
プレ男年末に東南アジアをバックパックで回るんだ!屋台めぐりもしたいし、田舎の村にも行ってみたい。

メル美わたしは来年、南米に行きたいんだ。ワクチンって、何か打ったほうがいいのかな?
こんにちは、Dr. Taro です。 今回は、海外旅行の前に考えたいワクチンの話です。厚生労働省検疫所(FORTH)の「海外渡航のためのワクチン(予防接種)」をもとにまとめました。
ワクチンには2つの目的がある
FORTH によると、海外渡航のワクチンには、主に2つの面があります。
- 入国のために必要なもの:入国のときに黄熱の予防接種証明書を求める国があります(主にアフリカや南米の熱帯地域)。乗り継ぎで必要になることもあります
- 旅先で感染症から体を守るもの:外国には、日本にない病気や、日本より感染の危険が大きい病気があります。ワクチンで防げる病気は限られますが、かかるリスクを下げることができます。まわりの人にうつすのを防ぐことにもつながります
- 必要なワクチンは、行き先、期間、旅のスタイル、年齢、健康状態、これまでのワクチン歴によってちがいます
- 留学などで、入学のときに予防接種の証明書を求められることもあります
相談は「出発の3か月以上前」から
- ワクチンの中には、2〜3回打つ必要があるものもあります
- 海外に行く予定があるときは、なるべく早く(できるだけ出発の3か月以上前から)、トラベルクリニック・渡航外来などの医療機関で、どのワクチンを、どの日程で打つか相談しましょう

プレ男3か月前!?もうすぐじゃん。早めに相談しなきゃ。
まず確かめたい:はしか(麻しん)・風しん
- FORTH の表では、麻しん風しんワクチンの対象は「海外へ渡航しない人も含めて、すべての人」です
- かかったことがない、ワクチンを受けたことがない、1回しか受けていない、受けたかどうかわからない人には、ワクチンがすすめられています
- 麻しんはとても感染力が強く、先進国でも患者1,000人に1人が亡くなるとされています。海外で感染して日本に持ちこむ例もあります(はしかが増えている)
- 風しんは、妊娠20週ごろまでの妊婦さんがかかると、赤ちゃんが先天性風しん症候群になることがあります(大人の風疹対策)
- 子どものころの定期接種がすべて済んでいるかも、渡航前に母子手帳などで確認しましょう
行き先・旅のスタイルで考えたいワクチン
FORTH があげている主なワクチンと、対象の目安です。
| ワクチン | 対象の目安(FORTH) |
|---|---|
| 黄熱 | 感染のリスクがある地域に行く人、入国に証明書が必要な国へ行く人 |
| A型肝炎 | 途上国に長期(1か月以上)滞在する人、とくに60歳以下 |
| B型肝炎 | 血液や体液にふれる可能性のある人 |
| 破傷風 | 冒険旅行などで、けがをする可能性の高い人 |
| 狂犬病 | イヌ・キツネ・コウモリなどの多い地域へ行く人で、とくに近くに医療機関がない地域へ行く人。動物と直接ふれる人 |
| 日本脳炎 | 流行地域に長期滞在する人(主に東南アジアの、ブタを飼っている農村部) |
| ポリオ | 流行地域に行く人 |
| 髄膜炎菌 | 流行地域に行く人、定期接種にしている国へ留学する人 |
A型肝炎:生の食べもの・水から
- 加熱していない食べものや飲みものからうつる病気で、アジア、アフリカ、中南米に広くあります
- 発症するとだるさが強く、重いと1か月以上の入院が必要になることもあります
- 60歳以下の人は抗体をもっている割合が低いため、接種がすすめられています
- ワクチンは2〜4週間あけて2回。6か月以上滞在するなら、6か月目にもう1回打つと、少なくとも5年以上効果が続くとされています
- A型肝炎は性行為でうつることもあります(A型肝炎ワクチン)
B型肝炎
- いまは、お母さんから赤ちゃんへの感染と、思春期以降の性行為による感染が、主な原因になっています
- ワクチンは4週間あけて2回、さらに20〜24週後に1回の、計3回です(B型肝炎ワクチン)
破傷風
- 破傷風菌は、世界中の土の中にいて、傷口からうつります。日本でも毎年患者が出ています
- 12歳のときに定期接種(2種混合)を受けていれば、20代前半くらいまでは免疫があるので接種は不要。そのあとは、1回の追加接種で約10年間有効な免疫がつきます(破傷風)
狂犬病:発病すると、ほぼ100%亡くなる
- アジア・アフリカを中心に世界中で発生していて、発生が確認されていない国はオーストラリア、ニュージーランドなどごくわずかです
- イヌだけでなく、キツネ、アライグマ、コウモリなどにかまれたり、ひっかかれたりしてうつります
- 渡航前のワクチンは、基本的に3回
- 渡航前にワクチンを打っていても、流行地域でイヌなどにかまれたら、かまれたあとのワクチン接種が必要です。すぐに医療機関へ

