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ハイ男結婚相談所って、年収と学歴がものをいう世界でしょ?それなら、ぼくはすぐ決まるはずなんだけど…なかなか決めきれないんだよね。

ブン子わたしは申し込みが少なくて…。条件がいい人がどんどん先に結婚していくんだろうな、って思っちゃう。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、結婚相談所で「モテる」ことと「結婚が決まる」ことの関係を調べた研究です。鈴木翔さん(秋田大学)、須藤康介さん(明星大学)、寺田悠希さん(放送大学)、小黒恵さん(東京大学)の論文「学歴・収入・容姿が成婚と配偶者選択行動に与える影響:結婚相談サービスに内包されたメカニズム」(学術誌「理論と方法」33巻2号、2018年、数理社会学会)の原文をもとにまとめました。
どんな研究?
- 大手の結婚相談サービス事業者(論文では「X社」)の、直営店の60歳未満の会員が対象です。2016年2〜8月に調査を行い、回答した1,582人(男性825人・女性757人)を分析しました
- 調査の回答に、会社から提供された登録情報(年齢・学歴・年収・身長・体重)と、2017年6月時点までの活動の記録(お見合いを申し込まれた件数、承諾した件数、成婚したかなど)を結びつけています
- この会社のしくみでは、プロフィールを見てお見合いを申し込み、申し込まれた側が受けるかを選びます。会って両方が望めば交際に進み、プロポーズが受け入れられると「成婚」です。複数の人と同時に交際することも認められていました
- 調べたのは、①成婚のしやすさ、②異性から申し込まれる件数(100日あたり)、③申し込まれたお見合いを受ける割合(低いほど「より好み」している)の3つです

アソ美何人かと同時に交際できるなら、条件のいい人は選び放題よね。
わかったこと(1):条件がよい人ほど、申し込まれていた
100日あたりのお見合いの申し込まれ件数と関係していた条件です(年齢・住んでいる地域・結婚歴をそろえて分析)。
| 申し込みが多かった人 | |
|---|---|
| 男性 | 大卒以上(大学院・難関大・それ以外の大学とも、大卒未満より多い)、年収が高い、背が高い、BMIが低め |
| 女性 | 年収が高い、BMIが低め。大学院卒の女性は、それ以外より少なかった |
- 男性では、年齢・地域・結婚歴と、学歴・年収・身長・BMIだけで、申し込まれ件数のちがいの40.4%を説明できました
- 男女とも、三大都市圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県・愛知県・大阪府・京都府・兵庫県)に住む人のほうが、申し込まれる件数が多くなっていました
わかったこと(2):でも、成婚のしやすさにはほとんど差がなかった
- 入会してからの日数を考えに入れて分析すると、学歴・年収・身長・BMIの多くは、成婚のしやすさとはっきり結びついていませんでした
- はっきり差があったのは、男性の年収(100万円高いと、成婚しやすさが約1.09倍)と、女性のBMI(高めの人のほうが成婚しやすい傾向)の2つだけでした
- 論文は、「内面が大事なのでは」と考えて、「話がおもしろい」「家事が得意」「相手の仕事に理解を示せる」などの自己評価も加えて分析しましたが、これらも成婚とは結びついていなかった、としています
- 年齢は男女とも、若いほど成婚しやすい結果でした

ハイ男申し込みが多くても、結婚が決まりやすいわけじゃないんだ…。
わかったこと(3):条件がよい人ほど「より好み」していた
- 男性では、学歴・年収が高い人、背が高い人、BMIが低めの人ほど、申し込まれたお見合いを受ける割合が低くなっていました。申し込まれた件数の多さや仕事の時間をそろえても、この傾向は残りました
- 女性では、年収が高い人、BMIが低めの人ほど受ける割合が低く、大学院卒の女性は受ける割合が高くなっていました
- 補足の分析では、男女とも、申し込まれる件数が多く、かつ申し込みを受ける割合が高い人ほど、成婚しやすくなっていました
論文の考察:「ハイスペック・アノミー」
論文は、この結果を「ハイスペック・アノミー」という言葉で説明しています。
- 市場で人気のある人は、次々と申し込みが届くので、「このまま続ければ、もっといい人に会えるかもしれない」と考えやすくなる
- 反対に、申し込みが少ない人は、自分の立ち位置を知って、相手をより好みしにくくなる
- その結果、条件のよさと成婚のしやすさの関係が、打ち消されていたのではないか
論文は、結婚相談サービスの中では、こうしたしくみによって成婚のチャンスが平等に近づく面がある、と書いています。一方で、利用には高額な費用がかかるため、そもそも入会できる人が限られる点も指摘しています。

この研究では、条件がよい人ほど申し込まれていましたが、成婚のしやすさには、男性の年収をのぞいてほとんど差がありませんでした。申し込みが少なくても、それだけで結婚が遠いとは限りません。
研究の限界
- 調べたのは1社の会員で、2016年の調査です。ほかの会社や、いまの婚活でも同じかはわかりません
- 会員は、結婚への意欲が高く、費用を払える人に限られています。また、三大都市圏に住む人が男性の79.2%、女性の84.1%を占めていました
- 調査に答えた時期が人によってちがう(入会直後の人も、退会直前の人もいる)ことを、論文自身がデータの限界としてあげています
- 結婚したあとの満足度は調べていません。論文は、たくさんの中から選んだ人と、自分を選んでくれた相手と結婚した人の、どちらが幸せになるかはわからない、と書いています
婚活に当てはめると
- 申し込みが多い人も少ない人も、この研究では成婚のしやすさに大きな差はありませんでした
- 申し込みが多い人は、「もっといい人がいるかも」と比べ続けていないか、ふり返ってみるのもひとつです。たくさん見るほど「なし」が増える実験はアプリで相手を見ていくほど「なし」が増える?にまとめています
- 結婚相談所の契約のルールは結婚相談所に入る前に知っておきたい法律、公的な婚活支援の研究は公的な婚活サービスで、結婚が決まりやすいのはどんな人?もどうぞ

ブン子申し込みの数で、自分の未来まで決めつけなくていいんだね。

ハイ男ぼくは「もっといい人がいるかも」がクセになってたかも。いま会っている人と、ちゃんと向き合ってみるよ。
まとめ
- 大手の結婚相談サービスの会員1,582人(2016年調査)を分析した研究(2018年)
- 学歴・年収・身長などの条件がよい人ほど、お見合いを多く申し込まれていた
- でも、成婚のしやすさには、男性の年収をのぞいてほとんど差がなかった
- 条件がよい人ほど申し込みを断る割合も高く、論文はこれを「ハイスペック・アノミー」と呼んでいる
参考文献
- 鈴木翔, 須藤康介, 寺田悠希, 小黒恵. 学歴・収入・容姿が成婚と配偶者選択行動に与える影響:結婚相談サービスに内包されたメカニズム. 理論と方法. 2018;33(2):167-181. doi:10.11218/ojjams.33.167. https://doi.org/10.11218/ojjams.33.167 (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。


