三菱HCキャピタルの強みとは:法人向けリース・ファイナンスに、航空機・エンジン、海上コンテナ・鉄道貨車、不動産、再エネまで手がけるリース会社。2026年3月期は当期純利益1,622億円(+20.0%)で4期連続の過去最高。2027年3月期は28期連続の増配予想
三菱HCキャピタルを、2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日、東証の適時開示)で分析しました。売上高2兆2,154億円(+6.0%)、営業利益2,404億円(+28.5%)、経常利益2,361億円(+22.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益1,622億円(+20.0%、4期連続で過去最高)、ROE8.6%、自己資本比率15.2%。セグメント利益(当期純利益ベース)は、航空545億円(航空機・エンジンのリース)、カスタマーソリューション411億円(法人・官公庁向け)、ロジスティクス293億円(海上コンテナ・鉄道貨車)、不動産261億円(大口アセットの売却益)、海外カスタマー83億円(英国の自動車ローン手数料問題の費用の一方で米州の貸倒関連費用が減少)、モビリティ33億円、環境エネルギーは48億円の損失。子会社の決算期変更による増益効果も含む。年46円の配当、2027年3月期は当期純利益1,600億円(−1.4%)・28期連続増配の年51円の予想。オリックスとの比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男リース会社って、どんなものを貸しているの?

メル美三菱HCキャピタルの決算短信を見ると、いちばん利益が大きいのは飛行機のリースなんだって。海上コンテナや鉄道の貨車もあるよ
企業分析の連載、117社目は三菱HCキャピタルです。2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日)で確認しました。会社のサイトは今回の確認方法では読めなかったため、東京証券取引所の適時開示に載っている同じ決算短信を使っています。比較には、この連載のオリックスの強みとはで確認した数字を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、三菱HCキャピタル株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
法人・官公庁向けのリース・ファイナンスを中心に、航空機と航空機エンジン、海上コンテナと鉄道貨車、不動産、再生可能エネルギー、自動車のリースなどを手がける会社
| 項目(日本基準・連結) | 2026年3月期 | 前期比 |
|---|---|---|
| 売上高 | 2兆2,154億円 | +6.0% |
| 営業利益 | 2,404億円 | +28.5% |
| 経常利益 | 2,361億円 | +22.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 1,622億円 | +20.0% |
| ROE(自己資本当期純利益率) | 8.6% | 前期 7.8% |
| 自己資本比率 | 15.2% | 前期 15.2% |
| 配当 | 年46円(配当性向40.7%) | 前期 40円 |
- 当期純利益は4期連続で過去最高を更新しました
- 増益の理由には、複数の大口アセットの売却益、航空の事業の伸び、米州の貸倒関連費用の減少に加え、海外の子会社の決算期の変更で取り込む期間が調整されたことによる増益効果も含まれます
- 資金は、社債などの直接調達と銀行借入などの間接調達で集めています(2026年3月期の財務活動によるキャッシュ・フローは4,693億円の収入)。総資産は13兆896億円です
2. 何で稼いでいるか
セグメント利益は、親会社株主に帰属する当期純利益と同じ物差しです。
| セグメント | 主な事業(決算短信の記載) | セグメント利益 |
|---|---|---|
| 航空 | 航空機リース、航空機エンジンリース | 545億円(+73億円) |
| カスタマーソリューション | 法人・官公庁向けファイナンス、ベンダーと提携した販売金融、不動産リースなど | 411億円(+42億円) |
| ロジスティクス | 海上コンテナリース、鉄道貨車リース | 293億円(+61億円) |
| 不動産 | 不動産ファイナンス、不動産投資、不動産アセットマネジメント | 261億円(+139億円) |
| 海外カスタマー | 欧州・米州・中国・ASEANのファイナンス | 83億円(+57億円) |
| モビリティ | オートリース | 33億円(+2億円) |
| 環境エネルギー | 再生可能エネルギー、環境関連ファイナンス | −48億円(−96億円) |
- 利益がいちばん大きいのは航空です
3. 強み
会社の資料にある事実から、この連載で強みと考えた点です。
① 航空機・エンジンのリース
- 航空は、減損損失が増えたものの、リース料収入の増加などで増益でした。グループ会社のEngine Lease Finance Corporationが、エンジンメーカーのCFM International S.A.と新型航空機エンジン計50基の直接購入契約を結んだことも発表しています
② 幅広い資産
- 航空機、海上コンテナ、鉄道貨車、不動産など、リースする資産の種類が多く、利益の源が分かれています
③ 長く続く増配
- 2027年3月期の配当予想は、28期連続の増配となる年51円です(→配当方針の読み方)
4. 弱み・リスク
① 一度きりの増益効果
- 2026年3月期には、子会社の決算期の変更による増益効果が含まれ、会社は2027年3月期はその剥落などで当期純利益が1,600億円(−1.4%)に減ると見込んでいます
② 海外の費用と再エネ
- 欧州では、過去の英国の自動車ローン手数料問題にかかる大口の費用を計上しました。環境エネルギーは48億円の損失でした
③ 中東情勢
- 会社は、中東情勢の悪化による影響は見通すのが難しいとして、業績予想には織り込んでいないとしています
5. ライバルとの比較
リースから多くの事業に広がったオリックスと比べます。会計基準(オリックスは米国基準)が違うので、おおまかな比較です(どちらも2026年3月期)。
| 三菱HCキャピタル | オリックス | |
|---|---|---|
| 株主に帰属する当期純利益 | 1,622億円(+20.0%) | 4,473億円(+27.2%) |
| ROE | 8.6% | 10.4% |
| 自己資本(株主資本)比率 | 15.2% | 24.9% |
| 配当 | 年46円 | 年156.10円 |
- 利益の規模とROEはオリックスが上回ります(→オリックスの強みとは)。銀行グループは三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の強みとはも
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
三菱HCキャピタルの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| セグメント利益 | 航空545億円、カスタマーソリューション411億円など | 決算短信(セグメント) |
| 一度きりの要因(売却益・決算期変更) | 大口アセット売却益など | 決算短信(連結経営成績) |
| 会社の業績予想 | 2027年3月期 当期純利益1,600億円 | 決算短信のサマリー |
| 配当 | 年46円、2027年3月期予想51円(28期連続増配) | 決算短信 |
- 指標の読み方はPER・PBR・ROE・配当利回りの見方へ

プレ男飛行機やコンテナまで貸しているんだね。売却益や決算期の変更みたいな一度きりの要因も見ておこう
まとめ
- 三菱HCキャピタルは、法人向けリースを中心に、航空機・コンテナ・不動産なども手がけるリース会社
- 2026年3月期は当期純利益1,622億円(+20.0%)で4期連続の過去最高
- いちばん稼いでいるのは航空(545億円)
- 利益には売却益や決算期の変更による増益効果も含まれる
- 2027年3月期は28期連続の増配(年51円)の予想
参考文献
- 三菱HCキャピタル. 2026年3月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年5月15日). https://www2.jpx.co.jp/disc/85930/140120260515536577.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
- オリックス. 2026年3月期 決算短信〔米国基準〕(連結)(2026年5月11日). https://www.orix.co.jp/grp/pdf/company/ir/library/financial_result/ORIXResults2026_4QJ.pdf (閲覧日:2026年10月12日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。