ソフトバンクグループの強みとは:投資会社としての顔と、通信・半導体の事業会社の顔をもつ。2026年3月期の純利益は5兆23億円、そのうち投資利益の大半はOpenAIの評価益(6兆7,304億円)。利益は投資先の値動きで大きく揺れ、借入れも大きい
ソフトバンクグループを、2026年3月期決算短信〔IFRS〕と2027年3月期第1四半期決算短信で分析しました。売上高7兆7,987億円、親会社の所有者に帰属する純利益5兆23億円(前期は1兆1,533億円)。投資損益は7兆2,865億円で、そのうちOpenAIへの出資に係る投資利益が6兆7,304億円(439億米ドル)。OpenAIへの累計投資額は346億米ドル、公正価値は796億米ドル(2026年3月末)、2026年2月にさらに300億米ドルの追加出資をコミット。報告セグメントは持株会社投資事業、SVF事業、ソフトバンク事業、AIコンピューティング事業(Arm・Ampereなど)。財務費用は7,718億円、ブリッジローンや保有株を使った資金調達も。バークシャー・ハサウェイ(2025年)との比較と、見ておくべき数字も。売買をすすめるものではありません。

プレ男ソフトバンクグループの利益が5兆円!? スマホってそんなにもうかるの?

メル美ほとんどは投資先の値上がりらしいよ。ChatGPTのOpenAIとか
企業分析の連載、8社目はソフトバンクグループ(SBG)です。2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月13日)と2027年3月期 第1四半期決算短信(2026年8月6日)で確認しました。比較にはバークシャー・ハサウェイの2025年の決算発表(2026年2月28日)を使っています。
この記事は会社のしくみと数字の解説で、SBG株の売買をすすめるものではありません。目標株価や「買い時」も書きません。投資判断はご自身の責任でお願いします。
1. ひとことで言うと
世界のテクノロジー企業に投資する「投資会社」と、通信のソフトバンク(株)や半導体のArmを子会社にもつ「事業会社」の両方の顔をもつ。いまはOpenAIへの投資が最大の柱
| 項目(IFRS・連結) | 2026年3月期 | 前期 |
|---|---|---|
| 売上高 | 7兆7,987億円 | 7兆2,438億円 |
| 投資損益 | 7兆2,865億円 | 3兆7,011億円 |
| 税引前利益 | 6兆1,349億円 | 1兆7,047億円 |
| 親会社の所有者に帰属する純利益 | 5兆23億円 | 1兆1,533億円 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 29.0% | — |
| 資産合計 | 60兆7,495億円 | — |
2. 何で稼いでいるか
SBGの報告セグメントは4つです(2026年3月期に「AIコンピューティング事業」を新設)。
| セグメント | 中身 |
|---|---|
| 持株会社投資事業 | SBG本体と子会社による投資(Tモバイル、アリババなどの株式を含む) |
| ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)事業 | SVF1・SVF2などのファンドによる投資 |
| ソフトバンク事業 | 通信のソフトバンク(株)(個人・法人向けなど) |
| AIコンピューティング事業 | Arm、Graphcore、Ampere(2025年11月に65億米ドルで100%子会社化)などの半導体関連 |
利益の中身:投資利益が大半
| 投資損益の内訳 | 2026年3月期 |
|---|---|
| 持株会社投資事業 | 2,181億円 |
| SVF事業 | 6兆6,386億円 |
| その他 | 4,298億円 |
| 合計 | 7兆2,865億円 |
- このうち、OpenAIへの出資に係る投資利益は6兆7,304億円(439億米ドル)です(SVF事業で6兆4,655億円、持株会社投資事業で2,649億円)
- つまり、投資利益の9割以上がOpenAIの評価の上昇から来ています
- 売上高の大部分は、子会社のソフトバンク事業(売上高7兆409億円)です。なお、Armやソフトバンク(株)など連結子会社の株価の変動は、連結の損益には計上されません
3. 強み
会社の資料で確かめられる事実から、強みと考えられる点を挙げます。
① AIの中心企業への大きな投資
- 2026年3月末時点で、OpenAIへの累計投資額は346億米ドル、公正価値は796億米ドル、累計投資利益は450億米ドル
- 2026年2月には、OpenAIにさらに300億米ドルの追加出資をコミットしました(2026年4月・7月・10月に100億米ドルずつの予定)
② 半導体の設計(Arm)と通信の事業
- AIコンピューティング事業として、半導体設計のArmや、2025年11月に買収したAmpereをまとめています
- 通信のソフトバンク事業は、売上高7兆409億円、セグメント利益(税引前)9,650億円(前期比+6.5%)です
- 一方、AIコンピューティング事業は、研究開発費の増加やAmpereの買収関連費用で、セグメント損益が−1,373億円(前期 −109億円)でした
③ 資金を集める力
- 国内普通社債1兆1,200億円の発行、ブリッジローン(2025年4月に150億米ドル、2026年3月に総借入限度額400億米ドル)、Tモバイル株式の売却(162.5億米ドル)、NVIDIA株式の売却(58.3億米ドル)、Arm株式を使ったマージンローン(115億米ドルの増額)など、さまざまな方法で資金を調達しています
4. 弱み・リスク
① 利益が投資先の評価で大きく揺れる
- 2026年3月期の利益の大半は、OpenAIの評価益(まだ売っていない株の値上がり)です。評価が下がれば、評価損になります
- 前期の持株会社投資事業の投資利益3兆4,138億円が、今期は2,181億円に減ったように、年によって大きく変わります
- 2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)の純利益は3,473億円(前年同期比−17.7%)でした
② OpenAIへの集中
- 投資利益の大半を1社に頼っている形です。OpenAIは上場していないので、市場の値段がなく、売りたいときにすぐ売れるとは限りません
③ 借入れと財務費用
- 財務費用は7,718億円(前期比+1,902億円)。ブリッジローンや保有株を担保にした借入れ(マージンローン)を使っています
- 2026年4月には、主にOpenAIへの投資資金として200億米ドルを借り入れました
- 株価が下がると、保有株を担保にした借入れの条件に影響することがあります
④ 為替
- 為替差損益は−2,710億円(2026年3月期)。投資先の多くがドル建てで、円高・円安の影響を受けます
5. ライバルとの比較
株式などへの投資の利益が大きい会社として、バークシャー・ハサウェイ(米国)と比べます(SBGは2026年3月期・IFRS、バークシャーは2025年12月期・米国会計基準)。
| SBG(2026年3月期) | バークシャー(2025年) | |
|---|---|---|
| 純利益(株主に帰属) | 5兆23億円 | 669億6,800万ドル(前年889億9,500万ドル) |
| 投資の利益 | 投資損益 7兆2,865億円 | 投資利益 307億3,700万ドル |
| 本業の利益 | — | 営業利益(operating earnings) 444億8,600万ドル |
- どちらも、投資の値動きで純利益が大きく変わる会社です。バークシャーは、保険・鉄道・エネルギーなどの事業の利益(operating earnings)を別に示し、四半期ごとの投資損益は「通常は意味がない」と説明しています
- SBGの利益は、より特定の投資先(OpenAI)の評価に左右されています
- 円とドルの換算はしていません
6. 投資プレイヤー的チェックポイント
SBGの決算を見るときに、毎回確かめておきたい数字です(売買の判断基準ではありません)。
| 見ておく数字 | 2026年3月期 | どこに書いてある |
|---|---|---|
| 投資損益と、その内訳(とくにOpenAI) | 7兆2,865億円(OpenAI 6兆7,304億円) | 決算短信 |
| OpenAIの累計投資額と公正価値 | 346億米ドル・796億米ドル | 決算短信 |
| 財務費用・借入れの動き | 財務費用7,718億円 | 決算短信 |
| 保有資産の売却・資金化 | Tモバイル株162.5億米ドル売却 など | 決算短信 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 29.0% | 決算短信のサマリー |
| ソフトバンク事業・AIコンピューティング事業の売上 | 7兆409億円・6,403億円 | 決算短信のセグメント情報 |
- SBGは、会社として「NAV(保有株式の価値−純負債)」や「LTV(負債の比率)」を説明会で示しています。決算説明資料で確かめましょう

