企業分析2026年10月10日

伊藤忠商事の強みとは:8つのカンパニーに利益が分散する総合商社。2026年3月期の当社株主に帰属する当期純利益は9,003億円(+2.3%)で、資源に頼りすぎない稼ぎ方。ROE14.6%。2026年1月に1株を5株に分割

伊藤忠商事を、2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月1日)で分析しました。収益14兆8,231億円(+0.7%)、当社株主に帰属する当期純利益9,003億円(+2.3%)、ROE(株主資本当社株主に帰属する当期純利益率)14.6%、株主資本比率39.4%。セグメント別の純利益は機械1,556億円、金属1,435億円、情報・金融930億円、食料921億円、エネルギー・化学品693億円、住生活608億円、第8 450億円、繊維433億円で、どれか1つに偏っていません。C.P. Pokphandの売却益が利益を押し上げた一方、金属は減益。2026年1月1日に1株を5株に分割し、2027年3月期は純利益9,500億円・年44円の予想。三菱商事との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

目次
  1. 1. ひとことで言うと
  2. 2. 何で稼いでいるか
  3. 3. 強み
  4. 4. 弱み・リスク
  5. 5. ライバルとの比較
  6. 6. 投資プレイヤー的チェックポイント
  7. まとめ

プレ男総合商社って、三菱商事のときは「資源が強い」って話だったよね。伊藤忠も同じ?

メル美伊藤忠は、繊維や食料みたいな身近な商売が強いって聞いたことがある

企業分析の連載、13社目は伊藤忠商事です。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月1日)で確認しました。比較には、この連載の三菱商事の強みとはで確認した三菱商事の2026年3月期決算短信の数字を使っています。

この記事は会社のしくみと数字の解説で、伊藤忠商事株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。

1. ひとことで言うと

8つの「カンパニー」(事業の部門)に利益が分散している総合商社

項目(IFRS・連結) 2026年3月期 前期比
収益 14兆8,231億円 +0.7%
営業利益(売上総利益−販管費−貸倒損失) 7,019億円 +2.6%
当社株主に帰属する当期純利益 9,003億円 +2.3%
うち持分法による投資損益 3,235億円 −7.4%
ROE(株主資本当社株主に帰属する当期純利益率) 14.6% 前期 15.7%
株主資本比率 39.4% 前期 38.0%
営業キャッシュ・フロー 1兆1,318億円 前期 9,973億円

2. 何で稼いでいるか

決算短信のセグメント情報(2026年3月期、当社株主に帰属する当期純利益)です。

セグメント 純利益 前期比 8セグメントの合計に占める割合
機械 1,556億円 +191億円 22.1%
金属 1,435億円 −348億円 20.4%
情報・金融 930億円 +98億円 13.2%
食料 921億円 +70億円 13.1%
エネルギー・化学品 693億円 −93億円 9.9%
住生活 608億円 −89億円 8.7%
第8 450億円 −201億円 6.4%
繊維 433億円 −305億円 6.2%
その他及び修正消去 1,976億円 +878億円 —

3. 強み

会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。

① 利益の分散

② 高い資本効率

③ 現金を生む力

4. 弱み・リスク

① 一時的な利益の影響

② 金属・繊維の減益

③ 金利と世界経済

5. ライバルとの比較

総合商社の三菱商事と比べます(どちらもIFRS・2026年3月期)。

伊藤忠商事 三菱商事
収益 14兆8,231億円 18兆9,160億円
親会社の株主(所有者)に帰属する当期純利益 9,003億円(+2.3%) 8,005億円(−15.8%)
ROE 14.6% 8.5%
いちばん大きいセグメント 機械(1,556億円) 金属資源(2,045億円)
2027年3月期の純利益の見通し 9,500億円 1兆1,000億円

6. 投資プレイヤー的チェックポイント

伊藤忠商事の決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。

見ておく数字 2026年3月期 どこに書いてある
セグメント別の純利益 機械1,556億円〜繊維433億円 決算短信(事業セグメント情報)
有価証券損益(一時的な利益) 1,752億円 決算短信(経営成績の概況)
持分法による投資損益 3,235億円 決算短信のサマリー
ROE 14.6% 決算短信のサマリー
株主資本比率 39.4% 決算短信のサマリー
配当 2027年3月期予想 年44円(分割後)、配当性向32.2% 決算短信

メル美同じ総合商社でも、資源に強い会社と、いろんな分野に分散している会社があるんだね

資源に強い総合商社は三井物産の強みとはへ。

ほかの総合商社は住友商事の強みとはと丸紅の強みとはへ。

まとめ


参考文献

  1. 伊藤忠商事. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月1日). https://www.itochu.co.jp/ja/ir/financial_statements/2026/__icsFiles/afieldfile/2026/05/01/26_ended_01.pdf (閲覧日:2026年10月10日)
  2. 三菱商事. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結). https://www.mitsubishicorp.com/jp/ja/ir/library/earnings/pdf/202605j.pdf (閲覧日:2026年10月7日)

この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。