牧野フライス製作所の強みとは:工作機械の会社。2026年3月期は受注2,700億円(+13.5%)・売上高2,612億円(+11.5%)がともに過去最高、営業利益250億円(+35.2%)。予定されていた公開買付けは外為法の勧告で不実施に
牧野フライス製作所を、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日、東証の適時開示)と「事業計画策定に関するお知らせ」(2026年5月13日)で分析しました。受注2,700億円(+13.5%)と売上高2,612億円(+11.5%)は過去最高、営業利益250億円(+35.2%、営業利益率9.6%)、経常利益273億円(+35.9%)、純利益210億円(+45.6%)、ROE8.6%、自己資本比率61.7%。受注は中国を中心としたアジアと米国で堅調、国内は前年度を下回るも下期は半導体製造装置関連などで増加。米国は航空宇宙向けが高水準。MMホールディングスによる公開買付けは、外国為替及び外国貿易法にもとづく財務大臣・経済産業大臣の中止の勧告で不実施となり、新たな事業計画を策定。公開買付関連費用12億円。年270円の配当(配当性向30.1%)、2027年3月期は売上高2,760億円・営業利益276億円・年340円の予想。オークマ・アマダとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男牧野フライスって、買収の話がニュースになっていたよね?

メル美会社の発表だと、予定されていた公開買付けは、外為法にもとづく国の勧告で行われなかったんだって。業績は受注も売上も過去最高みたい
企業分析の連載、286社目は牧野フライス製作所です。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日)と、「事業計画策定に関するお知らせ」(2026年5月13日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ資料を使っています。比較には、この連載のオークマの強みとは・アマダの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、牧野フライス製作所株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
工作機械の会社。日本・アジア・米国・欧州に販売の拠点をもち、2026年3月期は受注と売上が過去最高
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 受注 | 2,700億円(過去最高) | +13.5% |
| 売上高 | 2,612億円(過去最高) | +11.5% |
| 営業利益 | 250億円 | +35.2% |
| 営業利益率(決算短信の値) | 9.6% | 前期 7.9% |
| 経常利益 | 273億円 | +35.9% |
| 純利益 | 210億円 | +45.6% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 8.6% | 前期 6.4% |
| 自己資本比率 | 61.7% | 前期 61.7% |
| 配当 | 年270円(配当性向30.1%) | 前期 180円 |
2. 何で稼いでいるか
報告セグメントは、グループの販売体制をもとに4つに分かれています。地域ごとの受注の動き(現地通貨ベース)は次のとおりです。
| セグメント | 地域 | 受注の動き(決算短信の記載) |
|---|---|---|
| Ⅰ | 日本(牧野フライス製作所と国内子会社) | 前年度を下回った。上期は自動車関連が低調、下期は半導体製造装置関連などの部品加工向けが増加 |
| Ⅱ | アジア | 前年度を上回った。中国は新エネルギー車関連・電気電子部品関連の金型向けが堅調、インドは自動車関連が堅調 |
| Ⅲ | アメリカ | 前年度を上回った。航空宇宙向けが高水準 |
| Ⅳ | ヨーロッパ | 前年度を上回った。航空機関連が底堅く、南欧・東欧で産業機械関連が堅調 |
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 受注と売上が過去最高
- 受注2,700億円と売上高2,612億円は、ともに過去最高でした
② 海外の需要
- 関税政策などの不安定な状況の中でも、中国を中心としたアジアとアメリカで受注を堅調に獲得しました
③ 利益の伸び
- 営業利益は+35.2%、営業利益率は7.9%から9.6%に上がりました
4. 弱み・リスク
① 公開買付けの不実施
- MMホールディングスが予定していた公開買付けは、外国為替及び外国貿易法にもとづき、財務大臣と経済産業大臣から株式の取得を中止する勧告を受けたため、不実施となりました。会社は、新たな事業計画「企業価値向上に向けて(2026年更新)」を策定しました
- 公開買付関連費用として12億円を計上しています
② 国内の受注
- 国内の受注は前年度を下回りました
③ 借入の増加
- 短期借入金は86億円増えました(長期借入金は85億円、社債は50億円減少)
5. ライバルとの比較
工作機械などの会社と並べます。どれも2026年3月期です。会計基準(アマダはIFRS)と主な製品が違うので、おおまかな比較です。
| 牧野フライス | オークマ | アマダ | |
|---|---|---|---|
| 売上高(売上収益) | 2,612億円(+11.5%) | 2,359億円(+14.1%) | 4,374億円(+10.3%) |
| 営業利益 | 250億円(+35.2%) | 155億円(+5.8%) | 448億円(−8.7%) |
| 営業利益率 | 9.6% | 6.6% | 10.2% |
| ROE | 8.6% | 5.3% | 5.8% |
| 自己資本(親会社所有者帰属持分)比率 | 61.7% | 72.0% | 69.4% |
- くわしくはオークマの強みとは・アマダの強みとはへ。上場廃止のしくみは上場廃止になったら株はどうなる?へ
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
牧野フライス製作所の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 受注 | 2,700億円 | 決算短信(経営成績の概況) |
| 地域ごとの受注の動き | アジア・米国・欧州は増加、日本は減少 | 決算短信(セグメント別の受注状況) |
| 新たな事業計画 | 「企業価値向上に向けて(2026年更新)」 | 2026年5月13日のお知らせ |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 売上高2,760億円、営業利益276億円、純利益221億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年270円、2027年3月期予想340円 | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男公開買付けは、国の勧告で行われないこともあるんだね。新しい事業計画の中身も確かめておこう
まとめ
- 牧野フライス製作所は、工作機械の会社
- 2026年3月期は受注2,700億円・売上高2,612億円で過去最高
- 営業利益250億円(+35.2%)、アジア・米国の受注が堅調
- 予定されていた公開買付けは、外為法にもとづく中止の勧告で不実施
- 2027年3月期は営業利益276億円・年340円の予想
参考文献
- 牧野フライス製作所. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年4月30日). https://www2.jpx.co.jp/disc/61350/140120260430514756.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 牧野フライス製作所. 事業計画策定に関するお知らせ(2026年5月13日). https://www2.jpx.co.jp/disc/61350/140120260513527679.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- オークマ. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月12日). https://www2.jpx.co.jp/disc/61030/140120260511522592.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- アマダ. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月14日). https://www2.jpx.co.jp/disc/61130/140120260513530498.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。