プレ男5兆円の利益の正体は、まだ売っていない株の値上がりなんだ。下がったら逆に大きな損になるかもしれないのか
通信大手のライバルはKDDIの強みとはへ。
まとめ
- SBGは投資会社と事業会社(通信・半導体)の両方の顔
- 2026年3月期の純利益5兆23億円。投資利益7兆2,865億円の9割以上がOpenAIの評価益
- 強みはAIの中心企業への投資、Arm・Ampereなどの半導体、資金調達の力
- 弱みは投資先の評価で利益が大きく揺れること、OpenAIへの集中、大きな借入れと財務費用、為替
- バークシャーと比べ、特定の投資先の評価に左右されやすい
参考文献
- ソフトバンクグループ. 2026年3月期 決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年5月13日). https://group.softbank/media/Project/sbg/sbg/pdf/ir/financials/financial_reports/financial-report_q4fy2025_01_ja.pdf (閲覧日:2026年10月6日)
- ソフトバンクグループ. 2027年3月期 第1四半期決算短信〔IFRS〕(連結)(2026年8月6日). https://group.softbank/media/Project/sbg/sbg/pdf/ir/financials/financial_reports/financial-report_q1fy2026_01_ja.pdf (閲覧日:2026年10月6日)
- Berkshire Hathaway Inc. News Release(2026年2月28日). https://www.berkshirehathaway.com/news/feb2826.pdf (閲覧日:2026年10月6日)
この記事は投資についての一般的な情報提供を目的としたもので、特定の銘柄・金融商品の売買をすすめるものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いします。