ガジェット2026年10月5日

【テクノロジー解説】mRNAワクチンってなに?ウイルスの「設計図の一部」を届けて、体に免疫の練習をさせる。2023年ノーベル生理学・医学賞、数分〜数日で分解されDNAには組みこまれない

mRNAワクチンは、ウイルスのたんぱく質をつくる設計図(mRNA)の一部を、脂質の膜に包んで注射するワクチンです。体の細胞がその設計図からウイルスのたんぱく質の一部をつくり、それに対する抗体などができることで免疫がつきます。人工的につくったmRNAは炎症を起こしやすいという壁を、カリコ博士とワイスマン博士が「塩基の化学修飾」で乗りこえ、2023年のノーベル生理学・医学賞を受けました。細胞の培養がいらず、早くつくれるのが強み。厚生労働省によると、注射したmRNAは数分〜数日で分解され、人のDNAに組みこまれることはありません。

目次
  1. そもそも、ワクチンとは
  2. mRNAワクチンのしくみ
  3. ノーベル賞につながった発見
  4. 「遺伝子が変わる」は本当?
  5. 遺伝子の技術つながりで
  6. まとめ

プレ男コロナのときに「mRNAワクチン」ってよく聞いたけど、ふつうのワクチンと何がちがうの?遺伝子を入れるって聞いて、ちょっと不安だったんだよね。

メル美ノーベル賞をとった技術なんだよね。しくみを知りたい!

こんにちは、Dr. Taro です。 「テクノロジー解説」、今回はmRNAワクチンです。ノーベル賞の公式発表(2023年 生理学・医学賞)と、厚生労働省の「新型コロナワクチンQ&A【2024年3月時点】」をもとにまとめました。

そもそも、ワクチンとは

ノーベル賞の発表によると、

mRNAワクチンのしくみ

プレ男ウイルスそのものじゃなくて、「部品の設計図」を届けて、体に練習させるってことか。

ノーベル賞につながった発見

ノーベル賞の発表によると、

この発見で、2人は2023年のノーベル生理学・医学賞を受けました。発表では、mRNA ワクチンは柔軟に、早く開発できるので、ほかの感染症のワクチンや、将来は治療用のたんぱく質を届けること、一部のがんの治療にも使われる可能性がある、としています。

mRNAワクチンは、ウイルスのたんぱく質の設計図の一部を届けて、体に免疫をつくらせるしくみです。注射したmRNAは数分から数日で分解され、人のDNAに組みこまれることはないとされています。

「遺伝子が変わる」は本当?

厚生労働省のQ&A【2024年3月時点】では、次のように説明しています。

メル美設計図は使い終わったら分解される、っていうことね。

遺伝子の技術つながりで

DNA のねらった場所を切って書きかえる「遺伝子のハサミ」は、【テクノロジー解説】CRISPR-Cas9ってなに?へ。mRNA ワクチンは「設計図の一時的なコピー」を届けるだけで DNA を変えないのに対し、CRISPR-Cas9 は DNA そのものを編集する技術、というちがいがあります。

プレ男「遺伝子を入れる」じゃなくて「設計図を届けて、使ったら消える」なんだね。イメージが変わった。

メル美ほかの病気のワクチンやがんの治療にも広がるかもしれないって、すごいね。

免疫のブレーキを外してがんを攻撃させる治療は、【テクノロジー解説】がんの「免疫チェックポイント療法」ってなに?へ。

最初のワクチンと、人類がただ1つ根絶した感染症の物語は、天然痘の根絶へ。

同じRNAの仲間で、遺伝子のブレーキ役をする小さなRNAは、マイクロRNAへ。

まとめ


参考文献

  1. The Nobel Assembly at Karolinska Institutet. Press release: The Nobel Prize in Physiology or Medicine 2023. NobelPrize.org. https://www.nobelprize.org/prizes/medicine/2023/press-release/ (閲覧日:2026年10月5日)
  2. 厚生労働省. 新型コロナワクチンQ&A【2024年3月時点】(「mRNAワクチンやウイルスベクターワクチンは新しい仕組みのワクチンということですが、どこが既存のワクチンと違うのですか。」「mRNAワクチンはワクチンとして遺伝情報を人体に投与するということで、将来の身体への異変や将来持つ予定の子どもへの影響を懸念しています。」). https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/vaccine_qa_archive.html (閲覧日:2026年10月5日)

この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。