株式分割と投資単位:1株を2株などに分けて、1単元(100株)の値段を下げること。東証は「望ましい投資単位」を50万円未満とし、2026年3月末で93.4%の会社が達成。トヨタ(5分割)、任天堂(10分割)、ソニー(5分割)も実施
株式分割と投資単位のしくみを、会社法183条(e-Gov)、日本取引所グループ(JPX)の「投資単位の引下げ / 株式分割の仕組み・効果」、各社の有価証券報告書でまとめました。株式分割は、会社が取締役会などの決議で株式を分けること。東証は個人投資家が投資しやすいよう、望ましい投資単位を50万円未満とし、50万円以上の会社には事業年度経過後3か月以内に引下げの考え方・方針の開示を義務づけています。2026年3月末で93.4%の会社が50万円未満。東証は2022年10月27日と2026年7月28日に、50万円以上の会社に株式分割の検討を要請しました。分割しても会社の価値は変わらないのが原則です。

プレ男「株式分割を発表」ってニュースで株価が上がってた! 株が2倍に増えるなら、2倍もうかるってこと?

メル美ピザを2つに切っても、ピザの量は増えないよね…?
今回は、株式分割と投資単位です。会社法183条(e-Gov法令検索)、日本取引所グループ(JPX)「投資単位の引下げ / 株式分割の仕組み・効果」、トヨタ・任天堂・ソニーの有価証券報告書で確認しました。
この記事はしくみの説明です。株式分割を発表した銘柄の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
株式分割とは
- 会社法183条は、株式会社は「株式の分割をすることができる」とし、その都度、株主総会(取締役会のある会社は取締役会)の決議で、分割で増える株式の数などを決めるとしています
- たとえば1株を2株に分けると、株主が持つ株の数は2倍になります
価値は増えない
- 会社そのもの(事業・資産・利益)は、分割しても変わりません。株の数が増えた分、1株あたりの値段は理論上その比率で下がります
- 例:株価4,000円の株を100株(40万円)持っていて、1株→2株に分割すると、理論上は株価2,000円×200株=40万円
- 1株あたりの配当や利益も、分割の比率で調整されます
東証の「望ましい投資単位」:50万円未満
- 日本の株は100株単位で売買します(→株式投資の基礎)。株価が高いと、1単元(投資単位)の金額が大きくなり、個人が買いにくくなります
- JPXによると、東証は個人投資家が投資しやすい環境を整えるため、望ましい投資単位を「50万円未満」と明示しています
- 50万円以上で売買されている会社には、事業年度が終わってから3か月以内に、50万円未満にするための考え方と方針の開示を義務づけています
- 2026年3月末時点で93.4%の会社が50万円未満です
東証からの要請
| 日付 | 内容 |
|---|---|
| 2022年10月27日 | 投資単位が50万円以上の会社に、投資単位の引下げの検討を要請 |
| 2026年7月28日 | 50万円以上の会社に、改めて株式分割の検討を要請。あわせて「更なる少額投資の実現に向けた制度・実務ワーキング・グループ」を設置 |

プレ男分割は「もうかる」じゃなくて「買いやすくなる」ってことなんだ
実際の例(有価証券報告書より)
| 会社 | 分割 | 効力発生日 |
|---|---|---|
| トヨタ自動車 | 1株→5株 | 2021年10月1日 |
| 任天堂 | 1株→10株 | 2022年10月1日 |
| ソニーグループ | 1株→5株 | 2024年10月1日 |
- どの会社も、有報の「主要な経営指標等の推移」で、分割前の年度の1株あたりの数字を分割があったと仮定して計算し直して載せています。昔の数字と比べるときは、この注記を確認しましょう
- 企業分析はトヨタの強みとは、任天堂の強みとは、ソニーの強みとはへ
- 投資単位が大きい会社の例として、キーエンスは2026年3月期の最低株価4万9,780円で、100株なら約500万円でした(→キーエンスの強みとは)
気をつけたいこと
- 分割の発表で株価が動くことはありますが、分割そのものが会社の価値を増やすわけではありません
- 分割の基準日の前後は、配当・株主優待と権利確定日と同じように「権利落」が関係します。分割の権利を受けるには、基準日に株主名簿にのっている必要があります
- 分割で株数が増えると、株主優待の条件(○株以上)が変わることがあります。会社の発表を確認しましょう
まとめ
- 株式分割は、1株を複数の株に分けること(会社法183条)。会社の価値は変わらない
- 東証の望ましい投資単位は50万円未満。50万円以上の会社には考え方・方針の開示が義務
- 2026年3月末で93.4%の会社が50万円未満。2026年7月28日に改めて分割の検討を要請
- トヨタ(5分割)、任天堂(10分割)、ソニー(5分割)などが実施
- 昔の1株あたりの数字と比べるときは、分割の調整に注意
参考文献
- e-Gov法令検索. 会社法(平成十七年法律第八十六号)第183条. https://laws.e-gov.go.jp/law/417AC0000000086 (閲覧日:2026年10月6日)
- 日本取引所グループ. 投資単位の引下げ / 株式分割の仕組み・効果. https://www.jpx.co.jp/equities/listing/company-split/index.html (閲覧日:2026年10月6日)
- トヨタ自動車. 有価証券報告書(2026年3月期). https://global.toyota/pages/global_toyota/ir/library/securities-report/archives/archives_2026_03.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
- 任天堂. 第86期 有価証券報告書(2026年6月25日提出). https://www.nintendo.co.jp/ir/pdf/2026/security_q2603.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
- ソニーグループ. 有価証券報告書(2025年度). https://www.sony.com/ja/SonyInfo/IR/library/r7_q4.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。