
ハイ男結婚? いい人がいればしたいけど、今は別に急いでないかな。

ブン子わたしも「どちらでもいい」って思ってるうちに、何年もたっちゃった…。そういう人って多いのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、結婚への気持ちと、その後に結婚したかどうかを、同じ人を9年間追いかけて調べた研究です。James Raymo さん・Fumiya Uchikoshi さん・Shohei Yoda さんの論文「Marriage intentions, desires, and pathways to later and less marriage in Japan」(Demographic Research 44巻3号、2021年)の原文をもとにまとめました。
どんな研究?
- 東京大学社会科学研究所が毎年行っている「働き方とライフスタイルの変化に関する全国調査(JLPS)」を使いました。全国の20〜40歳の男女を、2007年から2015年まで9回追いかけた調査です
- 2007年に未婚だった男性1,247人・女性1,091人の、結婚への気持ちを毎年見ています
- 気持ちは、「ぜひ結婚したい」「できれば結婚したい」「結婚してもしなくてもよい」「結婚は考えていない」「結婚したくない」の5つから選ぶ質問です
最初の年(2007年)の結婚への気持ち
| 2007年 20〜40歳の未婚者 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| ぜひ結婚したい | 37.3% | 44.2% |
| できれば結婚したい | 37.5% | 34.9% |
| 結婚してもしなくてもよい | 13.4% | 12.7% |
| 結婚は考えていない | 9.1% | 5.7% |
| 結婚したくない | 2.6% | 2.5% |
出典:Raymo, Uchikoshi, Yoda. Demographic Research 44巻3号(2021年)表2
- 「結婚したくない」は、男女とも3%未満でした
- 男女とも、4人に3人ほどが結婚したいと答え、そのうち半分ほどが「ぜひ」、半分ほどが「できれば」でした
- 「ぜひ結婚したい」は、年齢が上がるほど少なく、35〜40歳では男性27.8%・女性18.4%でした
気持ちは、1年で変わりやすい
| 前の年の気持ち | 翌年も同じ | 翌年に結婚 |
|---|---|---|
| ぜひ結婚したい | 65.9% | 12.5% |
| できれば結婚したい | 61.1% | 4.4% |
| 結婚してもしなくてもよい | 54.5% | 2.1% |
| 結婚は考えていない | 48.3% | 0.6% |
| 結婚したくない | 51.1% | 0.0% |
出典:同 表3(2007〜2015年の、ある年とその翌年の組み合わせをまとめたもの)
- 翌年も同じ気持ちを答えた人は、半分ほどでした。気持ちは毎年けっこう変わります
- 翌年に結婚していた人の割合は、「ぜひ結婚したい」人がいちばん高く、12.5%でした

ハイ男「できれば」の人が翌年に結婚していたのは4.4%か。「ぜひ」の人の3分の1くらいなんだね。
9年後、独身が続いた人の3つの道すじ
論文は、9年後(2015年)の状態を、次のように分けました。
| 9年後の状態 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 結婚した | 33% | 46% |
| 結婚を拒んでいる(「結婚したくない」) | 3% | 2% |
| 結婚したいのに、まだ実現していない(「ぜひ」「できれば」のまま) | 22% | 17% |
| 気持ちがはっきりしないまま、独身が続いている(「できれば」「どちらでもいい」「考えていない」の間) | 41% | 34% |
出典:同 本文(4つの道すじに分けられない人が少しいるため、合計は100%になりません)
- 9年後も独身の人のうち、約3分の2が「気持ちがはっきりしないまま独身が続いている」、約30%が「結婚したいのにまだ実現していない」、5%以下が「結婚を拒んでいる」に当たりました
- 最初の年に「ぜひ結婚したい」と答えた人のうち、9年で結婚したのは男性46%・女性61%でした
- 最初の年に「結婚したくない」と答えた人でも、9年で男性の9%・女性の21%が結婚していました
- 4年制大学を出ていない人のほうが、「気持ちがはっきりしないまま」の割合が高く、年齢が上がるほどこの割合が高くなっていました

この研究では、9年後も独身の人のうち、結婚を拒んでいた人は5%以下でした。約3分の2は「できれば」「どちらでもいい」などの気持ちのまま独身が続いていて、約30%は結婚したいのにまだ実現していませんでした。
論文の解釈
- 日本の晩婚化・未婚化は、結婚を積極的に拒む人が増えたからではない、と論文は書いています
- 「結婚したいのに実現していない」人が多いことは、経済的な不安定さや、相手と出会うことの難しさを重視する説明と合う、としています
- 「気持ちがはっきりしないまま」の人がさらに多いことは、相手探しが長引くことや、仕事と家庭の両立が難しい中での結婚へのためらい、独身生活の居心地のよさなどを重視する説明と合う、としています
研究の限界
- 9年後に一番若い人はまだ29歳で、一生独身かどうかを見たものではありません
- 人数が少なく、とくに結婚への関心が低い人の結婚について、正確な推定は難しいとしています
- 恋人がいるかどうかや、結婚の具体的な予定など、答えたときの状況はわかりません
婚活で考えたいこと
- 2012年に20代だった人を10年追いかけた国の調査は「結婚したい」と思っていた人は、10年でどれくらい結婚した?、独身が続くと結婚したい気持ちがどう変わるかは独身が続くと、結婚したい気持ちは変わる?にまとめました
- 「いずれ結婚するつもり」の未婚者の割合は「いずれ結婚するつもり」の未婚者は減った?もどうぞ

ブン子「どちらでもいい」のまま、なんとなく時間がたっていたのは、わたしだけじゃなかったんだ。一度、自分の気持ちをちゃんと考えてみる。

ハイ男「いい人がいれば」だけじゃ、いつまでも決まらないかもね。
まとめ
- 2007年に20〜40歳で未婚だった男女を9年追いかけた研究(2021年)
- 最初の年に「結婚したくない」と答えたのは男女とも3%未満
- 「ぜひ結婚したい」人のうち、9年で結婚したのは男性46%・女性61%
- 9年後も独身の人の約3分の2は、気持ちがはっきりしないまま独身が続き、約30%は結婚したいのにまだ実現しておらず、結婚を拒んでいたのは5%以下
参考文献
- Raymo J, Uchikoshi F, Yoda S. Marriage intentions, desires, and pathways to later and less marriage in Japan. Demographic Research. 2021;44(3):67-98. doi:10.4054/DemRes.2021.44.3. https://www.demographic-research.org/articles/volume/44/3 (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。


