横河電機の強みとは:流量計・圧力伝送器などのセンサから生産制御システムまでの「制御事業」が営業利益の9割。2026年3月期は売上高6,048億円(+7.5%)・営業利益826億円(−1.2%)。大型案件の売上の一方、粗利率が悪化
横河電機を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月7日、東証の適時開示)で分析しました。売上高6,048億円(+7.5%、前期までに受注した大型案件の売上)、営業利益826億円(−1.2%、営業利益率13.6%、ビジネス構成比の変動、一部地域での市場価格の下落、戦略的な案件の受注にともなう一過性の工事損失引当金で粗利率が悪化)、親会社株主に帰属する当期純利益581億円(+11.5%、前期ののれん等の減損の反動)、ROE11.8%、自己資本比率65.4%。受注高は6,178億円。セグメントの営業利益は、制御752億円(売上高5,655億円)、測定器78億円、新事業他は4億円の損失。年78円の配当(前期58円)、2027年3月期は中東情勢の影響を織り込み売上高6,150億円・営業利益850億円・年92円の予想。オムロン・SMCとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男横河電機って、何をつくっている会社なの?

メル美決算短信を見ると、工場やプラントの流量計・圧力のセンサから、生産を制御するシステムまでを提供しているんだって
企業分析の連載、132社目は横河電機です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月7日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のオムロンの強みとは・SMCの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、横河電機株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
工場・プラント向けに、流量計・圧力伝送器・分析計などのセンサから生産制御システム、ソフトウエア、ライフサイクルのサービスまでを提供する会社(制御事業が中心)
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 受注高 | 6,178億円 | ー |
| 売上高 | 6,048億円 | +7.5% |
| 営業利益 | 826億円 | −1.2% |
| 営業利益率 | 13.6% | 前期 14.9% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 581億円 | +11.5% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 11.8% | 前期 11.5% |
| 自己資本比率 | 65.4% | 前期 65.1% |
| 配当 | 年78円(配当性向34.3%) | 前期 58円 |
- 売上高は、前期までに受注した大型案件の売上の寄与などで増えました
- 営業利益は、ビジネス構成比の変動、一部地域での市場価格の下落、戦略的な案件の受注にともなう一過性の工事損失引当金などで粗利率が悪化し、わずかに減りました
- 当期純利益が増えたのは、前期にのれん等の減損損失があった反動です
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 中身(決算短信の記載) | 受注高 | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|---|
| 制御 | 流量計・差圧/圧力伝送器・プロセス分析計、生産制御システム、ソフトウエア、サービス | 5,709億円 | 5,655億円 | 752億円 |
| 測定器 | 波形測定器、光通信関連測定器、信号発生器など | 420億円 | 340億円 | 78億円 |
| 新事業他 | 産業用IoTのソリューションなど | 50億円 | 53億円 | −4億円 |
- 営業利益の約9割が制御事業です(計算値)
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① センサから制御システムまで
- 現場のセンサから生産制御システム、ソフトウエア、プラントのライフサイクルコストを最小化するサービスまで、総合的なソリューションを提供しています
② 厚い財務
- 自己資本比率は65.4%、現金及び現金同等物は2,085億円です
③ エネルギー・トランジションの需要
- 会社は、エネルギー・トランジションを背景とした中長期的な需要は底堅いと見込んでいます
4. 弱み・リスク
① 粗利率の悪化
- 一部地域での市場価格の下落や、戦略的な案件の工事損失引当金で粗利率が悪化しました
② 中東情勢などの地政学リスク
- 会社は、中東情勢などの地政学リスクや中国経済の停滞の長期化を挙げ、2027年3月期の売上高の増加は限定的になると見込んでいます
③ 為替
- 米ドル・ユーロ・アジア通貨・中東通貨などの為替の変動を、業績に影響する要因に挙げています
5. ライバルとの比較
工場の自動化・制御にかかわるオムロン・SMCと比べます。決算期は同じ3月期ですが、会計基準(オムロンは米国基準)や製品が違うので、おおまかな比較です。
| 横河電機 | オムロン | SMC | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 6,048億円(+7.5%) | 7,674億円(+7.3%) | 8,425億円(+6.4%) |
| 営業利益 | 826億円(−1.2%) | 599億円(+12.1%) | 1,906億円(+0.2%) |
| 営業利益率 | 13.6% | 7.8% | 22.6% |
| 自己資本(株主資本)比率 | 65.4% | 55.1% | 91.5% |
- 利益率は、オムロンより高く、SMCより低い水準です(→オムロンの強みとは、SMCの強みとは)。センサの会社はキーエンスの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
横河電機の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 受注高 | 6,178億円 | 決算短信(業績の概況) |
| 制御事業の営業利益 | 752億円 | 決算短信(セグメント別) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 受注高6,450億円、売上高6,150億円、営業利益850億円 | 決算短信(連結業績予想) |
| 配当 | 年78円、2027年3月期予想92円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男工場やプラントの制御が中心なんだね。受注高と、粗利率が戻るかどうかを見ておこう
水処理の会社は栗田工業の強みとはも参考にしてください。
まとめ
- 横河電機は、センサから生産制御システムまでの制御事業が中心の会社
- 2026年3月期は売上高6,048億円(+7.5%)、営業利益826億円(−1.2%)
- 営業利益の約9割が制御事業
- 減益の理由は粗利率の悪化(市場価格の下落、工事損失引当金など)
- 2027年3月期は中東情勢を織り込み、営業利益850億円・年92円の予想
参考文献
- 横河電機. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月7日). https://www2.jpx.co.jp/disc/68410/140120260507517451.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- オムロン. 2026年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/66450/140120260513529706.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- SMC. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/62730/140120260513531318.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。