ミスミグループ本社の強みとは:工場の自動化に使う部品のメーカーと、他社の製品も売る流通の両方をもつ会社。2026年3月期は売上高4,414億円(+9.8%)、営業利益476億円(+2.4%)。米Fictivを買収
ミスミグループ本社を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日、東証の適時開示)で分析しました。売上高4,414億円(+9.8%)、営業利益476億円(+2.4%、営業利益率10.8%)、経常利益491億円(−1.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益405億円(+10.7%)、ROE11.1%、自己資本比率81.7%。セグメントはFA事業1,605億円(営業利益203億円、−9.9%)、金型部品事業884億円(87億円、−8.5%)、他社の製品も売る流通のVONA事業1,925億円(186億円、+28.8%)。カスタム機械部品のオンライン調達サービスの米Fictivを買収し、7月から連結。中国・アジアの通信・半導体向けが堅調、日本の設備投資と米欧の自動車は低迷。年52.98円の配当、2027年3月期は売上高4,915億円・営業利益550億円(+15.5%)の予想。MonotaROとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美ミスミって、どんな会社なの?

プレ男決算短信だと、工場の自動化に使う部品を自分でつくる「メーカー」と、ほかの会社の製品も売る「流通」の両方をもっているんだって
企業分析の連載、280社目はミスミグループ本社です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のMonotaROの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、ミスミグループ本社株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
工場の自動化(FA)に使う機械部品や金型部品をつくる「メーカー事業」と、他社の製品も売る「流通事業」の両方をもつ会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 4,414億円 | +9.8% |
| 営業利益 | 476億円 | +2.4% |
| 営業利益率(決算短信の値) | 10.8% | 前期 11.6% |
| 経常利益 | 491億円 | −1.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 405億円 | +10.7% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 11.1% | 前期 10.5% |
| 自己資本比率 | 81.7% | 前期 83.2% |
| 配当 | 年52.98円(配当性向35.0%) | 前期 43.21円 |
- 当期純利益の増加には、米国の連結納税制度の導入にともなう繰延税金資産の計上なども影響しました
2. 何で稼いでいるか
| セグメント | 主な中身(決算短信の記載) | 売上高 | 営業利益 |
|---|---|---|---|
| VONA事業 | ミスミブランド以外のメーカー品もそろえた、ウェブ販売中心の流通。設備部品や消耗品などの間接材 | 1,925億円(+7.1%) | 186億円(+28.8%) |
| FA事業 | 自動機の標準部品、自動位置決めモジュール、カスタム機械部品など | 1,605億円(+18.2%) | 203億円(−9.9%) |
| 金型部品事業 | 主に自動車・電子機器向けの金型部品 | 884億円(+2.2%) | 87億円(−8.5%) |
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① メーカーと流通の両方
- 会社は、メーカー事業と流通事業を併せ持つ業態と、IT・生産・物流の事業基盤で、確実短納期のニーズに応えるとしています
② 海外の需要の取り込み
- FA事業は、日本の設備投資は低調でしたが、中国の通信関連の需要や、「meviy」「エコノミーシリーズ」「D-JIT」などの独自の施策で、海外が堅調でした
③ 買収による拡大
- 米国でカスタム機械部品のオンライン調達サービスを行うFictivを買収し、2025年7月から連結しました
4. 弱み・リスク
① 買収の費用
- FA事業の営業利益は、M&A関連費用とFictivの連結の影響などで、−9.9%でした
② 自動車の低迷
- 金型部品事業は、米州・欧州の自動車の低迷で減益でした
③ 米国の関税
- 会社は、一部の地域で米国の関税政策による需要低迷の影響を受けたとしています
5. ライバルとの比較
工場向けの部品・消耗品をネットで売るMonotaROと並べます。決算期と事業の中身が違うので、おおまかな比較です。
| ミスミ(2026年3月期) | MonotaRO(2025年12月期) | |
|---|---|---|
| 売上高 | 4,414億円(+9.8%) | 3,339億円(+15.9%) |
| 営業利益 | 476億円(+2.4%) | 462億円(+24.6%) |
| 営業利益率 | 10.8% | 13.8% |
| ROE | 11.1% | 28.7% |
| 自己資本比率 | 81.7% | 63.4% |
- MonotaROのくわしい中身はMonotaROの強みとは、工場で物を運ぶシステムはダイフクの強みとは、空気圧機器はSMCの強みとはへ
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
ミスミの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| セグメントごとの営業利益 | FA 203億円、金型部品 87億円、VONA 186億円 | 決算短信(セグメント) |
| FA事業の売上高の伸び | +18.2% | 決算短信(セグメント) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高4,915億円、営業利益550億円、当期純利益374億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年52.98円、2027年3月期予想52.98円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男2026年3月期は流通のVONAが大きく増益だったんだね。買収したFictivの効果も見ておこう
まとめ
- ミスミは、メーカー(FA・金型部品)と流通(VONA)の両方をもつ会社
- 2026年3月期は売上高4,414億円(+9.8%)、営業利益476億円(+2.4%)
- VONA事業の営業利益は+28.8%
- FA事業は買収の費用、金型部品は自動車の低迷で減益
- 2027年3月期は営業利益550億円(+15.5%)の予想
参考文献
- ミスミグループ本社. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日). https://www2.jpx.co.jp/disc/99620/140120260430514823.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- MonotaRO. 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月3日). https://corp.monotaro.com/ir/upload_file/tdnrelease/3064_20260203545388_P01_.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。