
オタ男東京都の「TOKYO縁結び」みたいな公的な婚活って、どんな人が結婚できてるんだろう。ぼくみたいなのは、やっぱり不利なのかな…。

ブン子わたしはもう年齢的に遅いかな…って思って、始める前からあきらめかけてる。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、公的な婚活サービスで結婚に進んだのはどんな人かを調べた研究です。小林盾さん(成蹊大学)と能智千恵子さん(えひめ結婚支援センター)の論文「婚活における結婚の規定要因はなにか:結婚研究の視点から,えひめ結婚支援センターを事例とした量的分析」(学術誌「理論と方法」31巻1号、2016年、数理社会学会)の原文をもとにまとめました。
えひめ結婚支援センターとは(論文の説明)
- 愛媛県から結婚支援を委託され、2008年11月に設立されたセンターです
- 事業は2つあり、1つはパーティー(登録不要)、もう1つは登録制の一対一のお見合いです。お見合い事業は2011年10月に始まりました
- 登録には、20歳以上の独身であることと、独身証明書・写真つき身分証・健康保険証(勤め先の確認のため)・プロフィール用の写真の提出が必要です
- センターのタブレットで相手のプロフィールを見て、同時に3人まで申し込めます。お見合いは、仲人役のボランティアを加えた3人で行われます
- 論文によると、2016年2月1日時点で、2つの事業をあわせて約500組が成婚していました
どんな研究?
- お見合い事業の登録者4,779人(男性2,238人・女性2,541人)の、2011年10月から2016年2月1日までの記録を分析しました
- 「結婚による退会」(お見合い事業やそれ以外で結婚が決まった、パーティー事業やそれ以外で恋人ができた、による退会)までの日数を、イベント・ヒストリー分析という方法で調べました
- 結婚による退会は、男性の14.8%、女性の18.4%でした。登録してから1年すぎと3年すぎのころに多くなっていました
- 登録時の平均年齢は、男性41.4歳、女性37.0歳でした

オタ男登録した人の平均は、男性41.4歳、女性37.0歳なんだ。
わかったこと:男性と女性で、結婚と結びつく要因がちがった
ほかの条件をそろえて分析した、結婚のチャンス(ハザード比)です。1より大きいと結婚しやすく、1より小さいと結婚しにくいことを表します。
| 要因 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 年齢が10歳上 | 0.63倍 | 0.55倍 |
| 身長が10センチ高い | 1.25倍 | はっきりした差なし |
| 教育年数が4年長い(高卒→大卒など) | 1.38倍 | はっきりした差なし |
| 正規雇用(経営者・役員・正社員) | 1.73倍 | はっきりした差なし |
| 個人年収が100万円多い | 1.13倍 | はっきりした差なし |
| 結婚の経験がある(再婚以上) | 1.77倍 | 2.06倍 |
| 子どもの数 | はっきりした差なし | はっきりした差なし |
- 論文は、男性では働き方を中心とした地位(いわば「スペック」)が、女性では年齢が、結婚のおもな要因だったとまとめています
- ただし、男性で正規雇用でなくても、年収が低くても、結婚している人がいることも確かだ、と書いています。たとえば正規雇用の男性の結婚による退会は16.2%、それ以外は8.1%で、正規雇用でない男性も、正規雇用の男性の半分ほどの割合で結婚していました
論文の提案:「婚活は1年でも早く」
- 論文は、年齢はふつう自分では変えられないが、婚活においては始める年齢として自分で選べる、と書いています
- 登録時の平均年齢(男性41.4歳、女性37.0歳)より10年早く始めていれば、結婚にいたる可能性は男性で1.60倍、女性で1.82倍と大きく上がる計算になる、としています
- そのうえで、婚活は「相手が見つからないときの最終手段」ではなく、早めに始めるものと考えなおしてもよいのかもしれない、と提案しています

この研究では、男女とも、若いうちに登録した人ほど結婚に進みやすく、論文は「婚活は1年でも早く始める」ことを提案しています。年齢は変えられなくても、始める時期は自分で選べる、という考え方です。
研究の限界
- 愛媛県の1つの公的事業の記録です。論文も、ほかの地域でも同じしくみがあるのかを調べる必要がある、としています
- 「結婚による退会」には、恋人ができて退会した人もふくまれます(論文は、登録料を手放してまで退会するのは結婚が近いからと判断した、と書いています)
- 年収は登録時に任意の項目で、女性の64.0%、男性の14.7%が未記入でした
- 2016年までの記録で、いまの状況とはちがう可能性があります
- 民間の結婚相談サービスを調べた研究では、男性の年収以外の条件と成婚のしやすさはほとんど結びついておらず、結果がちがいます。くわしくは結婚相談所で「モテる」人ほど、結婚が決まりやすい?をどうぞ
東京の場合
- 東京都が行っている公的な婚活支援は東京都がやっている婚活「TOKYO縁結び」、必要になる書類は独身証明書の取り方にまとめています

ブン子「もう遅い」じゃなくて、「今日がいちばん早い」と思って、まず登録だけでもしてみようかな。

オタ男条件で不利でも、結婚している人はいる。ぼくも早めに動いてみるよ。
まとめ
- えひめ結婚支援センターのお見合い事業の登録者4,779人を分析した研究(2016年)
- 男性は学歴・正規雇用・年収・身長、女性はおもに年齢が、結婚(恋人ができた退会をふくむ)と結びついていた
- 男女とも、年齢が若いほど、結婚の経験があるほど結婚に進みやすかった
- 論文の提案は「婚活は1年でも早く始める」。愛媛県の1つの事業の結果
参考文献
- 小林盾, 能智千恵子. 婚活における結婚の規定要因はなにか:結婚研究の視点から,えひめ結婚支援センターを事例とした量的分析. 理論と方法. 2016;31(1):70-83. doi:10.11218/ojjams.31.70. https://doi.org/10.11218/ojjams.31.70 (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。


