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オタ男初デートで話すことがなくて、つい最近買ったイヤホンのスペックの話をしちゃった…。

ブン子わたしも、何を話せば盛りあがるのか、いつも迷う。話題の選び方って、研究があるのかな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、人は「買ったモノ」と「した体験」のどちらを話したくなるかを調べた心理学の研究です。2015年にアメリカの学術誌「Personality and Social Psychology Bulletin」に載った、クマールとギロビッチ(コーネル大学)の論文「Some “Thing” to Talk About?」の原文(著者が公開している版)をもとにまとめました。デートの研究ではなく、自分の買いものについて話すことを調べたものです。
「体験」と「モノ」のちがい
この研究では、次のように分けています(先行研究の定義)。
- 体験への出費:人生の体験(出来事)を得るための出費。例:旅行、コンサートやスポーツの観戦チケット、外食、アウトドアの参加費
- モノへの出費:手元に残る品物を得るための出費。例:服、テレビ、腕時計、ノートパソコン
わかったこと(1):話せないと、体験のほうが困る
- 研究1a(米国のオンライン調査の100人):最近5年でいちばん大きな買いものについて、「だれにも話さないで」と頼まれたらどれくらい困るか(1〜9)をたずねると、体験は5.87、モノは4.64でした(値段の差は考慮ずみ)
- 研究1b(大学生98人):「一番行きたい浜辺の旅行だが人に話せない」か「二番目だが話せる」かを選ぶと、二番目を選んだ人は体験(浜辺の旅行)で67%、モノ(電子機器)では22%でした
- 研究1c(オンライン調査の98人):自分の実際の買いもので同じ質問をすると、二番目を選んだ人は体験で42%、モノで23%でした

ブン子一番の旅行より、話せる旅行を選ぶ人がそんなにいるんだ。
わかったこと(2):話題に選ばれるのは体験
- 研究3(大学生74人):体験とモノを5つずつ、計10の買いものを書きだしてもらい、「1つだけ人と話すなら」と選んでもらうと、80%が体験を選びました
- 研究4(オンライン調査の102人):「雑談がうまく続かず、話題に困っている場面」で、その買いものの話をしたくなるか(1〜9)をたずねると、体験は5.34、モノは4.19でした。体験のほうが話題にした回数も多く、満足感も高く、その満足感の差の一部は「よく話していること」で説明できる、という分析結果でした
わかったこと(3):話すと、うれしさが増す
- 研究2b(大学生109人):20の買いもの(体験10・モノ10)について、「あとで人に話すことが、楽しさをどれくらい増やすか」(1〜9)をたずねると、体験は6.11、モノは5.05でした
- 研究5(大学生ら99人):これからする予定の買いものでも、体験の予定のほうが、すでに人に話していて、待つ時間もわくわくしていました
論文は、体験は話すことで思い出が何度も楽しめる「話す楽しさ(ストーリーの効用)」がある、と考えています。

この研究では、人に話せないなら一番より二番目の旅行を選ぶ人が67%いました。体験は、人に話すことで楽しさが増す、と論文は考えています。
デートや LINE に当てはめると
研究からいえることは、次のくらいです。
- 話題に困ったら、最近の買いもの(モノ)より、最近したこと・行った場所の話のほうが、自分も話しやすく、楽しめるかもしれない(研究3・4)
- 相手に「最近どこか行った?」「この前のライブどうだった?」とたずねるのも、話しやすい話題を渡すことになりそう
- 質問のしかたは初デートの会話、何を話す?、話題を少し深めることは深い話は、思ったより気まずくない?の記事もどうぞ
注意したいこと:
- デートの研究ではありません。自分の買いものについて、話したいか・話すと楽しいかを本人にたずねた研究です。相手が体験の話をよろこんで聞くかどうかは、この論文では調べていません
- 対象は米国の大学生とオンライン調査の参加者で、多くは本人の答え(自己申告)です
- 研究3では、話した数そのものの差は小さく、統計的にははっきりしませんでした(体験2.03・モノ1.76)
- 論文が調べたのは楽しい体験だけで、いやな体験の話がどうなるかは、これからの研究だと書いています

オタ男次は、イヤホンのスペックより、そのイヤホンで聴きに行ったライブの話をしてみるよ。

ブン子わたしも、この前行った古本市の話から始めてみようかな。
まとめ
- 人に話せないなら、一番より二番目の体験を選ぶ人は67%(電子機器では22%)
- 10の買いものから1つだけ話すなら、80%が体験を選んだ
- 体験の話は、話すことで楽しさが増すと感じられていた(6.11対5.05)
- ただし、デートの研究ではなく、多くは本人の答え。聞く側の反応は調べていない
参考文献
- Kumar A, Gilovich T. Some “Thing” to Talk About? Differential Story Utility From Experiential and Material Purchases. Personality and Social Psychology Bulletin. 2015;41(10):1320-1331. doi:10.1177/0146167215594591. 著者公開版:http://www.kumar-amit.com/s/Kumar-Gilovich-in-press-Some-Thing-to-Talk-About-PSPB.pdf (閲覧日:2026年10月22日)
- Crossref. 10.1177/0146167215594591 の書誌情報(訂正・撤回の通知なし). https://api.crossref.org/works/10.1177/0146167215594591 (閲覧日:2026年10月22日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。

