オリックスの強みとは:リースから始まり、不動産・事業投資・再生可能エネルギー・生命保険・銀行・航空機・海外まで10の事業。2026年3月期は当期純利益4,473億円(+27%)。事業や株を買って育てて売る「入れ替え」で稼ぐ
オリックスを、2026年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)(2026年5月11日)で分析しました。営業収益3兆3,308億円(+15.9%)、税引前当期純利益6,914億円(+43.9%)、当社株主に帰属する当期純利益4,473億円(+27.2%)、ROE10.4%、株主資本比率24.9%。セグメント利益は合計7,326億円(+35%)で、事業投資・コンセッション1,256億円、環境エネルギー1,158億円(前期は49億円の損失)、保険1,029億円、法人営業・メンテナンスリース1,007億円、不動産785億円、輸送機器666億円、ORIX Europe631億円、アジア・豪州512億円、銀行・クレジット272億円、ORIX USA10億円(−98%)。持分法適用会社だったGreenko Energy Holdingsの株式譲渡で売却益831億円を計上。年間配当156.10円で、2027年3月期は配当性向39%か156.10円の高い方とする方針。三菱HCキャピタルとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

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企業分析の連載、29社目はオリックスです。2026年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)(2026年5月11日)で確認しました。比較には三菱HCキャピタルの2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日)を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、オリックス株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
リース・金融・不動産・事業投資・エネルギー・保険などに広がった会社。事業や会社の株を買って育て、売って利益を出す「事業ポートフォリオの入れ替え」も稼ぎ方の柱
| 項目(米国基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 営業収益 | 3兆3,308億円 | +15.9% |
| 税引前当期純利益 | 6,914億円 | +43.9% |
| 当社株主に帰属する当期純利益 | 4,473億円 | +27.2% |
| ROE(株主資本当社株主に帰属する当期純利益率) | 10.4% | 前期 8.8% |
| 株主資本比率 | 24.9% | 前期 24.2% |
| 配当 | 年156.10円(配当性向39.0%) | 前期 120.01円 |
- 営業収益の増加は、米国の子会社のファンド評価益や、Greenko Energy Holdings(持分法適用会社だった)の株式譲渡による評価益、生命保険料収入などによるものです
2. 何で稼いでいるか
セグメント利益(2026年3月期、合計7,326億円、+35%)です。
| セグメント | 中身(決算短信の記載から) | セグメント利益 | 前期 |
|---|---|---|---|
| 事業投資・コンセッション | 事業投資など | 1,256億円 | 989億円 |
| 環境エネルギー | 国内外の再生可能エネルギー、電力小売、廃棄物処理など | 1,158億円 | −49億円 |
| 保険 | 生命保険 | 1,029億円 | 744億円 |
| 法人営業・メンテナンスリース | 金融・手数料ビジネス、自動車・機器のリース | 1,007億円 | 903億円 |
| 不動産 | 不動産開発・賃貸・管理、施設運営 | 785億円 | 705億円 |
| 輸送機器 | 航空機・船舶 | 666億円 | 674億円 |
| ORIX Europe | 株式・債券のアセットマネジメント | 631億円 | 444億円 |
| アジア・豪州 | アジア・豪州の金融・投資 | 512億円 | 345億円 |
| 銀行・クレジット | 銀行、消費性ローン | 272億円 | 293億円 |
| ORIX USA | 米州の金融・投資 | 10億円 | 399億円 |
- 1つの事業に偏らず、10の事業に利益が分かれています
- 環境エネルギーは、Greenko Energy Holdingsの株式譲渡の売却益831億円などで大きく黒字になりました
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① 分散した事業
- 10のセグメントのうち7つが増益。ORIX USAが大きく減っても、全体では35%増益でした
② 事業の「入れ替え」で利益を出す力
- 会社は「これまで築いたビジネスの継続的な成長に加えて、事業ポートフォリオの入れ替えを通じた利益の成長」を見込むとしています。Greenkoの売却はその例です
③ 株主還元の方針
- 2027年3月期の配当は、配当性向39%か1株156.10円の高いほうとする方針です(純利益5,300億円の予想どおりなら187.36円)
4. 弱み・リスク
① 売却益にたよる年もある
- 売却益や評価益は毎年同じように出るとは限りません。2026年3月期は、ファンド評価益やGreenkoの売却益が利益を押し上げました
② ORIX USAの減益
- ORIX USAは、営業権・無形資産の減損や販管費の増加で、セグメント利益が399億円→10億円に減りました
③ 金融の会社としての借入れ
- 株主資本比率は24.9%。です
④ セグメントの変更
- 2026年4月1日にセグメントを変え、2027年3月期から新しい区分で開示する予定です。前年との比較に注意が必要です
5. ライバルとの比較
リース大手の三菱HCキャピタルと比べます。会計基準(オリックスは米国基準、三菱HCキャピタルは日本基準)が違うので、おおまかな比較です。
| オリックス | 三菱HCキャピタル | |
|---|---|---|
| 売上(営業収益・売上高) | 3兆3,308億円(+15.9%) | 2兆2,154億円(+6.0%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 4,473億円(+27.2%) | 1,622億円(+20.0%) |
| ROE | 10.4% | 8.6% |
| 事業の広がり | リースのほか保険・銀行・不動産・エネルギー・投資 | リース中心 |
- 利益の規模とROEはオリックスが上回りました。オリックスはリース以外の事業の比重が大きいのが特徴です
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
オリックスの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| セグメント利益(10事業) | 合計7,326億円 | 決算短信(セグメント情報) |
| 売却益・評価益の大きさ | Greenko売却益831億円など | 決算短信(業績総括) |
| ROE | 10.4% | 決算短信のサマリー |
| 純利益の予想 | 2027年3月期 5,300億円 | 決算短信 |
| 配当 | 年156.10円(配当性向39%) | 決算短信 |
- 売却益で利益が増えた年は、売却益を除いた稼ぐ力も見ます
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ。事業や会社に投資するしくみはプライベート・エクイティ(PE)ファンドとは

プレ男何でも屋さんに見えたけど、買って育てて売るのも仕事なんだ。だから年によって利益の出どころが変わるんだね
航空機などのリースを手がける会社は三菱HCキャピタルの強みとはも参考にしてください。
リースを中心にする会社は東京センチュリーの強みとはも参考にしてください。
まとめ
- オリックスは、リース・金融・不動産などの10の事業を持つ会社
- 2026年3月期の当期純利益は4,473億円(+27.2%)、ROE10.4%
- 事業投資・環境エネルギー・保険・リースが稼ぎ頭。Greenkoの売却益831億円も
- リスクは売却益の年ごとの変動、ORIX USAの減益
- 配当は配当性向39%か156.10円の高いほう
参考文献
- オリックス. 2026年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)(2026年5月11日). https://www.orix.co.jp/grp/pdf/company/ir/library/financial_result/ORIXResults2026_4QJ.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- 三菱HCキャピタル. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日). https://www.mitsubishi-hc-capital.com/news/assets/pdf/2026051508.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。