シチズン時計の強みとは:「シチズン」「ブローバ」の時計が売上の約57%、営業利益の約7割。CNC自動旋盤の工作機械、デバイスも。2026年3月期は営業利益302億円(+46.9%)、北米の時計と自社ECが伸びる
シチズン時計を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日、東証の適時開示)で分析しました。売上高3,468億円(+9.4%)、営業利益302億円(+46.9%、営業利益率8.7%)、経常利益384億円(+67.0%、為替差益の増加など)、親会社株主に帰属する当期純利益311億円(+30.3%、過年度関税等を計上した一方、投資有価証券売却益59億円や繰延税金資産の見直し)、ROE11.3%、自己資本比率62.6%。セグメントは、時計(売上高1,970億円・+10.0%、営業利益250億円・+38.1%、北米の「シチズン」「ブローバ」と自社EC、機械式ムーブメント)、工作機械(CNC自動旋盤、売上高862億円・+16.1%、営業利益77億円、中国の半導体関連が大きく伸長)、デバイス(売上高634億円、営業利益37億円)。年47円の配当、2027年3月期は営業利益345億円・年50円の予想。カシオ計算機との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男シチズンって、時計だけの会社?

メル美決算短信を見ると、時計が中心だけど、細かい部品を削る工作機械(CNC自動旋盤)や、自動車部品などのデバイスもあるんだって
企業分析の連載、203社目はシチズン時計です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のカシオ計算機の強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、シチズン時計株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の商品をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
「シチズン」「ブローバ」などの腕時計とムーブメント(時計の駆動部)の「時計」、CNC自動旋盤の「工作機械」、自動車部品・水晶デバイス・セラミックス・小型モーターなどの「デバイス」を手がける会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 3,468億円 | +9.4% |
| 営業利益 | 302億円 | +46.9% |
| 営業利益率 | 8.7% | 前期 6.5% |
| 経常利益 | 384億円 | +67.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 311億円 | +30.3% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 11.3% | 前期 9.5% |
| 自己資本比率 | 62.6% | 前期 61.6% |
| 配当 | 年47円(配当性向36.9%) | 前期 45円 |
- 経常利益は、為替差益の増加などで大きく増えました
- 当期純利益は、過年度関税等を計上した一方、投資有価証券売却益59億円や繰延税金資産の回収可能性の見直しの影響などで増えました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 時計 | 北米は「シチズン」のグローバルサブブランドや「ブローバ」、自社ECが大きく伸長、機械式ムーブメントが好調、国内はインバウンド向けが想定を下回る | 1,970億円(+10.0%) | 250億円(+38.1%) |
| 工作機械 | CNC自動旋盤、国内は自動車関連が低迷、中国の半導体関連が大きく伸長 | 862億円(+16.1%) | 77億円(+36.4%) |
| デバイス | 自動車部品は微増収、光通信向けのセラミックスが好調 | 634億円(+0.2%) | 37億円(+26.9%) |
- 売上高の約57%が時計、3つのセグメントの営業利益の合計365億円のうち約69%が時計です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 北米の時計と自社EC
- 北米では、「プロマスター」「アテッサ」などのグローバルサブブランドの販売拡大や、「ブローバ」の創業150周年のマーケティング施策で増収でした。時計の営業利益は、北米の売上の増加に加え、自社EC比率の向上と販売単価の上昇で+38.1%でした
② ムーブメントの外部販売
- 時計の駆動部であるムーブメントの販売は、機械式ムーブメントが需要の高まりを背景に各地域で好調でした
③ 工作機械
- CNC自動旋盤の工作機械は、中国の半導体関連の旺盛な需要などで売上高+16.1%でした
4. 弱み・リスク
① 関税
- 当期は過年度関税等を計上しました。会社は、北米経済について、関税コストによる物価上昇などが見られるとしています
② 国内とアジアの時計
- 国内の「シチズン」はインバウンド向けの販売が想定を下回って減収、アジアもその他のアジア地域が低調で減収でした
③ 一度きりの利益
- 当期純利益には投資有価証券売却益などが含まれます。2027年3月期の当期純利益は275億円(−11.6%)の予想です
5. ライバルとの比較
同じく時計の会社のカシオ計算機と並べます。どちらも日本基準・2026年3月期です。
| シチズン時計 | カシオ計算機 | |
|---|---|---|
| 売上高 | 3,468億円(+9.4%) | 2,763億円(+5.5%) |
| 営業利益 | 302億円(+46.9%) | 231億円(+62.1%) |
| 営業利益率 | 8.7% | 8.4% |
| ROE | 11.3% | 8.0% |
| 自己資本比率 | 62.6% | 66.9% |
- 利益率は近い水準です。シチズンは時計と工作機械・デバイス、カシオは時計と電卓・電子辞書・電子楽器の組み合わせです(→カシオ計算機の強みとは)。工作機械にかかわる会社はファナックの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
シチズン時計の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 時計の営業利益 | 250億円 | 決算短信(セグメント別) |
| 工作機械の売上高・営業利益 | 862億円・77億円 | 決算短信(セグメント別) |
| 関税の影響 | 過年度関税等を計上 | 決算短信(経営成績の概況) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高3,620億円、営業利益345億円、当期純利益275億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年47円、2027年3月期予想50円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ。海外で稼ぐ会社の為替の見方は外国株と為替も

プレ男北米の時計と自社ECが伸びたんだね。関税と工作機械の動きも見ておこう
まとめ
- シチズン時計は、時計・工作機械・デバイスの会社
- 2026年3月期は営業利益302億円(+46.9%)、ROE11.3%
- 売上高の約57%、営業利益の約69%が時計
- 北米の「シチズン」「ブローバ」と自社ECが伸びる
- 2027年3月期は営業利益345億円・年50円の予想
参考文献
- シチズン時計. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/77620/140120260512527246.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- カシオ計算機. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/69520/140120260513530939.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。