
プレ男甥っ子がおたふくかぜになったんだ。ぼく、子どものころにかかったか覚えてない…。大人がかかると、男はタマがやばいって本当?

メル美わたしも、ワクチンを打ったか母子手帳を見ないとわからないな。
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、大人のおたふくかぜの話です。国立健康危機管理研究機構(JIHS)の感染症情報提供サイト「流行性耳下腺炎」(2025年11月27日更新)と、JIHS・国立感染症研究所の「おたふくかぜワクチン ファクトシート 第2版」(2026年6月19日改訂)をもとにまとめました。
おたふくかぜとは
- ムンプスウイルスによる感染症で、正式には「流行性耳下腺炎」といいます
- うつり方は、飛沫感染と接触感染です
- 潜伏期間は14〜21日ほど(平均18日前後)。耳の下(唾液腺)のはれと痛み、発熱、飲みこむときの痛みが出て、ふつうは1〜2週間でよくなります
- 約30%は症状が出ない(不顕性感染)とされ、症状がなくても、だ液にウイルスが出ます
- 国内では3〜5年ごとに増減をくり返し、3〜7歳を中心に子どもの患者が多い病気です
- 特別な治療薬はなく、症状をやわらげる治療が中心です
大人がかかると、合併症が重くなりやすい
ファクトシートは、おたふくかぜの合併症は「小児よりも思春期・成人においてより重篤」としています。
| 合併症 | 頻度(ファクトシートより) |
|---|---|
| 精巣炎(思春期以降の男性) | 14〜35% |
| 卵巣炎(思春期以降の女性) | 5% |
| 無菌性髄膜炎 | 1〜10%(ふつうは後遺症なく治る) |
| ムンプス脳炎 | 0.02〜0.5%(治りにくい) |
| ムンプス難聴 | 0.01〜0.5%。近年の国内の調査では数百人から千人に1人とも(治りにくい) |
- 精巣炎になると、精巣がさまざまな程度に小さくなり(萎縮)、精子の数が減ることがありますが、不妊症の原因になるのはまれです
- ムンプス難聴は片耳のことが多いですが、両耳になって人工内耳の手術が必要になることもあります。2015〜2016年の耳鼻咽喉科への調査では、少なくとも356人がムンプス難聴になっていました
- 無菌性髄膜炎と脳炎は、女性より男性に多いとされています
- 妊娠初期にかかると、流産の危険が高くなります(これまでのところ、赤ちゃんの先天異常は報告されていません)

プレ男精巣炎は14〜35%もあるんだ。でも、不妊の原因になるのはまれなんだね。難聴のほうが治りにくいのか…。
ワクチン
- 日本では、おたふくかぜワクチンは長く任意接種(自分で希望して受ける接種)でした。1989年に定期接種になった麻しん・おたふくかぜ・風しん混合(MMR)ワクチンは、無菌性髄膜炎の問題で1993年に中止されています
- 2026年5月には、新しい麻しん・おたふくかぜ・風しんの混合(MMR)ワクチンが承認されました。定期接種にするかどうかなどは、これから検討されます
- 発症を防ぐ効果は、海外のワクチンで1回接種が約72%、2回接種が約86%、国産ワクチンで約89%と報告されています
- 副反応は、接種の10〜14日後に微熱や耳の下の軽いはれが出ることがあり、治療はいりません。まれに無菌性髄膜炎などが起こることがあります
- 日本以外のG7の国では、ほとんどがMMRワクチンの2回接種を定期接種にしています

おたふくかぜは、大人がかかると精巣炎や難聴などの合併症が重くなりやすい病気です。かかったことやワクチンの記録がわからない大人は、医療機関で相談しましょう。

メル美母子手帳を確認して、わからなかったら病院で相談してみよう。プレ男くんもね。
まとめ
- おたふくかぜはムンプスウイルスによる感染症。潜伏期間14〜21日、約30%は症状なし
- 大人がかかると重くなりやすい。男性の精巣炎は14〜35%、ただし不妊の原因はまれ
- ムンプス難聴は数百〜千人に1人とも言われ、治りにくい
- 特別な治療薬はなく、予防はワクチン
- 日本では任意接種。2026年5月に新しいMMRワクチンが承認
参考文献
- 国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト. 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ、ムンプス)(更新日:2025年11月27日). https://id-info.jihs.go.jp/infectious-diseases/mumps/index.html (閲覧日:2026年10月5日)
- 国立健康危機管理研究機構, 国立感染症研究所. おたふくかぜワクチン ファクトシート 第2版(令和8年6月19日改訂). https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001713315.pdf (閲覧日:2026年10月5日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。