東京海上ホールディングスの強みとは:国内の損害保険と、経常収益の約半分を占める海外保険の2本柱。2026年3月期は経常利益1兆3,486億円(−7.6%)、純利益9,804億円。自然災害と市場の動きで利益がぶれる。2027年3月期からIFRS
東京海上ホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月20日)で分析しました。経常収益8兆8,722億円(+5.1%)、経常利益1兆3,486億円(−7.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益9,804億円(−7.1%)、正味収入保険料5兆5,663億円、ROE18.7%。セグメント利益は国内損害保険7,444億円(−1,488億円)、海外保険5,590億円(+705億円)、国内生命保険236億円。海外保険の経常収益は4兆5,998億円。2027年3月期はIFRSで純利益8,300億円の予想で、自然災害の損害を国内1,050億円・海外950億円と見込んでいます。年間配当は218円(配当性向42.3%)。MS&ADとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

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企業分析の連載、15社目は東京海上ホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月20日)で確認しました。比較にはMS&ADインシュアランスグループホールディングスの2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月20日)を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、東京海上株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
国内の損害保険(東京海上日動など)と、海外の保険事業を2本柱に、生命保険も手がける保険グループ
保険会社は「営業利益」ではなく、経常収益・経常利益で見ます。
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 経常収益 | 8兆8,722億円 | +5.1% |
| うち正味収入保険料 | 5兆5,663億円 | +4.9% |
| 経常利益 | 1兆3,486億円 | −7.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 9,804億円 | −7.1% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 18.7% | 前期 20.6% |
| 配当 | 年218円(配当性向42.3%) | 前期 172円 |
- 経常収益の内訳は、保険引受収益6兆5,279億円、資産運用収益1兆9,845億円など。保険料だけでなく、集めたお金の運用でも稼いでいます
2. 何で稼いでいるか
決算短信のセグメント情報(2026年3月期)です。
| セグメント | 経常収益 | セグメント利益(経常利益) | 前期比(利益) | 利益の割合 |
|---|---|---|---|---|
| 国内損害保険 | 3兆7,902億円 | 7,444億円 | −1,488億円 | 55.2% |
| 海外保険 | 4兆5,998億円 | 5,590億円 | +705億円 | 41.5% |
| 国内生命保険 | 7,961億円 | 236億円 | −465億円 | 1.8% |
| ソリューション・その他 | 2,856億円 | 214億円 | — | 1.6% |
- 経常収益では海外保険がいちばん大きく(セグメント合計の約49%)、利益では国内損保がいちばん大きい関係です
- 2026年3月期は、国内損保と国内生保が減益、海外保険が増益でした
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① 海外の大きな保険事業
- 海外保険の経常収益は4兆5,998億円で、国内損保を上回ります。国内の自然災害などの影響を、地域の分散でならしやすい形です
② 高い資本効率
- ROE18.7%。下の比較のとおり、MS&AD(18.0%)と同じくらいの水準です
③ 運用の収益
- 資産運用収益は1兆9,845億円。利息及び配当金収入は約9,911億円でした
4. 弱み・リスク
① 自然災害
- 会社は2027年3月期の予想で、自然災害による正味発生損害を国内1,050億円、海外950億円と見込んでいます。大きな災害があれば、これを上回る可能性があります
- 会社も、気候変動による災害の激甚化、地政学リスク、サイバーリスクの増大を挙げています
② 金利・為替・株価
- 2027年3月期の予想は、市場金利・為替・株式相場が2026年3月末から大きく変動しない前提です。運用収益や海外の利益は、これらで動きます
③ 会計基準の変更
- 2026年3月期の有価証券報告書からIFRSを任意適用し、2027年3月期の予想(親会社の所有者に帰属する当期利益8,300億円)はIFRSで作られています。日本基準の数字と単純に比べられない点に注意が必要です
5. ライバルとの比較
損害保険大手のMS&ADインシュアランスグループと比べます(どちらも日本基準・2026年3月期)。
| 東京海上HD | MS&AD | |
|---|---|---|
| 経常収益 | 8兆8,722億円 | 7兆6,530億円 |
| 正味収入保険料 | 5兆5,663億円 | 5兆48億円 |
| 経常利益 | 1兆3,486億円(−7.6%) | 1兆1,202億円(+20.6%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 9,804億円(−7.1%) | 7,873億円(+13.8%) |
| ROE | 18.7% | 18.0% |
- 規模は東京海上が大きく、2026年3月期の利益の伸びはMS&ADが大きい関係でした
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
東京海上の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 正味収入保険料 | 5兆5,663億円 | 決算短信 |
| セグメント利益(国内損保・海外保険) | 7,444億円・5,590億円 | 決算短信(セグメント情報) |
| 自然災害の想定と実績 | 2027年3月期の想定:国内1,050億円・海外950億円 | 決算短信(業績予想の前提) |
| ROE | 18.7% | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年218円、2027年3月期予想245円 | 決算短信 |
- 2027年3月期からはIFRSの数字になります。前の年と比べるときは、会社が出すIFRSベースの前期の数字と比べます
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方、ほかの金融の会社は三菱UFJフィナンシャル・グループの強みとはへ

プレ男保険料と運用の両方で稼いで、災害の年は利益がへこむ。海外が大きいのはその備えでもあるんだね
生命保険のグループは第一ライフグループの強みとはへ。
ほかの損害保険グループはMS&ADインシュアランスグループの強みとはとSOMPOホールディングスの強みとはも参考にしてください。
まとめ
- 東京海上HDは、国内損保と海外保険が2本柱の保険グループ
- 2026年3月期は経常利益1兆3,486億円(−7.6%)、純利益9,804億円、ROE18.7%
- 収益は海外保険が最大、利益は国内損保が最大
- リスクは自然災害、金利・為替・株価。2027年3月期からIFRS
- MS&ADより規模は大きく、2026年3月期の伸びはMS&ADが上
参考文献
- 東京海上ホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月20日). https://www.tokiomarinehd.com/ir/event/presentation/2025/gi58a80000002zwa-att/4Q_FY2025_Summary_Report_j.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
- MS&ADインシュアランスグループホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月20日). https://www.ms-ad-hd.com/ja/news/irnews/auto_20260508519047/pdfFile.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。