は34.0兆円
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消費税収(地方消費税1%分をのぞく)は、全額を社会保障の財源に充てることになっています
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しかし、社会保障4経費(年金・医療・介護・子ども子育て支援)は国と地方で48.9兆円。消費税収(地方消費税1%分をのぞく)30.6兆円との差は18.3兆円で、足りていません
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社会保障の財源がこれからどうなるかは、社会保険料のこれからでもまとめています
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消費税が「平等で優れている」かどうかは、立場によって評価が分かれます。この記事では、政府税制調査会と財務省の資料に書かれた内容だけを紹介しています
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国の税収の内訳は、国の税収(2025年度決算)もどうぞ
まとめ
- 政府税調は消費税を、世代や働き方にかかわらず広く負担でき、税収が安定し、企業活動への影響が小さい税としている
- そのため、社会保障の財源に「ふさわしい」としている
- いっぽう、年間所得で見ると逆進的な面があり、再分配機能は発揮されにくい → 軽減税率8%、税制全体と社会保障で補う
- 2026年度の消費税収は34.0兆円、それでも社会保障4経費には18.3兆円足りない
参考文献
- 税制調査会. わが国税制の現状と課題 ―令和時代の構造変化と税制のあり方―(2023年6月). https://www.soumu.go.jp/main_content/000897002.pdf (閲覧日:2026年10月3日)
- 財務省. 消費税の使途に関する資料. https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/consumption/d05.htm (閲覧日:2026年10月3日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。