企業分析2026年10月7日

三菱商事の強みとは:LNG・銅・原料炭などの資源から、食品・コンビニ・電力まで8つの事業グループに投資する総合商社。2026年3月期の純利益は8,005億円(前期比15.8%減)、稼ぎ頭は金属資源と地球環境エネルギー。弱みは資源価格と減損

三菱商事を、2026年3月期決算短信〔IFRS〕で分析しました。収益18兆9,160億円、当社の所有者に帰属する当期純利益8,005億円(前期比15.8%減)、持分法による投資損益4,679億円。セグメント別の純利益は金属資源2,045億円、地球環境エネルギー1,609億円、S.L.C.910億円、社会インフラ851億円、食品産業833億円など。銅事業や千代田化工建設の改善があった一方、汎用素材事業の減損、自動車関連事業の持分法投資の減損、ローソンの前年度再評価益の反動などで減益。累進配当を続け、2026年3月期は年110円、2027年3月期は純利益1兆1,000億円・年125円の見通し。三井物産との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男商社って、モノを右から左に売ってもうけてるんでしょ?

メル美いまは、鉱山とかLNGとかコンビニとか、いろんな会社に「投資」して稼いでるらしいよ

企業分析の連載、9社目は三菱商事です。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)で確認しました。比較には三井物産の2026年3月期 決算短信(2026年5月1日)を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、三菱商事株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

世界中の資源・エネルギー・食品・インフラなどの事業に出資し、売買の仲介もする総合商社。利益の多くは、出資している会社からの利益(持分法の利益など)

項目(IFRS・連結) 2026年3月期 前期比
収益 18兆9,160億円 +1.6%
税引前利益 1兆961億円 −21.3%
当社の所有者に帰属する当期純利益 8,005億円 −15.8%
持分法による投資損益 4,679億円 前期 3,375億円
ROE(親会社所有者帰属持分当期利益率) 8.5% 前期 10.3%

2. 何で稼いでいるか

決算短信のセグメント情報(2026年3月期、当社の所有者に帰属する当期純利益)です。

セグメント 主な事業(決算短信の記載から) 純利益 割合※ 前期
金属資源 銅事業、豪州原料炭事業 など 2,045億円 27.2% 2,278億円
地球環境エネルギー 天然ガス・LNG、石油製品 など 1,609億円 21.4% 1,986億円
S.L.C. ローソン、三菱食品 など 910億円 12.1% 1,850億円
社会インフラ 千代田化工建設、北米不動産開発 など 851億円 11.3% 398億円
食品産業 サーモン養殖、国内畜産 など 833億円 11.1% 924億円
モビリティ 自動車関連事業 など 576億円 7.7% 1,124億円
電力ソリューション 洋上風力、米州電力、欧州総合エネルギー など 434億円 5.8% −156億円
マテリアルソリューション 化学品、樹脂建材 など 263億円 3.5% 683億円

※8セグメントの合計(7,521億円)に対する割合。

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① 資源の権益

② 分散した事業ポートフォリオ

③ 累進配当

4. 弱み・リスク

① 減損と一時的な損益

2026年3月期の減益の理由として、決算短信は次のようなものを挙げています。

投資の価値が下がると減損損失が出て、利益が大きく変わります。逆に前の年に売却益などがあると、翌年はその反動で減ります。

② 資源・市況

③ 会社が挙げるリスク

決算短信の「事業等のリスク」には、世界マクロ経済環境の変化(米国の関税などの通商政策を含む)、市場リスク、信用リスク、カントリーリスク、事業投資リスクが並んでいます。

5. ライバルとの比較

同じ総合商社の三井物産と比べます(どちらも2026年3月期、IFRS)。

三菱商事 三井物産
収益 18兆9,160億円 13兆9,952億円
親会社の所有者に帰属する当期利益 8,005億円(−15.8%) 8,340億円(−7.4%)
ROE 8.5% 10.2%
持分法による投資損益 4,679億円 4,474億円

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

三菱商事の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
セグメント別の純利益(とくに金属資源・地球環境エネルギー) 2,045億円・1,609億円 決算短信のセグメント情報
減損・売却益などの一時的な損益 汎用素材・自動車関連の減損 など 決算短信(セグメント別の増減要因)
持分法による投資損益 4,679億円 決算短信のサマリー
営業収益キャッシュ・フロー 2027年3月期見通し1兆2,500億円 決算短信
ROE 8.5% 決算短信のサマリー
純利益の見通しと配当 2027年3月期 1兆1,000億円(+37.4%)、年125円 決算短信

プレ男商社って「投資会社」っぽいんだね。だから減損とか売却益で利益が大きく動くのか

ほかの総合商社は伊藤忠商事の強みとはへ。

リースから事業投資まで手がける会社はオリックスの強みとはへ。

まとめ


参考文献

  1. 三菱商事. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結). https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/ir/library/earnings/pdf/202605j.pdf (閲覧日:2026年10月7日)
  2. 三井物産. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月1日). https://www.mitsui.com/jp/ja/ir/library/meeting/pdf/ja_263_4q_ta.pdf (閲覧日:2026年10月7日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。