メル美旅先でかわいい犬や猫がいても、むやみにさわらないほうがいいんだね。
日本脳炎
- ウイルスをもった蚊に刺されてうつる、重い急性の脳炎です。死亡率が高く、後遺症が残ることも多い病気です
- 東アジア、南アジア、東南アジアの流行地へ行く人に。基礎免疫が済んだあとは、1回の接種で4〜5年間有効な免疫がつくとされています
ポリオ
- 流行国へ行く人は、追加接種を検討します。WHO は、患者が出ている国へ行くときは、以前に受けていても渡航前に追加の接種をすすめています
- とくに1975〜1977年(昭和50〜52年)生まれの人は、ポリオの免疫が低いことがわかっているので、流行国でなくても、海外に行く前の追加接種を検討してください
黄熱
- 蚊がうつすウイルスの病気で、アフリカや南米の熱帯地域へ行く人に必要なワクチンです
- 黄熱の予防接種証明書は、接種後10日目から生涯有効。以前に発行された有効期間10年の証明書も、そのまま生涯有効なので、捨てずに保管しましょう
- 証明書を求める国は変わることがあるので、検疫所で確認を

何回か打つワクチンもあるので、海外に行くと決まったら、できるだけ出発の3か月以上前から医療機関で相談しましょう。はしか・風しんのワクチンは、海外に行かない人も含めて、すべての人に必要です。
ワクチンのない病気にも注意
- デング熱は、ウイルスをもった蚊に刺されてうつる病気です。FORTH は、蚊の多い屋外ではできるだけ肌を出さず、虫よけ剤を使うなど、蚊に刺されないよう注意するよう呼びかけています
- 鶏肉の生食による食中毒についてはカンピロバクターの記事もどうぞ
- 行き先ごとの感染症の情報は、FORTH の「国・地域別情報」で確認できます

プレ男母子手帳を見て、渡航外来に相談してくる!
まとめ
- 海外渡航のワクチンは、入国に必要なもの(黄熱)と、体を守るものの2種類
- 何回か打つものもあるので、出発の3か月以上前から相談
- はしか・風しんは、渡航しない人も含めてすべての人に
- A型肝炎・B型肝炎・破傷風・狂犬病・日本脳炎・ポリオ・髄膜炎菌は、行き先と旅のスタイルで
- 狂犬病は、ワクチンを打っていても、かまれたらすぐ受診
参考文献
- 厚生労働省検疫所(FORTH). 海外渡航のためのワクチン(予防接種). https://www.forth.go.jp/useful/vaccination.html (閲覧日:2026年10月4日)
- 厚生労働省検疫所(FORTH). デング熱(Dengue Fever). https://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name33.html (閲覧日:2026年10月4日)
この記事は一般的な情報提供を目的としたもので、個別の診断・治療に代わるものではありません。 気になる症状や不安がある場合は、医療機関にご相談ください。