アマダの強みとは:金属の板を加工する板金の部門が売上の約7割。2026年3月期はM&Aとデータセンター関連の投資で売上収益4,374億円(+10.3%)、米国関税や人件費で営業利益448億円(−8.7%)
アマダを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益4,374億円(+10.3%)、営業利益448億円(−8.7%、営業利益率10.2%)、親会社の所有者に帰属する当期利益306億円(−5.7%)、ROE5.8%、親会社所有者帰属持分比率69.4%。事業別は金属加工機械3,265億円(うち板金部門2,969億円、営業利益373億円)、金属工作機械883億円(+35.5%、プレス部門は2025年5月に加わったエイチアンドエフで+120.5%)、その他225億円(ビアメカニクスを新たに連結)。板金部門は海外が66.4%で、北米は米国のデータセンターやインフラ関連の投資で+4.6%、欧州は−4.9%。ビアメカニクスの株式取得の借入で負債が増加。年62円の配当(配当性向64.1%)、2027年3月期は売上収益4,600億円・営業利益480億円・年64円の予想。ファナックとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美アマダって、どんな機械をつくっている会社?

プレ男決算短信だと、金属の板を加工する「板金」の機械が中心なんだって。データセンター向けの配電盤やサーバーラックをつくるお客さんの投資が多かったみたい
企業分析の連載、283社目はアマダです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のファナックの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、アマダ株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
板金(金属の板の加工)の機械を中心とする「金属加工機械事業」と、切削・研削盤やプレスの「金属工作機械事業」の会社。板金部門の売上の6割以上が海外
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 4,374億円 | +10.3% |
| 営業利益 | 448億円 | −8.7% |
| 営業利益率(決算短信の値) | 10.2% | 前期 12.4% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 306億円 | −5.7% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 5.8% | 前期 6.2% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 69.4% | 前期 79.9% |
| 配当 | 年62円(配当性向64.1%) | 前期 62円 |
- 売上は、M&Aによる事業の寄与と、AIの普及にともなうデータセンター関連の投資で増えました。営業利益は、既存事業での米国の関税や人件費の上昇などで減りました
2. 何で稼いでいるか
| 事業・部門 | 売上収益 | 前期比 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| 金属加工機械事業 | 3,265億円 | −1.1% | 373億円(−7.6%) |
| うち板金部門 | 2,969億円 | −0.5% | — |
| うち微細溶接部門 | 296億円 | −7.3% | — |
| 金属工作機械事業 | 883億円 | +35.5% | 92億円(+32.8%) |
| うち切削・研削盤部門 | 454億円 | −0.7% | — |
| うちプレス部門 | 429億円 | +120.5% | — |
| その他(ビアメカニクスなど、不動産賃貸) | 225億円 | — | −17億円 |
| 板金部門の地域別 | 売上収益 | 前期比 |
|---|---|---|
| 日本 | 998億円 | −2.4% |
| 北米 | 938億円 | +4.6% |
| 欧州 | 663億円 | −4.9% |
| アジア他 | 370億円 | +1.0% |
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① データセンター関連の需要
- 日本では配電盤・制御盤、サーバーラックなどデータセンター向けが堅調で、米国でもデータセンターやインフラ関連の設備投資が活況でした
② M&Aによる拡大
- 2025年5月にエイチアンドエフグループがプレス事業に加わり、プレス部門の売上は2倍以上になりました。ビアメカニクスとその子会社も新たに連結しました
③ 海外の売上
- 板金部門の売上の66.4%が海外です
4. 弱み・リスク
① 関税と人件費
- 既存事業では、米国の関税や人件費の上昇などのコスト増で、営業利益が−8.7%でした
② 欧州と日本の需要
- 欧州はドイツ・フランス・北欧などで苦戦し、日本では産業機械・工作機械・建設機械向けが軟調でした。国内のプレスは、EVの減速などで自動車関連の設備投資が控えられました
③ 借入の増加
- ビアメカニクスの株式取得に借入金を使い、負債は1,056億円増えました。親会社所有者帰属持分比率は79.9%から69.4%に下がりました
5. ライバルとの比較
工場の自動化にかかわるファナックと並べます。会計基準(ファナックは日本基準)と主な製品が違うので、おおまかな比較です。
| アマダ | ファナック | |
|---|---|---|
| 売上収益(売上高) | 4,374億円(+10.3%) | 8,578億円(+7.6%) |
| 営業利益 | 448億円(−8.7%) | 1,838億円(+15.7%) |
| 営業利益率 | 10.2% | 21.4% |
| ROE | 5.8% | 9.3% |
| 自己資本(親会社所有者帰属持分)比率 | 69.4% | 89.2% |
- ファナックのくわしい中身はファナックの強みとは、工場で物を運ぶシステムはダイフクの強みとはへ
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
アマダの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 板金部門の地域別の売上収益 | 北米938億円、欧州663億円など | 決算短信(事業別・地域別の概況) |
| 金属加工機械事業の営業利益 | 373億円 | 決算短信(事業別) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上収益4,600億円、営業利益480億円、当期利益340億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年62円、2027年3月期予想64円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男データセンターの建設が、工場の機械の会社にも関係しているんだね。買収した会社の利益も見ておこう
まとめ
- アマダは、板金の機械を中心とする金属加工の機械の会社
- 2026年3月期は売上収益4,374億円(+10.3%)、営業利益448億円(−8.7%)
- データセンター関連の投資とM&Aで増収、関税と人件費で減益
- プレス部門はエイチアンドエフの加入で2倍以上
- 2027年3月期は営業利益480億円・年64円の予想
参考文献
- アマダ. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/61130/140120260513530498.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- ファナック. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月24日). https://www.fanuc.co.jp/ja/ir/announce/pdf/2026/financialresult202603.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。