マキタの強みとは:電動工具・園芸用機器を世界で売り、売上の約8割が海外、半分が欧州。40Vmaxの充電製品(XGT)が軸。2026年3月期は売上収益7,776億円(+3.2%)・営業利益1,047億円(−2.2%)、自己資本比率84.4%
マキタを、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日、東証の適時開示)で分析しました。売上収益7,776億円(+3.2%、為替の影響)、営業利益1,047億円(−2.2%、営業利益率13.5%、原価率は改善したが販売人員の増強と広告宣伝費が増加)、親会社の所有者に帰属する当期利益794億円(+0.1%)、ROE8.3%、親会社所有者帰属持分比率84.4%。地域別の売上収益(市場別)は、欧州3,901億円(+4.9%)、日本1,321億円(+3.9%)、北米787億円(−6.3%、住宅投資の鈍化と競争)、オセアニア567億円、中南米530億円、アジア477億円、中近東・アフリカ193億円で、海外が約83%。40Vmaxリチウムイオンバッテリ(XGT)シリーズの充電製品と、電動工具に次ぐ柱の充電式園芸用機器に注力。年150円の配当(前期110円)、2027年3月期は売上収益8,200億円・営業利益1,100億円の予想。SMCとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美マキタって、電動工具の会社だよね。日本でいちばん売れているの?

プレ男決算短信を見ると、売上の約8割は海外で、欧州だけで半分なんだって
企業分析の連載、200社目はマキタです。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のSMCの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、マキタ株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の商品をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
電動工具・園芸用機器などを世界の各地域で売り、部品・修理・アクセサリーも手がける会社
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益 | 7,776億円 | +3.2% |
| 営業利益 | 1,047億円 | −2.2% |
| 営業利益率 | 13.5% | 前期 14.2% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 794億円 | +0.1% |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | 8.3% | 前期 8.8% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 84.4% | 前期 83.7% |
| 配当 | 年150円(配当性向50.0%) | 前期 110円 |
- 売上収益は、米国の関税措置による市場の混乱や住宅需要の低迷があったものの、為替の影響で増えました
- 営業利益は、為替の影響や継続的なコストダウンで原価率が改善した一方、販売人員の増強や広告宣伝費の増加で減りました
2. 何で稼いでいるか
市場ごとの売上収益(決算短信の補足情報)です。
| 地域 | 主な動き(決算短信の記載) | 売上収益 |
|---|---|---|
| 欧州 | 建築・建設市場は低調、円安・現地通貨高の影響 | 3,901億円(+4.9%) |
| 日本 | 住宅着工数の減少、充電式園芸用機器とXGTシリーズが下支え | 1,321億円(+3.9%) |
| 北米 | 金利高などで住宅投資が鈍化、競争の激化 | 787億円(−6.3%) |
| オセアニア | XGTシリーズを中心に充電製品の拡販 | 567億円(+1.5%) |
| 中南米 | 主要国で販売が好調 | 530億円(+4.5%) |
| アジア | 中国の不動産不況が周辺国に波及、インフラ関連などに拡販 | 477億円(+6.0%) |
| 中近東・アフリカ | 産油国を中心に建設需要が好調 | 193億円(+3.2%) |
- 売上収益の約83%が海外、約50%が欧州です(計算値)
- 売上収益のうち、製品が77.1%、部品・修理・アクセサリーが22.9%です
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 充電製品(XGT)
- ハイパワー・長寿命・高耐久の「40Vmaxリチウムイオンバッテリ」(XGT)シリーズの電動工具・園芸用機器など、充電製品のラインアップを広げています。会社は、市場のコードレス化をリードするため、バッテリの充放電技術とモータ技術を中心に研究開発を進めるとしています
② 世界の販売・サービス網
- 地域密着・顧客密着のサービス体制に力を入れ、世界の各地域で売っています。部品・修理・アクセサリーの売上収益は+6.5%でした
③ とても厚い財務
- 親会社所有者帰属持分比率は84.4%、現金及び現金同等物は2,574億円です
4. 弱み・リスク
① 建築市場と住宅需要
- 多くの地域で金利が高く、建築市場の回復が遅れています。北米は住宅投資の鈍化と競争の激化で6.3%減でした
② 為替
- 売上の約8割が海外のため、為替の影響を大きく受けます。2026年3月期の増収も為替の影響によるものです(→外国株と為替)
③ 関税と地政学リスク
- 会社は、米国の関税措置やイラン情勢の悪化などで不確実性が高いとし、生産拠点や調達先の多極化・分散化を進めています
5. ライバルとの比較
同じく財務がとても厚い機械の会社のSMCと並べます。会計基準(SMCは日本基準)と製品がまったく違うので、おおまかな比較です。どちらも2026年3月期です。
| マキタ | SMC | |
|---|---|---|
| 売上(売上収益) | 7,776億円(+3.2%) | 8,425億円(+6.4%) |
| 営業利益 | 1,047億円(−2.2%) | 1,906億円(+0.2%) |
| 営業利益率 | 13.5% | 22.6% |
| ROE | 8.3% | 8.3% |
| 自己資本(親会社所有者帰属持分)比率 | 84.4% | 91.5% |
- どちらも財務がとても厚く、ROEは同じ水準です(→SMCの強みとは)
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
マキタの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 地域別の売上収益 | 欧州3,901億円、北米787億円など | 決算短信(補足情報) |
| 営業利益率 | 13.5% | 決算短信(経営成績) |
| 主要通貨のレート | 決算短信に記載 | 決算短信(補足情報) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上収益8,200億円、営業利益1,100億円、当期利益810億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年150円、2027年3月期は中間79円(期末は未定) | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方、配当の考え方は配当方針の読み方へ

メル美欧州で半分を売っているから、為替と建築市場の動きが大事なのね。充電式の園芸用機器がどこまで伸びるかも見ておきたいな
まとめ
- マキタは、電動工具・園芸用機器を世界で売る会社
- 2026年3月期は営業利益1,047億円(−2.2%)
- 売上収益の約83%が海外、約50%が欧州
- 40Vmaxの充電製品(XGT)と充電式園芸用機器に注力、持分比率84.4%
- 2027年3月期は営業利益1,100億円(+5.1%)の予想
参考文献
- マキタ. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年4月28日). https://www2.jpx.co.jp/disc/65860/140120260427511319.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- SMC. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/62730/140120260513531318.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。