MS&ADインシュアランスグループの強みとは:三井住友海上・あいおいニッセイ同和損保などの損害保険と生命保険、海外の保険会社を持つ保険グループ。2026年3月期は経常利益1兆1,202億円(+20.6%)、当期純利益7,873億円。2027年4月に損保2社が合併予定
MS&ADインシュアランスグループホールディングスを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月20日、東証の適時開示)で分析しました。経常収益7兆6,530億円(+14.9%)、経常利益1兆1,202億円(+20.6%)、親会社株主に帰属する当期純利益7,873億円(+13.8%)、ROE18.0%、正味収入保険料5兆48億円。経常利益は三井住友海上6,602億円、あいおいニッセイ同和損保2,485億円、海外保険子会社3,348億円(セグメント利益2,618億円)、三井住友海上プライマリー生命501億円、三井住友海上あいおい生命は763億円の損失。三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保は2027年4月1日に合併予定。企業保険分野の保険料調整行為や情報漏えい行為の反省を踏まえた再発防止も。有価証券売却益6,157億円。年160円(特別配当を含む)の配当、2027年3月期からIFRSで当期利益4,250億円・年170円の予想。東京海上ホールディングスとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

メル美車の保険って、三井住友海上だったかな、あいおいだったかな。どっちも同じグループなの?

プレ男決算短信を見ると、どっちもMS&ADのグループで、2027年に合併する予定なんだって
企業分析の連載、95社目はMS&ADインシュアランスグループホールディングスです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月20日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載の東京海上ホールディングスの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、MS&AD株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。特定の保険をすすめるものでもありません。
1. ひとことで言うと
三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保を中心に、国内の損害保険・生命保険と、海外の保険事業を手がける保険グループ
保険会社は「営業利益」ではなく、経常収益・経常利益で見ます。
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 経常収益 | 7兆6,530億円 | +14.9% |
| うち正味収入保険料 | 5兆48億円 | +7.1% |
| 経常利益 | 1兆1,202億円 | +20.6% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 7,873億円 | +13.8% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 18.0% | 前期 16.3% |
| 自己資本比率 | 16.7% | 前期 15.2% |
| 配当 | 年160円(配当性向30.3%) | 前期 145円 |
- 経常収益の内訳は、保険引受収益5兆7,625億円、資産運用収益1兆8,130億円などです
- 2026年3月期の配当160円には、特別配当35円(中間17円50銭・期末17円50銭)が含まれます
2. 何で稼いでいるか
| 会社・事業 | 経常利益(損失) | 当期純利益(損失) |
|---|---|---|
| 三井住友海上(国内損害保険) | 6,602億円(+842億円) | 4,599億円 |
| 海外保険子会社 | 3,348億円(+1,035億円) | セグメント利益 2,618億円 |
| あいおいニッセイ同和損保(国内損害保険) | 2,485億円(+1,084億円) | 1,580億円 |
| 三井住友海上プライマリー生命(国内生命保険) | 501億円 | 323億円 |
| 三井ダイレクト損保(国内損害保険) | −24億円 | −19億円 |
| 三井住友海上あいおい生命(国内生命保険) | −763億円 | −519億円 |
- 利益の中心は国内の損害保険2社と海外です。海外保険子会社の正味収入保険料は1兆7,351億円(+2,078億円)でした
- 連結の損益計算書では、有価証券売却益が6,157億円(前期5,616億円)あります
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 高いROE
- ROEは18.0%です
② 海外事業の伸び
- 海外保険子会社の経常利益は前期より1,035億円増えて3,348億円でした
③ 事業体制の再編
- 三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保は、2027年4月1日に合併することで最終合意し、合併契約を結びました。また、SMBCグループの保険代理店などと共同出資で保険代理店事業会社を設立することに合意しています
4. 弱み・リスク
① 不適切な行為の再発防止
- 会社は、三井住友海上とあいおいニッセイ同和損保の企業保険分野での保険料調整行為や、保険会社間の情報漏えい行為などの反省を踏まえ、再発防止の取り組みを進めているとしています
② 自然災害と市場
- 2027年3月期の予想では、新しい国内の自然災害の発生保険金を、三井住友海上で830億円、あいおいニッセイ同和損保で670億円見込んでいます。市場金利・為替・株式相場も業績に影響します
③ 有価証券の売却益と生命保険
- 利益には有価証券売却益が大きく含まれます。三井住友海上あいおい生命は763億円の経常損失でした
④ 会計基準の変更
- 2026年3月期の有価証券報告書からIFRSを任意適用し、2027年3月期の予想(親会社の所有者に帰属する当期利益4,250億円)はIFRSにもとづくため、2026年3月期との増減率は示されていません
5. ライバルとの比較
損害保険大手の東京海上ホールディングスと比べます(どちらも日本基準・2026年3月期)。
| MS&AD | 東京海上HD | |
|---|---|---|
| 経常収益 | 7兆6,530億円 | 8兆8,722億円 |
| 正味収入保険料 | 5兆48億円 | 5兆5,663億円 |
| 経常利益 | 1兆1,202億円(+20.6%) | 1兆3,486億円(−7.6%) |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 7,873億円(+13.8%) | 9,804億円(−7.1%) |
| ROE | 18.0% | 18.7% |
- 規模は東京海上が大きく、2026年3月期の利益の伸びはMS&ADが大きい関係でした(→東京海上ホールディングスの強みとは)。生命保険の会社は第一ライフグループ(旧・第一生命ホールディングス)の強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
MS&ADの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 正味収入保険料 | 5兆48億円 | 決算短信(連結損益計算書) |
| 会社ごとの経常利益 | 三井住友海上6,602億円など | 決算短信(セグメントごとの業績) |
| 有価証券売却益 | 6,157億円 | 決算短信(連結損益計算書) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 当期利益4,250億円(IFRS) | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年160円、2027年3月期予想170円(特別配当を含む) | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男保険料だけじゃなく、運用や株の売却益でも稼いでいるんだね。2027年の合併と、自然災害の影響も見ておこう
まとめ
- MS&ADは、三井住友海上・あいおいニッセイ同和損保などの保険グループ
- 2026年3月期は経常利益1兆1,202億円(+20.6%)、当期純利益7,873億円、ROE18.0%
- 利益の中心は国内の損保2社と海外
- 損保2社は2027年4月1日に合併予定
- 2027年3月期はIFRSで当期利益4,250億円の予想
参考文献
- MS&ADインシュアランスグループホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月20日). https://www2.jpx.co.jp/disc/87250/140120260508519047.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- 東京海上ホールディングス. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月20日). https://www.tokiomarinehd.com/ir/event/presentation/2025/gi58a80000002zwa-att/4Q_FY2025_Summary_Report_j.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。