ガジェット2026年10月7日

【テクノロジー解説】iPS細胞の治療はいまどこまで来た?目の病気で始まった移植は、パーキンソン病や心臓病の臨床試験へ。他人のiPS細胞からつくった細胞を移植し、2年間で重い副作用やがん化は見られなかった【Nature 2025】

2006年に生まれたiPS細胞を使う治療の研究が進んでいます。最初は、患者さん本人の皮膚からつくったiPS細胞を目の病気(加齢黄斑変性)の人に移植した報告でした(2017年)。その後、他人のiPS細胞からあらかじめつくった細胞を使う方法に広がり、京都大学病院のパーキンソン病の臨床試験(第I/II相、7人)では、2年間で重い有害事象はなく、移植した細胞は生き残ってドパミンをつくり、腫瘍もできませんでした(Nature 2025)。大阪大学の心筋シートの臨床試験でも、最初の3人で移植した細胞による有害事象はありませんでした。ただし、まだ少人数の研究で、効果をはっきりさせるにはさらに研究が必要です。

目次
  1. 最初の移植:本人の細胞で、目の病気に
  2. 「他人のiPS細胞」から、あらかじめつくる方法へ
  3. パーキンソン病:京都大学の臨床試験(Nature 2025)
  4. 心臓:大阪大学の心筋シート
  5. いまの段階を正しく知る
  6. つながる技術
  7. まとめ

プレ男iPS細胞って、ノーベル賞から10年以上たったよね。もう病気の治療に使われてるの?

メル美パーキンソン病の研究のニュースを見たことがあるよ。

こんにちは、Dr. Taro です。 「テクノロジー解説」、今回はiPS細胞を使った治療の最新の進歩です。おもに査読のある論文(Nature、New England Journal of Medicine など)の要旨をもとにまとめました。iPS細胞そのものとノーベル賞の話はiPS細胞ってなに?へ。

最初の移植:本人の細胞で、目の病気に

「他人のiPS細胞」から、あらかじめつくる方法へ

パーキンソン病:京都大学の臨床試験(Nature 2025)

プレ男移植した細胞が、脳の中でちゃんとドパミンをつくってたんだ!

心臓:大阪大学の心筋シート

iPS細胞の治療は、本人の細胞を使った目の病気の移植から始まり、他人のiPS細胞からつくった細胞をパーキンソン病や心臓病の人に移植する臨床試験へと進んでいます。ただし、どれもまだ少人数の研究です。

いまの段階を正しく知る

つながる技術

プレ男「夢の治療」が、少しずつ「確かめられた治療」に近づいてるんだね。

メル美まだ少人数の研究っていうのも、ちゃんと覚えておこう。

まとめ


参考文献

  1. Mandai M, Watanabe A, Kurimoto Y, et al. Autologous Induced Stem-Cell-Derived Retinal Cells for Macular Degeneration. N Engl J Med. 2017;376(11):1038-1046. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/28296613/ (閲覧日:2026年10月7日)
  2. Sawamoto N, Doi D, Nakanishi E, et al. Phase I/II trial of iPS-cell-derived dopaminergic cells for Parkinson’s disease. Nature. 2025. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40240591/ (閲覧日:2026年10月7日)
  3. Takahashi R, Nakanishi E, Yamakado H, et al. Allogenic transplantation therapy of iPS cell-derived dopamine progenitors for Parkinson’s disease — Current status of the Kyoto Trial and future perspectives. Parkinsonism Relat Disord. 2025. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/40307147/ (閲覧日:2026年10月7日)
  4. Kawamura T, Ito Y, Ito E, et al. Safety confirmation of induced pluripotent stem cell-derived cardiomyocyte patch transplantation for ischemic cardiomyopathy: first three case reports. Front Cardiovasc Med. 2023;10:1182209. https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37781295/ (閲覧日:2026年10月7日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。