退職金の税金:勤続20年までは1年40万円、20年を超えると1年70万円の「退職所得控除」を引いて、さらに半分にしてから税金がかかる。「退職所得の受給に関する申告書」を出せば確定申告は原則いらない
国税庁のタックスアンサー(令和8年4月1日現在)によると、退職金の所得は(退職金−退職所得控除額)×1/2で計算し、ほかの所得と分けて税金を計算します。控除額は、勤続20年以下は40万円×勤続年数(最低80万円)、20年超は800万円+70万円×(勤続年数−20年)。勤続30年なら1,500万円です。「退職所得の受給に関する申告書」を出せば会社が源泉徴収するので原則として確定申告は不要、出さないと20.42%が源泉徴収されます。2026年1月以後はiDeCoなどの一時金との調整期間が9年に延びました。住民税は、東京23区では退職所得の6%(特別区民税)と4%(都民税)です。

メル美転職するとき退職金をもらえるんだけど、税金ってどれくらい引かれるの?

プレ男退職金は税金がすごく優遇されてるって聞いたことある!
今回は、退職金にかかる税金です。国税庁のタックスアンサー(No.1420・No.2260、令和8年4月1日現在の法令等)、国税庁の「源泉徴収のあらまし」(令和8年版)の改正の説明、千代田区の退職所得の住民税の案内で確認した内容をまとめました。
計算のしくみ
退職金の所得(退職所得)は、次のように計算します。
退職所得の金額 =(退職金 − 退職所得控除額)× 1/2
- 退職所得控除を引いたうえで、さらに半分にしてから税金をかけます
- 退職所得は、原則としてほかの所得と分けて税金を計算します(分離課税。→分離課税)
- 解雇予告手当や、iDeCo(個人型)・企業型の確定拠出年金の老齢一時金なども、退職所得として扱われます
退職所得控除の額
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 20年以下 | 40万円 × 勤続年数(80万円に満たないときは80万円) |
| 20年超 | 800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年) |
- 勤続年数の1年未満の端数は1年に切り上げます(10年2か月なら11年 → 440万円)
- 勤続30年なら、800万円+70万円×10年=1,500万円
- 障害者になったことが直接の原因で退職したときは、さらに100万円加えます

プレ男30年勤めたら、1,500万円までは税金がかからないのか!
半分にならない場合
- 役員など(取締役、議員、公務員など)として5年以下勤めた人の退職金(特定役員退職手当等)は、1/2にしません
- 役員以外でも、勤続5年以下の退職金(短期退職手当等)は、控除後の額のうち300万円を超える部分は1/2にしません
計算の例
勤続30年、退職金2,000万円(役員ではない、「退職所得の受給に関する申告書」を出している)の場合:
- 退職所得控除:1,500万円
- 退職所得:(2,000万円 − 1,500万円)× 1/2 = 250万円
- 所得税:250万円 × 10% − 9万7,500円 = 15万2,500円(所得税の速算表。このほか復興特別所得税として2.1%)
- 住民税(東京23区):250万円 × 6%(特別区民税)+ 250万円 × 4%(都民税)= 25万円
→ 税金の合計は約40万円。退職金2,000万円の約2%です

メル美2,000万円もらって、税金は約40万円なんだ。たしかに優遇されてるね。
「退職所得の受給に関する申告書」を忘れずに
| 源泉徴収 | 確定申告 | |
|---|---|---|
| 申告書を出した | 会社が退職所得の金額に応じた税額を計算して源泉徴収 | 原則不要 |
| 申告書を出していない | 退職金の20.42%を源泉徴収 | 自分で確定申告して精算 |
- 申告書を出していても、医療費控除などで確定申告をするときは、退職所得の金額も書く必要があります(→医療費控除)
- 2027年(令和9年)以後は、所得税・防衛特別所得税・復興特別所得税になりますが、合計の税率は変わらず、源泉徴収の計算方法も変わらないと国税庁は説明しています
iDeCoの一時金と退職金(2026年からの改正)
- 退職金とiDeCoなどの老齢一時金を両方受け取るときは、勤続期間が重なる分の控除を調整するルールがあります
- 令和7年度の税制改正で、2026年(令和8年)1月1日以後に受け取る老齢一時金について、退職金を受け取る年の前年以前9年内(改正前は4年内)に老齢一時金を受け取っていた場合も、この調整の対象になりました
住民税
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退職所得の住民税も、ほかの所得と分けて計算し、退職金を払う会社が支払いのときに特別徴収します
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東京23区では、退職所得の金額 × 6%(特別区民税)+ × 4%(都民税)(千代田区の案内、令和4年1月1日以降適用)
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納める先は、退職金が支払われた年の1月1日に住んでいた区市町村です
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住民税のしくみは住民税にまとめています

国税庁のタックスアンサーでは、「退職所得の受給に関する申告書」を出していないと、退職金の20.42%が源泉徴収されます。退職のときは、会社から渡される書類を確認しておきましょう。
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iDeCoの掛金・運用・受け取りの税金は、iDeCoの税金にまとめています
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年の途中で辞めたときの所得税の還付は、年の途中で会社を辞めたときの税金もどうぞ
まとめ
- 退職所得 =(退職金 − 退職所得控除)× 1/2、ほかの所得と分けて計算
- 控除は勤続20年まで1年40万円、20年超は1年70万円(30年で1,500万円)
- 申告書を出せば確定申告は原則不要、出さないと20.42%の源泉徴収
- 住民税は23区で6%+4%。2026年からiDeCo一時金との調整期間が9年に
参考文献
- 国税庁. No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得)(令和8年4月1日現在法令等). https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1420.htm (閲覧日:2026年10月4日)
- 国税庁. No.2260 所得税の税率(令和8年4月1日現在法令等). https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm (閲覧日:2026年10月4日)
- 国税庁. 源泉徴収のあらまし(令和8年版) 税制改正等の内容. https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2026/pdf/01.pdf (閲覧日:2026年10月4日)
- 千代田区. 退職所得にかかる住民税の計算・納入について(2023年1月25日更新). https://www.city.chiyoda.lg.jp/koho/kurashi/zekin/tetsuzuki/taishokushotoku-keisan.html (閲覧日:2026年10月4日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。