安川電機の強みとは:ACサーボモータ・インバータのモーションコントロールと産業用ロボットが営業利益の約86%。2026年2月期は売上収益5,421億円(+0.8%)・営業利益473億円(−5.7%)、2027年2月期は600億円(+26.8%)の予想
安川電機を、2026年2月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月10日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益5,421億円(+0.8%)、営業利益473億円(−5.7%、営業利益率8.7%、為替影響と間接費の増加)、親会社の所有者に帰属する当期利益352億円(−38.2%、前期の煙台東星磁性材料の株式譲渡益などの反動)、ROE7.7%、親会社所有者帰属持分比率59.5%。セグメントの営業利益は、モーションコントロール244億円(+6.0%、電子部品・工作機械市場向け、AI関連投資)、ロボット204億円(−14.0%、自動車向けは日本・米州・欧州で減少、中国・アジアは大口案件)、システムエンジニアリング50億円(+8.3%)。年68円の配当(配当性向50.0%)、2027年2月期は売上収益5,800億円・営業利益600億円・年72円の予想。ファナック・オムロンとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美安川電機って、工場のロボットの会社だよね

プレ男決算短信を見ると、ロボットと同じくらい、機械を動かすモータやインバータの事業で稼いでいるんだって
企業分析の連載、172社目は安川電機です。2026年2月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月10日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のファナックの強みとは・オムロンの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、安川電機株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
ACサーボモータ・コントローラとインバータの「モーションコントロール」、産業用ロボットの「ロボット」、鉄鋼プラント・社会システム向けの「システムエンジニアリング」を手がける会社
| 項目(IFRS・連結) | 2026年2月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 5,421億円 | +0.8% |
| 営業利益 | 473億円 | −5.7% |
| 営業利益率 | 8.7% | 前期 9.3% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 352億円 | −38.2% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 7.7% | 前期 13.7% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 59.5% | 前期 58.0% |
| 配当 | 年68円(配当性向50.0%) | 前期 68円 |
- 営業利益は、売上の増加で付加価値が増えたものの、為替の影響と間接費の増加をカバーできず減りました
- 当期利益が大きく減ったのは、前期に煙台東星磁性材料の株式の一部譲渡にともなう譲渡益などを計上していた反動です
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な動き(決算短信の記載) | 売上収益 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| モーションコントロール | ACサーボは電子部品・工作機械市場向けが好調、インバータは米国の空調(データセンタ向けを含む)が増加 | 2,361億円(−1.1%) | 244億円(+6.0%) |
| ロボット | 自動車向けは日本・米州・欧州で減少、中国・アジアは大口案件、一般産業向けは堅調 | 2,470億円(+4.0%) | 204億円(−14.0%) |
| システムエンジニアリング | 鉄鋼プラント・社会システム向け | 387億円(+1.0%) | 50億円(+8.3%) |
| その他 | 物流サービスなど | 203億円(−12.3%) | 20億円(+24.9%) |
- セグメントの営業利益の合計518億円のうち、モーションコントロールが約47%、ロボットが約39%です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① モーションコントロールとAI関連投資
- ACサーボモータ・コントローラは、AI関連投資にけん引された電子部品・工作機械市場向けが好調でした。半導体市場も期の後半に回復の動きが強まり、第4四半期の売上は想定を上回ったとしています
② ロボットの幅広い用途
- 自動車向けが軟調な中でも、一般産業向けの需要をグローバルで取り込み、ロボットの売上収益は+4.0%でした。会社は、自律型のAIロボット「MOTOMAN NEXT」の適用市場の拡大などに取り組むとしています
③ 2027年2月期の回復の見通し
- 2027年2月期は、売上収益5,800億円(+7.0%)、営業利益600億円(+26.8%)の予想です
4. 弱み・リスク
① 自動車向けの投資
- 日本・米州・欧州で自動車関連の設備投資が軟調で、ロボットの営業利益は大口案件の付加価値の影響もあり14.0%減りました
② 為替と間接費
- 為替の影響と間接費の増加で、営業利益が減りました
③ 関税と地政学
- 会社は、地政学的リスクや米国の関税政策などで、投資案件の延期や見直しが起こる状況だったとしています
5. ライバルとの比較
工場の自動化の会社と並べます。会計基準(ファナックは日本基準、オムロンは米国基準)と決算期(安川電機は2月期、ほか2社は3月期)が違うので、おおまかな比較です。
| 安川電機(2026年2月期) | ファナック(2026年3月期) | オムロン(2026年3月期) | |
|---|---|---|---|
| 売上(売上収益) | 5,421億円(+0.8%) | 8,578億円(+7.6%) | 7,674億円(+7.3%) |
| 営業利益 | 473億円(−5.7%) | 1,838億円(+15.7%) | 599億円(+12.1%) |
| 営業利益率 | 8.7% | 21.4% | 7.8% |
| 自己資本(帰属持分・株主資本)比率 | 59.5% | 89.2% | 55.1% |
- 利益率と財務はファナックが大きく上回ります(→ファナックの強みとは、オムロンの強みとは)。工場・プラントの制御は横河電機の強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
安川電機の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年2月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| モーションコントロールの営業利益 | 244億円 | 決算短信(セグメント別の状況) |
| ロボットの営業利益 | 204億円 | 決算短信(セグメント別の状況) |
| 地域別の需要(半導体・自動車) | 決算短信の地域別の経営環境 | 決算短信(経営成績の概況) |
| 会社の業績予想 | 2027年2月期 売上収益5,800億円、営業利益600億円、当期利益470億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年68円、2027年2月期予想72円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

メル美ロボットだけじゃなくて、サーボモータやインバータも大きな柱なのね。半導体と自動車の投資の動きを見ておきたいな
まとめ
- 安川電機は、モーションコントロールとロボットが中心の会社
- 2026年2月期は営業利益473億円(−5.7%)
- 営業利益の約86%がモーションコントロールとロボット
- モーションコントロールはAI関連投資で増益、ロボットは自動車向けが軟調
- 2027年2月期は営業利益600億円(+26.8%)・年72円の予想
参考文献
- 安川電機. 2026年2月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月10日). https://www2.jpx.co.jp/disc/65060/140120260410501758.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- ファナック. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月24日). https://www.fanuc.co.jp/ja/ir/announce/pdf/2026/financialresult202603.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- オムロン. 2026年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/66450/140120260513529706.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。