SMCの強みとは:工場の自動化に使う空気圧(空圧)機器などの自動制御機器の単一事業。2026年3月期は売上高8,425億円(+6.4%)・営業利益1,906億円(営業利益率22.6%)、自己資本比率91.5%。売上の約28%が中国向け。2027年3月期は売上高1兆円の予想
SMCを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日、東証の適時開示)で分析しました。売上高8,425億円(+6.4%)、営業利益1,906億円(+0.2%、営業利益率22.6%、原価率の上昇と人件費・減価償却費の増加で前期並み)、経常利益2,356億円(+12.2%、為替差益の増加)、親会社株主に帰属する当期純利益1,673億円(+7.0%)、ROE8.3%、自己資本比率91.5%。事業は自動制御機器の単一セグメント。仕向地別では中国2,349億円が最大で、日本1,588億円、欧州1,623億円、アジア(中国を除く)1,590億円、米国837億円。半導体・電機関連は中華圏が好調、日本・北米・韓国の半導体関連は年度後半から回復、自動車関連は北米・日本・欧州で設備投資の先送り。設備投資は1,503億円(+39.4%)。年1,000円の配当、2027年3月期は1ドル155円の前提で売上高1兆円・営業利益2,190億円の予想。キーエンス・ファナックとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男SMCって、名前は聞くけど何をつくっている会社なの?

メル美工場の機械を動かす「自動制御機器」なんだって。決算短信には、空気の消費量を減らす提案の話も出てくるよ
企業分析の連載、93社目はSMCです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のキーエンスの強みとは・ファナックの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、SMC株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
工場の自動化に使う自動制御機器(空気圧で動く機器と、温調機器などの「非空圧製品」)を、世界中の工場に売る会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 8,425億円 | +6.4% |
| 営業利益 | 1,906億円 | +0.2% |
| 営業利益率 | 22.6% | 前期 24.0% |
| 経常利益 | 2,356億円 | +12.2% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,673億円 | +7.0% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 8.3% | 前期 8.2% |
| 自己資本比率 | 91.5% | 前期 91.8% |
| 配当 | 年1,000円(配当性向37.9%) | 前期 1,000円 |
- 事業は「自動制御機器事業」の単一セグメントです
- 営業利益は、原価率の上昇と人件費・減価償却費の増加で、前期並みでした。経常利益の増加は、主に為替差益によるものです
2. 何で稼いでいるか
仕向地別(お客さまの所在地別)の売上高
| 地域 | 売上高 | 全体に占める割合(計算値) |
|---|---|---|
| 中国 | 2,349億円 | 約28% |
| 欧州 | 1,623億円 | 約19% |
| アジア(中国を除く) | 1,590億円 | 約19% |
| 日本 | 1,588億円 | 約19% |
| 米国 | 837億円 | 約10% |
| その他 | 439億円 | 約5% |
- 売上の8割以上が海外で、いちばん大きいのは中国です
業種ごとの需要(決算短信の記載)
- 半導体・電機関連:中華圏は家電・液晶などデジタル機器関連を中心に好調、日本・北米・韓国の半導体関連は年度後半から回復
- 自動車関連:中華圏のEV関連は底堅い一方、北米・日本・欧州は設備投資の先送りが続いた
- 工作機械関連:中華圏・日本を中心に堅調
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 高い利益率と厚い財務
- 営業利益率22.6%、自己資本比率91.5%、現金及び現金同等物は5,738億円です
② 積極的な設備投資
- 製品の供給能力の拡大、BCP(事業継続計画)にもとづく生産の複線化、開発能力の強化のために、設備投資は1,503億円(+39.4%)でした。研究開発費は400億円(+19.9%)です
③ さまざまな業種への販売
- 半導体・電機、自動車、工作機械、医療機器、食品機械など、多くの業種に売っています
4. 弱み・リスク
① 中国への依存
- 売上高の約28%が中国向けです。中国の設備投資の動きに左右されます
② コストの上昇
- 原価率の上昇と人件費・減価償却費の増加で、営業利益率は24.0%→22.6%に下がりました。2027年3月期は減価償却費が623億円(+38.9%)に増える予想です
③ 為替と地政学
- 会社は、2027年3月期も中東情勢などの地政学リスク、米国の政策動向、為替変動などで、不透明な状況が続くとしています
5. ライバルとの比較
工場の自動化にかかわるキーエンス(センサなど)・ファナック(工作機械のNC装置・ロボット)と比べます。製品が違い、決算期(キーエンスは3月20日)・会計基準も同じではないので、おおまかな比較です。
| SMC(2026年3月期) | キーエンス(第57期) | ファナック(2026年3月期) | |
|---|---|---|---|
| 売上高 | 8,425億円(+6.4%) | 1兆1,692億円(+10.4%) | 8,578億円(+7.6%) |
| 営業利益 | 1,906億円(+0.2%) | 5,957億円(+8.4%) | 1,838億円(+15.7%) |
| 営業利益率 | 22.6% | 51.0% | 21.4% |
| 自己資本比率 | 91.5% | 94.6% | 89.2% |
- 3社とも、自己資本比率が9割前後と財務がとても厚い会社です(→キーエンスの強みとは、ファナックの強みとは)。制御機器の会社はオムロンの強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
SMCの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 仕向地別の売上高(とくに中国) | 中国2,349億円 | 決算短信(決算補足資料) |
| 営業利益率 | 22.6% | 決算短信のサマリー |
| 設備投資額・減価償却費 | 1,503億円・448億円 | 決算短信(決算補足資料) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高1兆円、営業利益2,190億円(1ドル155円の前提) | 決算短信(今後の見通し) |
| 配当 | 年1,000円、2027年3月期予想1,000円 | 決算短信 |
- 会社は、足元では半導体関連の需要が各地域で回復し、自動車関連もハイブリッド車関連の需要増加を見込むとしています
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男工場の機械の部品で、売上の約3割が中国なんだね。半導体の回復で、来年は売上1兆円の予想か
工場・プラントの制御システムの会社は横河電機の強みとはも参考にしてください。
電動工具の会社はマキタの強みとはも参考にしてください。
工場の自動化にかかわるほかの会社はダイフクの強みとは・THKの強みとはも参考にしてください。
まとめ
- SMCは、自動制御機器の単一事業の会社。売上の8割以上が海外、最大は中国(約28%)
- 2026年3月期は売上高8,425億円、営業利益1,906億円(営業利益率22.6%)
- 自己資本比率91.5%と財務が厚い
- 設備投資を1,503億円に増やし、供給能力と生産の複線化を進める
- 2027年3月期は売上高1兆円、営業利益2,190億円の予想
参考文献
- SMC. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/62730/140120260513531318.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- キーエンス. 有価証券報告書 第57期(2025年3月21日〜2026年3月20日). https://www.keyence.co.jp/pdf/AnnualSecuritiesReport_202606_ja.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- ファナック. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月24日). https://www.fanuc.co.jp/ja/ir/announce/pdf/2026/financialresult202603.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。