企業分析2026年10月12日

牧野フライス製作所の強みとは:工作機械の会社。2026年3月期は受注2,700億円(+13.5%)・売上高2,612億円(+11.5%)がともに過去最高、営業利益250億円(+35.2%)。予定されていた公開買付けは外為法の勧告で不実施に

牧野フライス製作所を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日、東証の適時開示)と「事業計画策定に関するお知らせ」(2026年5月13日)で分析しました。受注2,700億円(+13.5%)と売上高2,612億円(+11.5%)は過去最高、営業利益250億円(+35.2%、営業利益率9.6%)、経常利益273億円(+35.9%)、純利益210億円(+45.6%)、ROE8.6%、自己資本比率61.7%。受注は中国を中心としたアジアと米国で堅調、国内は前年度を下回るも下期は半導体製造装置関連などで増加。米国は航空宇宙向けが高水準。MMホールディングスによる公開買付けは、外国為替及び外国貿易法にもとづく財務大臣・経済産業大臣の中止の勧告で不実施となり、新たな事業計画を策定。公開買付関連費用12億円。年270円の配当(配当性向30.1%)、2027年3月期は売上高2,760億円・営業利益276億円・年340円の予想。オークマ・アマダとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男牧野フライスって、買収の話がニュースになっていたよね?

メル美会社の発表だと、予定されていた公開買付けは、外為法にもとづく国の勧告で行われなかったんだって。業績は受注も売上も過去最高みたい

企業分析の連載、286社目は牧野フライス製作所です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日)と、「事業計画策定に関するお知らせ」(2026年5月13日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ資料を使っています。比較には、この連載のオークマの強みとは・アマダの強みとはで確認した数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、牧野フライス製作所株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

工作機械の会社。日本・アジア・米国・欧州に販売の拠点をもち、2026年3月期は受注と売上が過去最高

項目(日本基準・連結) 2026年3月期 前期比
受注 2,700億円(過去最高) +13.5%
売上高 2,612億円(過去最高) +11.5%
営業利益 250億円 +35.2%
営業利益率(決算短信の値) 9.6% 前期 7.9%
経常利益 273億円 +35.9%
純利益 210億円 +45.6%
ROE(自己資本当期純利益率) 8.6% 前期 6.4%
自己資本比率 61.7% 前期 61.7%
配当 年270円(配当性向30.1%) 前期 180円

2. 何で稼いでいるか

報告セグメントは、グループの販売体制をもとに4つに分かれています。地域ごとの受注の動き(現地通貨ベース)は次のとおりです。

セグメント 地域 受注の動き(決算短信の記載)
Ⅰ 日本(牧野フライス製作所と国内子会社) 前年度を下回った。上期は自動車関連が低調、下期は半導体製造装置関連などの部品加工向けが増加
Ⅱ アジア 前年度を上回った。中国は新エネルギー車関連・電気電子部品関連の金型向けが堅調、インドは自動車関連が堅調
Ⅲ アメリカ 前年度を上回った。航空宇宙向けが高水準
Ⅳ ヨーロッパ 前年度を上回った。航空機関連が底堅く、南欧・東欧で産業機械関連が堅調

3. 強み

会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。

① 受注と売上が過去最高

② 海外の需要

③ 利益の伸び

4. 弱み・リスク

① 公開買付けの不実施

② 国内の受注

③ 借入の増加

5. ライバルとの比較

工作機械などの会社と並べます。どれも2026年3月期です。会計基準(アマダはIFRS)と主な製品が違うので、おおまかな比較です。

牧野フライス オークマ アマダ
売上高(売上収益) 2,612億円(+11.5%) 2,359億円(+14.1%) 4,374億円(+10.3%)
営業利益 250億円(+35.2%) 155億円(+5.8%) 448億円(−8.7%)
営業利益率 9.6% 6.6% 10.2%
ROE 8.6% 5.3% 5.8%
自己資本(親会社所有者帰属持分)比率 61.7% 72.0% 69.4%

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

牧野フライス製作所の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
受注 2,700億円 決算短信(経営成績の概況)
地域ごとの受注の動き アジア・米国・欧州は増加、日本は減少 決算短信(セグメント別の受注状況)
新たな事業計画 「企業価値向上に向けて(2026年更新)」 2026年5月13日のお知らせ
会社の業績予想 2027年3月期 売上高2,760億円、営業利益276億円、純利益221億円 決算短信のサマリー
配当 年270円、2027年3月期予想340円 決算短信

プレ男公開買付けは、国の勧告で行われないこともあるんだね。新しい事業計画の中身も確かめておこう

まとめ


参考文献

  1. 牧野フライス製作所. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日). https://www2.jpx.co.jp/disc/61350/140120260430514756.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  2. 牧野フライス製作所. 事業計画策定に関するお知らせ(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/61350/140120260513527679.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  3. オークマ. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/61030/140120260511522592.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
  4. アマダ. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/61130/140120260513530498.pdf (閲覧日:2026年10月12日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。