THKの強みとは:LMガイド・ボールねじなどの機械要素部品の会社。2025年12月期は輸送機器事業の譲渡を決め、事業整理損失816億円で当期損失699億円。継続事業の売上収益は2,404億円(+7.9%)、DOE8%の配当方針
THKを、2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日)で分析しました。輸送機器事業をアドバンテッジパートナーズのファンドが出資する会社に譲渡することを決め、非継続事業に分類。継続事業(産業機器事業)の売上収益は2,404億円(+7.9%)で中国・米国の需要が回復、営業利益144億円(−9.3%、営業利益率6.0%)は構造改革の費用・米国関税・持分法投資損失が影響。事業整理損失816億円で、親会社の所有者に帰属する当期損失は699億円。親会社所有者帰属持分比率55.3%。「ROE10%超の早期実現」を掲げ、達成までDOE(自己資本配当率)8%を継続。年246円の配当、2026年12月期は売上収益2,600億円・営業利益260億円(+80.1%)・年184円の予想。地域別の売上収益は日本1,109億円、米州902億円、中国760億円(+21.6%)。SMCとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男THKって、大きな赤字になったって聞いたけど、本業が悪かったの?

メル美決算短信だと、輸送機器事業を手放すことにして、その損失が大きかったんだって。残る産業機器事業の売上は増えたみたい
企業分析の連載、282社目はTHKです。2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日)で確認しました。比較には、この連載のSMCの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、THK株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
主にLMガイド・ボールねじなどの機械要素部品をつくって売る会社。2025年12月期に輸送機器事業の譲渡を決め、産業機器事業に絞る
輸送機器事業は非継続事業に分類され、売上収益や営業利益は継続事業(産業機器事業)の数字です。
| 項目(IFRS・連結) | 2025年12月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上収益(継続事業) | 2,404億円 | +7.9% |
| 営業利益(継続事業) | 144億円 | −9.3% |
| 営業利益率 | 6.0% | 前期 7.1% |
| 税引前利益(継続事業) | 157億円 | −11.9% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益(非継続事業を含む) | −699億円(損失) | 前期 104億円 |
| ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) | −21.7% | 前期 2.8% |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 55.3% | 前期 67.6% |
| 配当 | 年246円 | 前期 146.50円 |
- 輸送機器事業の子会社の株式と債権の譲渡にともない、事業整理損失816億円を計上しました
2. 何で稼いでいるか
地域別のセグメントは、産業機器事業と輸送機器事業の両方を含む数字です。
| 地域 | 売上収益 | 前期比 | 主な動き(決算短信の記載) |
|---|---|---|---|
| 日本 | 1,109億円 | −1.8% | 産業機器の需要はおおむね横ばい |
| 米州 | 902億円 | −1.6% | 輸送機器の需要が低位 |
| 中国 | 760億円 | +21.6% | 産業機器の需要が回復 |
| 欧州 | 675億円 | −0.1% | 産業機器・輸送機器ともに需要が低位 |
| その他 | 216億円 | +20.2% | インド・ASEANなどで需要が広がる |
- 各地域の損益は、事業整理損失を含むため、日本・米州・欧州は損失でした
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 産業機器事業への集中
- 資本コストと投下資本利益率(ROIC)を精査し、輸送機器事業を譲渡して、産業機器事業に絞ります
② 中国・米国の需要回復
- 産業機器事業は、中国や米国で需要が回復に向かい、継続事業の売上収益は+7.9%でした
③ 株主還元の方針
- 「ROE 10%超の早期実現」を掲げ、達成まではDOE(自己資本配当率)8%を続けるとしています
4. 弱み・リスク
① 大きな損失と自己資本の減少
- 事業整理損失で当期損失は699億円になり、親会社所有者帰属持分比率は67.6%から55.3%に下がりました
② 構造改革の費用と関税
- 継続事業でも、構造改革の費用と米国関税の影響で、売上原価率は1.3ポイント上がり、営業利益は−9.3%でした
③ 関連会社の損失
- 持分法適用関連会社の三益THKで、市況の悪化と投資案件の損失見込みにより、持分法投資損失16億円を計上しました
5. ライバルとの比較
工場の自動化にかかわる部品の会社のSMCと並べます。決算期・会計基準(SMCは日本基準)と事業の中身が違うので、おおまかな比較です。
| THK(2025年12月期、継続事業) | SMC(2026年3月期) | |
|---|---|---|
| 売上収益(売上高) | 2,404億円(+7.9%) | 8,425億円(+6.4%) |
| 営業利益 | 144億円(−9.3%) | 1,906億円(+0.2%) |
| 営業利益率 | 6.0% | 22.6% |
| 自己資本(親会社所有者帰属持分)比率 | 55.3% | 91.5% |
- SMCのくわしい中身はSMCの強みとは、工場の自動化に使う部品の流通はミスミグループ本社の強みとはへ
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
THKの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2025年12月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 継続事業の売上収益・営業利益 | 2,404億円・144億円 | 決算短信のサマリー |
| 中国の売上収益 | 760億円 | 決算短信(セグメントの状況) |
| 輸送機器事業の譲渡の手続き | 2026年2月2日に基本契約書を締結 | 決算短信(経営成績の概況) |
| 会社の業績予想 | 2026年12月期 売上収益2,600億円、営業利益260億円、当期利益215億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年246円、2026年12月期予想184円(DOE8%が基本) | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男大きな赤字でも、事業を手放すことによる損失と、続ける事業の数字を分けて見るのが大事なんだね
まとめ
- THKは、LMガイド・ボールねじなどの機械要素部品の会社
- 輸送機器事業の譲渡を決め、事業整理損失816億円で当期損失699億円
- 継続事業の売上収益は2,404億円(+7.9%)、中国は+21.6%
- 「ROE10%超の早期実現」までDOE8%の配当方針
- 2026年12月期は営業利益260億円(+80.1%)・年184円の予想
参考文献
- THK. 2025年12月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年2月12日). https://www.thk.com/jp/wordpress/wp-content/uploads/2026/02/260212_financial_result_ja.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- SMC. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/62730/140120260513531318.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。